朝ドラ『らんまん』撮影場所/ロケ地27か所を特定【高知/東京】

らんまん・ロケ地 ドラマ

2023年4月3日にスタートした、NHK連続テレビ小説108作目の作品『らんまん』。

幕末に生まれ、激動の昭和に至るまで活躍した植物学者・牧野富太郎をモデルにした、波乱と情熱に満ちたオリジナルストーリーです。

本記事では、特定できたロケ地・撮影場所27か所を詳しくご紹介したいと思います。

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朝ドラ『らんまん』とは?あらすじとキャスト

NHK連続テレビ小説の第108作目、2023年度前期作品として放送されたのが、「日本の植物学の父」として知られる牧野富太郎をモデルにした植物学者・槙野万太郎を主人公にしたドラマ『らんまん』です。

タイトルは、主人公の前向きで天真らんまんな生き方を象徴したもの。物語の主要舞台は、牧野富太郎が育った高知、そして東京の二か所になります。

舞台やミュージカルを中心に高い評価を得ていた長田育恵がオリジナルストーリーの脚本を手掛けました。テレビでは、東京ドラマアウォード優秀賞を受賞したNHKドラマ『流行感冒』ぐらいしかあまり知られておらず、朝ドラの脚本家としては異例の大抜擢だったと言えるでしょう。

モデルとなっている牧野富太郎の生涯については、下記の記事をご覧ください。

■あらすじ

江戸時代末期、高知で造り酒屋「峰屋」を営む裕福な一家に生まれた槙野万太郎。体の弱いナイーブな少年として育つ中、植物の魅力にとりつかれ、夢と情熱をもって独学で植物研究をきわめていくことに……。

上京して十徳長屋の住人となり、さまざまな人々と出会います。東京大学の植物学教室に足をふみいれたことをきっかけに、本格的な植物学者としての道を歩むのでした。

一方、根津の和菓子屋の娘が、後に妻となる寿恵子です。研究に一途でお金をどんどんつぎ込む夫を支え、貧しくも明るい家庭を築いていきます。やがて、万太郎のひたむきな研究にも日が当たり、少しずつその名が認められていくのでした。

■主要登場人物とキャスト

実在の人物と架空の人物が入り混じって登場します。その点を詳しく紹介したのが以下の記事です。

【槙野家】
主人公:槙野万太郎/神木隆之介(幼少期・森優理斗)
母:槙野ヒサ/広末涼子
祖母:槙野タキ/松坂慶子
姉:槙野綾/佐久間由衣
父:死別

【高知の人々】
竹雄/志尊淳:酒蔵「峰屋」の番頭の息子、万太郎のお目付け役として奉公
幸吉/笠松将:「峰屋」の蔵人
たま/中村里帆:「峰屋」の女中
池田蘭光/寺脇康文:学問所「名教館」の学頭、万太郎の人生の師
広瀬佑一郎/中村蒼:「名教館」での万太郎の学友。のちに工部省の役人
浜村義兵衛/三山ひろし:呉服商「仙石屋」の主人
楠野喜江/島崎和歌子:自由民権運動に取り組む女性
早川逸馬/宮野真守:万太郎に自由を説く自由民権運動家

【東京の人々】
西村寿恵子/浜辺美波:後の万太郎の妻
西村まつ/牧瀬里穂:寿恵子の母。根津で和菓子屋「白梅堂」を営む寿恵子の母
笠崎みえ/宮澤エマ:新橋の料理屋の女将で寿恵子の叔母(まつの妹)
阿部文太/池内万作:「白梅堂」の菓子職人
倉木隼人/大東駿介:十徳長屋の住人で元彰義隊、妻はえい/成海璃子
及川福治/池田鉄洋:十徳長屋の住人
江口りん/安藤玉恵:十徳長屋の差配人
宇佐見ゆう/山谷花純:十徳長屋の住人で小料理屋の女中
野田基善/田辺誠一:万太郎が憧れる植物学者の一人
里中芳生/いとうせいこう:万太郎が憧れる植物学者の一人
田邊彰久/要潤:東京大学植物学教室の教授
徳永政市/田中哲司:東京大学植物学教室の助教授
大畑義平/奥田瑛二:「大畑印刷所」の工場主、妻はイチ/鶴田真由

