2025年10月、『チョッちゃん』に続き、NHK BSの朝のアンコール枠にて再放送がスタートした第76作目の朝ドラ『どんど晴れ』。
比較的記憶に新しい作品とは言っても、最初に放送されたのは2007年であり、すでに18年以上が過ぎようとしています。
本記事では、家族関係を中心にした主な登場人物の相関図とともに、演じた主要キャスト15人のその後と現在についてご紹介します。残念ながら故人も複数います。
2007年に放送されたNHK朝ドラ第76作『どんど晴れ』
2007年4月2日から9月29日にかけて放送されたNHK連続テレビ小説、通称朝ドラ第76作目の作品が『どんど晴れ』です。
岩手県の老舗旅館を主な舞台に、横浜育ちのヒロインが、奮闘しながら様々な困難を乗り越え、若女将として成長していく姿を描きます。
脚本を手掛けたのは90年代のトレンディードラマや2009年放送のNHK大河ドラマ『天地人』、2015年の『花燃ゆ』を手掛けた小松江里子、そしてヒロインを比嘉愛未が演じました。
2015年から16年にかけての放送に続き、二度目のアンコール放送です。
『どんど晴れ』の簡単な人物相関図
浅倉家と加賀美家の家族関係を中心にした人物相関図です。

主要キャスト15人のその後と現在(2025)【故人】
それぞれの簡単な経歴・プロフィールにあわせ、ドラマの放送その後と現在、私生活などご紹介します。
①浅倉夏美/比嘉愛未
ヒロインの浅倉夏美を演じ、女優として大きく飛躍した比嘉愛未(ひがまなみ)は、1986年6月14日、沖縄県具志川市(現在のうるま市)生まれ。沖縄でモデルとしてキャリアをスタートした後に上京。オーディションにより見事、本役柄を手にしました。
その後もキャリアは順調で、2009年の大河ドラマ『天地人』、2019年の朝ドラ『なつぞら』のほか、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』、『マルモのおきて』、『DOCTORS〜最強の名医〜』、『ハンチョウ〜警視庁安積班〜』など多くのヒットドラマで主要キャストを演じ続けています。
2025年1月31日付けで長らく所属していた「ライジングプロダクション」を退所し、3月になって「コンテンツ・スリー」に移籍しました。
②加賀美柾樹/内田朝陽
夏美の夫となる加賀美柾樹を演じた内田朝陽(うちだあさひ)は、1982年5月30日、東京生まれ。2000年、「21世紀ムービースターオーディション」でグランプリに輝き、映画『死者の学園祭』でデビューしました。
その後はマイペースで多くのドラマや映画、舞台に出演を続ける一方、2011年につぶやきシローとコントユニットを結成したり、2019年に、綾野剛、山田孝之と一緒にバンド「THE XXXXXX」を結成したりと、さまざまな活動を行っています。シリーズ化した連続ドラマ『記憶捜査〜新宿東署事件ファイル〜』における山崎清役は当たり役でしょう。
私生活では、2015年に一般女性と結婚し、翌年に長男をもうけていますが、2020年に離婚しています。
③浅倉啓吾/大杉漣(故人)
横浜で洋菓子店を営む夏美の父・浅倉啓吾を演じた大杉漣ですが、残念ながら、2018年2月21日、急性心不全により66歳で急死しました。
1951年9月27日、徳島県小松島市生まれ。大学を中退して劇団に所属し、1973年に舞台デビューしました。80年代は日活ロマンポルノやピンク映画に多く出演し、その後もVシネマ中心の下積み生活を長く送ります。北野武監督の映画『ソナチネ』、SABU監督の映画『ポストマン・ブルース』などで次第に注目を浴び、1998年の北野武監督作『HANA-BI』でついに花開くと、様々な映画賞を受賞して一気に広く知られるところとなりました。
その後はどんな役柄でもこなす「カメレオン俳優」として大活躍したことはあえて説明するまでもありません。例えば、2010年の朝ドラ『ゲゲゲの女房』でも再びヒロインの父を演じています。
主演ドラマ『バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜』のロケ中に突然体調を崩し、搬送された病院で亡くなったため、同作が遺作となりました。