【その他、歴史上の偉人】
天狗(坂本龍馬)/ディーン・フジオカ:土佐出身の幕末の志士
中濱万次郎(ジョン万次郎)/宇崎竜童:渡米する土佐の漁師



特定できた撮影場所・ロケ地を紹介

大きな二つの舞台は、東京と高知ですが、撮影地は必ずしもその地ではありません。

【高知編】

①高知県安芸市「伊尾木洞」

主人公を演じる神木隆之介がクランクインした場所が「伊尾木洞」です。ドラマでも第一話の冒頭に登場しました。

波の浸食により出来た天然の海食洞であり、切り立った絶壁、シダ群落など鬱蒼としげる手つかずの自然などを満喫できる場所です。神秘と癒しのパワースポットとして有名です。

■伊尾木洞
住所:高知県安芸市伊尾木117
公式HP:https://www.akikanko.or.jp/kanko/iokidou.html

②高知県高岡郡佐川町の全景

万太郎が生まれ育った故郷の全景をとらえた映像は、実際に牧野富太郎の故郷、高知県高岡郡佐川町の全景をCG処理したものです。

撮影場所は、牧野公園にある物見岩あたりかと思われます。

■牧野公園(物見岩)
住所:高知県高岡郡佐川町甲2458

③茨城県つくばみらい市「ワープステーション江戸」

万太郎の実家や酒蔵回りの路地などは、今回、つくばみらい市にあるオープンセット「ワープステーション江戸」において撮影されています。「東の太秦」とも呼ばれている場所です。

現在、一般公開はされていません。

■ワープステーション江戸
住所: 茨城県つくばみらい市南太田1176
公式HP:https://www.warpstationedo.com/

④千葉県匝瑳市「天神社」と巨木

万太郎が、天狗と出会う実家の裏山の社と巨木は、千葉県の匝瑳市(そうさし)飯高にある「天神社」です。「板根」と呼ばれる極度に張り出した根っこが特徴の、椎の巨木は有名です。

ちなみに、社の前にある一対の狛犬は、撮影のために置かれたセットです。

■天神社
住所:千葉県匝瑳市飯高2821

⑤千葉県匝瑳市「飯高神社」の鳥居

巨木のある裏手の神社に向かう鳥居も、千葉県匝瑳市にある「飯高神社」のものです。上記の「天神社」からそれほど遠くない位置にあります。

■飯高神社
住所:千葉県匝瑳市飯高475

⑥高知県高岡郡佐川町「青源寺」

万太郎が通う「名教館」の門に続く石の階段は、佐山町にある「青源寺」で撮影されました。藩政時代、佐山領主だった深尾家の菩提寺であり、高知市の竹林寺、佐川町の乗台寺と合わせ、土佐三名園のひとつに数えられる名刹です。

■青源寺
住所:高知県高岡郡佐川町甲1460



⑦高知県高岡郡佐川町上町「酒蔵の道」

牧野富太郎の実際の出生地である、高知県高岡郡佐川町に明治時代初期の街並みを再現したオープンセットが組まれ、地元のエキストラとともにロケが行われました。名教館から走って帰宅する路地などは、この場所です。

約2トンの砂をまいてアスファルトを隠した通りは、歴史的な街並みが今も残る同町上町地区の「酒蔵の道」です。

■酒蔵の道
住所:高知県高岡郡佐川町甲
公式HP:https://www.town.sakawa.lg.jp/

⑧高知県高岡郡越知町「仁淀川」河川敷

水の美しさで有名な仁淀川の河川敷。撮影場所は、遠目に見える「横畠橋」から、その真下にある「本村キャンプ場」の近くだと推測できます。

高知に数あるキャンプ場の中でも、景色の美しさでは随一の無料キャンプ場です。

■本村キャンプ場
住所:高知県高岡郡越知町横畠本村
公式HP:http://www.town.ochi.kochi.jp/kankou/activity/camp_honmura.htm

⑨高知県高岡郡越知町「横倉山」

牧野富太郎の実際の研究の場として知られ、1300種類とも言われる植物の宝庫が「横倉山」であり、撮影場所にもなりました。

■横倉山
住所:高知県高岡郡越知町越知甲
公式HP:https://ochi-kankou.jp/tourist/yokogurayama/yokokurayama.html

⑩高知県高岡郡津野町「天狗高原」

万太郎が、植物採集のため散策する風光明媚な高原は、高知を代表する観光スポット「天狗高原」で撮影されました。タイトルクレジットにも使用されています。

「四国カルスト」の東端に位置し、白い石灰石が点在する中、壮大な眺めが楽しめます。

■天狗高原
住所:高知県高岡郡津野町芳生野
公式HP:https://kochi-tabi.jp/search_spot_activity.html?id=7478