私生活では、21歳のときに女優の卵だった一般女性と結婚。のちに所属事務所『ZACCO』の代表取締役を務めた大杉弘美氏です。長男の大杉隼平は写真家として活動しています。
④浅倉房子/森昌子
夏美の母を演じたのは、2019年12月をもって芸能界から完全引退した森昌子です。
1958年10月13日、栃木県宇都宮市出身。1971年、13歳で『スター誕生!』の初代グランドチャンピオンとなり、翌年『せんせい』で歌手デビュー。山口百恵、桜田淳子とともに「花の中三トリオ」として絶大なる人気を博したのももはや50年以上前です。
70年代から80年代にかけ、希代の実力派歌手として数々のヒット曲を飛ばした後、1986年、森進一との結婚を機に芸能界を引退。2005年に離婚した翌年に復帰しましたが、還暦となった2019年に2度目の引退を表明しました。
歌手としてのみならず、1981年の山田太一ドラマ『想い出づくり。』など、複数のテレビドラマなどに出演し、女優としても一定の評価を得ていました。森進一との間にもうけた3男はいずれも芸能界で活動。とくに長男はONE OK ROCKのTakaとして世界的な活躍をしています。
⑤浅倉智也/神木隆之介
夏美の弟を演じていた神木隆之介のその後の活躍ぶりについては言うまでもありません。
1993年5月19日、埼玉県富士見市に生まれ、1996年『東京卒業』でドラマデビューしました。2006年のドラマ『探偵学園Q』で初主演を果たした翌年の作品が本作です。
その後は数多くの映画、ドラマに抜擢され、若手実力派俳優の筆頭として活躍。声優として参加した2016年のアニメ映画『君の名は。』、主演した2023年の朝ドラ『らんまん』、映画『ゴジラ-1.0』など記憶に新しいでしょう。
2025年10月現在は、フジテレビのドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』に出演中です。
⑥加賀美カツノ/草笛光子
柾樹の祖母にして、「加賀美屋」の7代目大女将である加賀美カツノを、草笛光子がさすがの存在感で演じています。
草笛光子は、1933年10月22日、神奈川県横浜市生まれ。2025年10月末現在なんと92歳ですが、今なお気品のある名女優として現役です。
松竹歌劇団(SKD)を経て、映画デビューしたのが1953年。70年以上を誇る長いキャリアの中、朝ドラだけでも本作含め5作品、大河ドラマは『鎌倉殿の13人』まで計11作品に出演しています。映画では、例えば60年代の「社長シリーズ」、『犬神家の一族』をはじめとする金田一耕助シリーズでも常連でした。
最も新しい作品は、2025年4月に公開された主演映画『アンジーのBARで逢いましょう』。私生活では、1960年に作曲家の芥川也寸志と結婚しましたが、わずか2年で離婚しています。
⑦加賀美環/宮本信子
カツノの次男・久則の妻で「加賀美屋」の9代目女将が加賀美環です。柾樹から見ると叔母にあたります。
演じている宮本信子は、1945年3月27日、北海道小樽市に生まれ、愛知県名古屋市で育ちました。劇団所属を経て、初出演した1965年のドラマ『あしたの家族』で共演した伊丹十三と1969年に結婚。二男の子育て、そして夫を公私に渡り支え続ける中、1984年の伊丹監督作『お葬式』で女優としても高い評価を得ました。
その後は、『マルサの女』や『あげまん』など伊丹監督作の常連として名女優ぶりを発揮。1997年の伊丹の他界後は、ときおりのドラマ出演が中心でしたが、2007年、『眉山-びざん-』で久しぶりの映画出演も果たしました。
朝ドラは本作含め5作品に出演。2013年の『あまちゃん』で演じたヒロインの祖母役など記憶に新しいでしょう。
2007年には、自ら出資し、愛媛県松山市に「伊丹十三記念館」を開館。館長に就任しています。ちなみに長男の伊丹万作も俳優として活動しており、本作には、「加賀美屋」乗っ取りを画策する一味の一人、西田一敏役で出演しています。
⑧加賀美久則/鈴木正幸
1枚目 よく捕まる男。
— SHOWA特撮80's (@80_showa) October 27, 2023
2枚目 よく捕まえる男。