⑪高知県高岡郡佐川町「佐川ナウマンカルスト」

有名な「四国カルスト」とは別に、高岡郡佐川町にも「佐川ナウマンカルスト」があり、ロケ地となりました。タイトルクレジットにも登場するほか、万太郎と佑一郎が池田蘭光とともに訪れる場所でもあります。

石灰岩の台地が雨水などで浸食され、残ったものが無数の白い岩となって残っており、明治時代にドイツの地質学者であるエドムント・ナウマンにちなんで名づけられました。巨大なナウマン像のオブジェも設置され、人気観光スポットとなっています。

■佐川ナウマンカルスト
住所:高知県高岡郡越知町越知甲
公式HP:https://ochi-kankou.jp/tourist/yokogurayama/yokokurayama.html

⑫茨城県常陸太田市「八幡橋」

祖母から出生の秘密を知らされ、家を飛び出した綾が走って渡る沈下橋は、茨城県常陸太田市の里川にかかる「八幡橋」です。時代劇等のロケ地としては有名な橋です。

■八幡橋
住所:茨城県常陸太田市谷河原町

⑬茨城県高萩市「穂積家住宅」

寿恵子を連れて帰省した万太郎は、病になった桜の大木を復活させるために取り組むことになりますが、その木がある呉服商「仙谷屋」の敷地は、茨城県高萩市にある「穂積家住宅」がロケ地です。

主屋、長屋門、前蔵、衣装蔵、庭園からなり、主屋は1773年に建立されたものです。回遊式庭園は約100坪の広さを有しています。

■穂積家住宅
住所:茨城県高萩市上手綱2337-1
公式HP:http://www.takahagi-kanko.jp/page/page000008.html

⑭茨城県古河市「山川邸」

万太郎、竹雄、寿恵子の3人が歩く森の一部は、茨城県古河市の山川邸にて撮影されました。築150年近い古民家の背後に手つかずの森が広がっており、コスプレイヤーの撮影スポットなどとしても知られています。

■山川邸
住所:茨城県古河市恩名826-2
公式HP:https://www.city.ibaraki-koga.lg.jp/soshiki/hisyokouho/3/roke/tennpo/9266.html

⑮高知県高岡郡越知町「横倉山・杉原神社」

万太郎、寿恵子、竹雄3人で植物採集に出かける山は、高知県高岡郡越知町にある横倉山です。杉の巨木と鳥居が見える神聖な雰囲気の場所は「杉原神社」です。杉は樹齢500年とも600年とも言われる、知る人ぞ知るパワースポットです。

■杉原神社
住所:高知県高岡郡越知町越知丁
公式HP:http://www.town.ochi.kochi.jp/kankou/look/sugiharajinjya.htm

⑯高知県吾川郡仁淀川町「仁淀川」久喜沈下橋近く

横倉山で植物採集をした万太郎、寿恵子、竹雄が、その後にやってきた川の岩場は、仁淀川の上流にある「久喜沈下橋」のあるところです。

■久喜沈下橋
住所:高知県吾川郡仁淀川町久喜
公式HP:https://www.town.niyodogawa.lg.jp/life/life_dtl.php?hdnKey=965

⑰高知県南国市「八京の一本桜」

亡くなる前の祖母のタキが一人見上げる立派な桜は、「八京の一本桜」の名で愛されている高知県南国市にある有名な桜です。

■八京の一本桜
住所:高知県南国市八京
公式HP:https://www.nankoku-kankou.jp/life/dtl.php?hdnKey=523

⑱静岡県島田市「旧片岡醸造所酒蔵」

「峰屋」の酒蔵の内部として撮影に使用されたのは静岡県島田市にある「旧片岡醸造所酒蔵」です。

江戸時代から続く造り酒屋として、明治27年に建造、昭和44年まで使用されていました。木造、土蔵造りの2階建ての大規模な酒蔵で、登録文化財に指定されています。

■旧片岡醸造所酒蔵
住所:静岡県島田市横岡新田193
公式HP:https://www.city.shimada.shizuoka.jp/shimahaku/docs/touroku-03.html

⑲東京都文京区「小石川植物園」

万太郎と虎鉄が、新種の植物「ヤッコソウ」を見つける高知の山は、牧野富太郎ともゆかりの深い東京都文京区「小石川植物園」で撮影されました。四国霊場や足摺山金剛福寺などと書かれた石碑はセットです。

そのほかにも、万太郎が植物を採集するシーンの場所としてもたびたび登場します。

■小石川植物園
住所:東京都文京区白山3-7-1
公式HP:https://koishikawa-bg.jp/



【東京編】

①茨城県牛久市「牛久シャトー」

東京の上野で開かれているという想定の「内国勧業博覧会」が撮影されたのは、茨城県牛久市にある「牛久シャトー」です。

実業家の神谷傳兵衛が、明治36年に開設した日本初の本格的ワイン醸造場で、国の重要文化財、日本遺産に認定されています。広大な敷地の中に、ミュージアムや記念館、庭園が拡がっています。

■牛久シャトー
住所:茨城県牛久市中央3-20-1
公式HP:https://www.oenon.jp/ushiku-chateau/

②茨城県水戸市「旧水海道小学校本館」

万太郎が憧れる植物学者が働く博物局がある博物館の外観は、水戸市にある「旧水海道小学校本館」です。「茨城県立歴史館」の中の施設です。

明治14年に建築された建物で、大正10年、同校の校舎移転に合わせて移築されました。明治初期の小学校建築であり、茨城県文化財に指定されています。

■旧水海道小学校本館(茨城県立歴史館)
住所:茨城県水戸市緑町2-1-15
公式HP:https://rekishikan-ibk.jp/

③茨城県水戸市「七ツ洞公園」

博物館を訪ねた帰り、万太郎と竹雄が話をするレトロな橋は、水戸市の「七ツ洞公園」にあります。イギリス式の庭園であり、イギリスから輸入したパビリオンなどが設置されています。映画『テルマエ・ロマエ』のロケ地としても知られています。

■七ツ洞公園
住所:茨城県水戸市下国井町2243
公式HP:https://www.mito-park.net/about/park_nanatsudo.html

④埼玉県深谷市「深谷商業高校記念館(二層楼)」

万太郎が訪れる東京大学の外観に使用されたのは、埼玉県深谷市にある深谷商業高校記念館、別名・二層楼です。

深谷商業高校は、1921年(大正10年)に開校。フレンチ・ルネサンス様式を用いた和洋折衷の木造2階建校舎であり、2000年に国の登録有形文化財に指定されました。老朽化により、2011年から数年かけて保存修理工事が行われました。日曜日には中の見学も可能です。

■深谷商業高校記念館(二層楼)
住所:埼玉県深谷市原郷80番地
公式HP:https://fukasyo-ch.spec.ed.jp/

⑤群馬県前橋市「臨江閣」

万太郎が田邊教授に同行した演奏会が開かれた洋館の外観として使用されたのは、前橋市にある「臨江閣」です。背景等はCG処理されています。

臨江閣は本館・別館・茶室からなる県の迎賓館であり、本館は明治17年に建てられました。国の重要文化財に指定されています。

■臨江閣
住所:群馬県前橋市大手町3-15
公式HP:https://www.maebashi-cvb.com/spot/1017

⑥茨城県古河市「古河公方公園(古河総合公園)」

万太郎が、長屋の住人たちと出かけ、たまたま見つけた池のほとりで植物採集する場所は、茨城県古河市にある「古河公方公園(古河総合公園)」です。

江戸時代初期、古河城主の土井利勝が、農民たちに桃の種を育てさせたのが始まりだと言われ、約25ヘクタールの土地に豊かな自然とゆかりの史跡が拡がる公園です。

■古河公方公園(古河総合公園)
住所:茨城県古河市鴻巣399-1
公式HP:https://www.koga-kousya.or.jp/koga-park/

⑦茨城県古河市「古河公方公園」の南側・駒ケ崎の畑

寿恵子が万太郎のために購入した練馬の土地は、上記「古河公方公園」の南側に隣接する駒ケ崎にある畑がロケ地です。この土地を眺めながら、寿恵子と万太郎がしみじみとした会話を交わしていました。

⑧東京都文京区「小石川植物園本館」

万太郎が、理学博士を授与される式典会場は、文京区にある「小石川植物園本館」の玄関前です。昭和14年の建築で、安田講堂など東京大学の数々の校舎を設計した内田祥三が手掛けました。

■小石川植物園本館
住所:東京都文京区白山3-7-1
公式HP:https://koishikawa-bg.jp/



『らんまん』のロケ地をめぐろう!

高知県が朝ドラの舞台となったのは、1988年に放送された『ノンちゃんの夢』以来、二度目となります。

植物学者が主人公だけあって、美しい自然や植物が頻繁に登場し、旅心をそそられるドラマになりました。

紹介したロケ地めぐりに出かけてみてはいかがでしょうか。

『らんまん』に続く、第109作目の朝ドラ『ブギウギ』のロケ地については、下記の記事をご覧ください。

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