3、4枚目 実は仲のいいお二人。
撮影日 2023年10月25日 photo by EITO@SUZUKImasa0319 (大山小次郎役 鈴木正幸)@SATOSHIkuri0621 (ガイラー将軍役 栗原敏)#宇宙刑事#宇宙刑事シャリバン#特撮 pic.twitter.com/HYWMWQFy90
カツノの次男にして環の夫、「加賀美屋」の社長を務める加賀美久則を演じている鈴木正幸は、1946年3月19日、青森県中津軽郡相馬村(現在の弘前市)生まれ。
劇団所属俳優として下積み生活の後、持ち前の津軽訛りを駆使する個性的なバイプレーヤーとして人気を博しました。『3年B組金八先生』をはじめとする「桜中学シリーズ」に登場する大森巡査役が有名です。
2010年、栃木県那須町に移住し、夫婦で田舎暮らしをしているせいか、2022年のドラマ『全っっっっっ然知らない街を歩いてみたものの』、2023年の映画『バカ塗りの娘』など、ここ数年はマイペースのゆっくりとした俳優活動をしているようです。
⑨加賀美伸一/東幹久
\🦷 芸能人は歯が命 🦷/
— オリコンニュース (@oricon) July 31, 2025
東幹久&高岡早紀
アパガードの名コンビが令和に共演❗️
今だから語れる当時のCM出演秘話
斬新すぎる演出に「これはまずいだろ(笑)」https://t.co/TiNL47mM9t#東幹久 #高岡早紀 @realsakitakaoka pic.twitter.com/fnBNmMcwGk
久則と環の長男で「加賀美家」 の支配人・加賀美伸一を演じた東幹久。1969年8月12日、東京都渋谷区に生まれ、1988年の映画『SO WHAT』で俳優デビューしました。もと不良グループのチーマーだった話は有名です。
90年代からは、『素顔のままで』や『お金がない!』、『やまとなでしこ』など一連のトレンディードラマを中心に多くの作品に出演。2000年代には俳優業ばかりかバラエティー番組でも人気を博しました。
私生活では、2025年10月現在、独身を貫いています。
⑩加賀美恵美子/雛形あきこ
伸一の妻・加賀美恵美子を演じた雛形あきこは、1978年1月27日、東京都江戸川区に生まれ、1992年のドラマ『おべんきょう』で子役デビューしました。
女優業のかたわら、まずはグラドルとして人気を博したほか、1995年よりバラエティー『めちゃ²モテたいッ!』のレギュラーとして長らく活躍。グラドルは1998年の結婚を機に卒業し、女優としての活動が中心になっています。
1998年に結婚したCMディレクターの山本一磨とは、一女をもうけるものの2003年に離婚。2013年に俳優の天野浩成と再婚しました。2024年に所属事務所を退所し、個人事務所「hina」を設立しています。
⑪加賀美浩司/蟹江一平
久則と環の次男で「加賀美家」では板前を務めている加賀美浩司を演じた蟹江一平は、その名の通り、故・蟹江敬三の長男です。
1976年6月8日、東京に生まれ、青年座入団を経て、1999年の朝ドラ『すずらん』で俳優デビューしました。その後はドラマ、映画、舞台のほか、バラエティー番組、ラジオのMC、ナレーターなど多彩な活動を続けています。
私生活では、2009年、青年座のスタッフだった一般女性と結婚。2020年からは事務所無所属のフリー俳優として活動中です。 ちなみに姉の栗田桃子も女優です。
⑫加賀美俊江/中江有里
8代目女将の激務から体を悪くして他界した柾樹の母が加賀美俊江であり、中江有里が演じました。
中江有里は、1973年12月26日、大阪市生まれ。1989年、雑誌の美少女コンテストで優勝し、芸能界入りします。1991年に歌手デビューし、翌年には主演映画『奇跡の山 さよなら、名犬平治』で日本アカデミー賞新人俳優賞に輝きました。1995年から96年にかけて放送された朝ドラ『走らんか!』ではヒロインを務めています。
歌手、女優としてマイペースに活動を広げていく一方、やがてキャスター、コメンテーター、脚本家、作家、書評家としての才能も開花させます。さらに近年は、文化審議会委員や政府機関の有識者会議メンバーに選ばれるなど、社会的な活動も目立つようになりました。
そんな中、2025年11月には、26年ぶりの主演映画『道草キッチン』が公開される予定。私生活では、2002年に制作会社の一般男性と結婚するも2010年に離婚。2023年に、パリ生まれの写真家・初沢亜利と再婚しました。
⑬石川政良/奥田瑛二
カツノの長男で柾樹の父でありながら、22年前、ある経緯から出奔した謎の男・石川政良。
演じた奥田瑛二は、1950年3月18日、愛知県東春日井郡高蔵寺町(現在の春日井市)生まれ。役者を目指しながらも様々な職を転々と長い下積み生活を送った後、1979年の映画『もう頰づえはつかない』で注目されます。80年代に入ってからはテレビドラマ『金曜日の妻たちへIII 恋におちて』や『男女7人夏物語』、映画『海と毒薬』などで俳優としての地位や人気を確立しました。
朝ドラは本作含め4作品、大河ドラマは6作品に出演しています。50歳になってからは、映画監督も手掛け、3作目となる2006年の『長い散歩』は国際的な映画祭でも高い評価を得ました。
私生活では、1979年、犬養毅を祖父に持つエッセイストの安藤和津と結婚。映画監督となった長女・安藤桃子、女優の次女・安藤サクラの活躍ぶりは言うまでもないでしょう。
⑭小野時江/あき竹城(故人)
【訃報】
— LINE NEWS (@news_line_me) December 20, 2022
あき竹城さんが死去 75歳 大腸がんで闘病 バラエティーでも活躍(スポーツニッポン)https://t.co/YL7cvvTSaK pic.twitter.com/lqRq9f4TcR
夏美を厳しく指導する「加賀美屋」の仲居頭・小野時江を演じたあき竹城ですが、惜しむらくも2022年12月15日に他界しました。
1947年4月4日、山形県米沢市生まれ。ダンサーとしての下積みから「日劇ミュージックホール」に出演していた際、そのコメディエンヌぶりを注目され、テレビのバラエティー番組や映画に出演するようになりました。
1983年の映画『楢山節考』における演技が高い評価を得、女優として開花。山形弁を駆使する名バイプレーヤーとして、たくさんのドラマや映画、またバラエティー番組でも活躍しました。
ひそかに治療していた大腸がんが悪化し、75歳で亡くなりました。1988年に年下の一般男性と結婚していますが、子どもはいないようです。
⑮佐々木平治/長門裕之(故人)
カツノの友人で、頑固な南部鉄器職人の佐々木平治を演じた長門裕之も、残念ながら故人です。
1934年1月10日、京都出身。芸能一家に生まれ、子役時代から華やかな活躍をしていました。『太陽の季節』や『にあんちゃん』『豚と軍艦』など、日活の看板スターとなります。日活は1962年に退社していますが、その後も『秋津温泉』『にっぽん昆虫記』はじめ、『日本侠客伝』シリーズなどたくさんの映画に出演しました。
映画同様、テレビドラマにも多数出演し、朝ドラは本作含め4作品、大河ドラマは5作品に出演しました。
私生活では、1961年に女優の南田洋子と結婚。おしどり夫婦として幅広い活動を行いつつ、1981年に発表した赤裸々な暴露本『洋子へ』がスキャンダルを巻き起こしたこともあります。
晩年は南田の認知症介護にあたり、2009年10月、最期を看取ります。それから2年とたたず、長門自身も2011年5月21日、肺炎からの合併症により77歳で死去しました。ちなみに、実弟の津川雅彦も、2018年8月4日に亡くなっています。
『どんど晴れ』を楽しみつつ、故人を偲ぶ
NHK BS 10/19 08:00 【連続テレビ小説】どんど晴れ(1)「わたし女将(おかみ)になります」 #nhkbs https://t.co/QiWyj6LbKX
— NHK BS (@NHK_BS1) October 18, 2025
『どんど晴れ』が放送された2007年は、今から18年以上前とはいえ、ご紹介した15人の主要キャストのうち、すでに3人が故人となっているのは残念です。
朝ドラらしいストーリー展開が楽しめる『どんど晴れ』を視聴しつつ、今は亡き実力派俳優3人の素晴らしい演技にも注目してみてください。
※アンコール枠で放送された前作『チョッちゃん』については以下の記事をご覧ください。


