『ザ・クラウン』シーズン4の全10話あらすじと解説【ネタバレ】

ザ・クラウン ドラマ

Netflixを代表する人気ドラマシリーズ『ザ・クラウン』。2022年11月にはシーズン5配信、そして2023年秋にはシーズン6が配信され、ついに完結しました。

英国史上最長の在位を記録し、2022年9月8日に崩御したエリザベス2世の姿を軸に描く、英国現代史と言っても過言ではなく、多数の実在の人物がおりなす人間ドラマが展開します。

本記事では、傑作と評価の高いシーズン4の全10話について、各話ごとのあらすじをわかりやすくまとめてみました。

史実に基づいたストーリーですから、ネタバレ的なものは存在しませんが、白紙状態でドラマを視聴されたい方はご注意ください。

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『ザ・クラウン』シーズン4の全10話あらすじ紹介

シーズン4で描かれるのは、女性初の英国首相となったサッチャー政権の誕生から首相辞任に至るまでの十数年です。

カギとなる人物は、もちろんサッチャー首相、そしてあらたに登場するダイアナ元皇太子妃。

各10話のあらすじにくわえ、ストーリーをより深く理解するための豆知識も添えて解説します。

エピソード1「女王の護衛」

人妻となったカミラといまだ交際を続けるチャールズ皇太子の婚約者問題が王室で取りざたされる中、英国初の女性首相として保守党のサッチャー政権が誕生します。

かたや、アイルランド独立のため武装するIRAのテロ活動が過激化。チャールズの理解者だった大叔父のマウントバッテン卿がアイルランドでの休暇中、家族とともにテロの犠牲者となってしまうのでした。

王族を標的とするIRAに対し、サッチャーは断固として闘う意思を表明。一方、マウントバッテン卿の遺書でカミラと別れるよう助言されたチャールズが、まさにそんなタイミングで出会ったのが幼稚園で働くスペンサー伯爵家の令嬢、18歳のダイアナでした。

【血の日曜日事件】
「血の日曜日事件」とは、歴史上、日曜日に発生した流血事件すべてを象徴的に指すものですが、ドラマのセリフに出てくる「血の日曜日事件」は、1972年に北アイルランドのロンドンデリーで起きた事件を指しています。非武装のデモ隊がイギリス陸軍によって銃撃され、14名が死亡した事件であり、IRAの過激行動のきっかけの一つとなっています。

エピソード2「バルモラルの関門」

スコットランドにあるバルモラル城に招かれたサッチャー。王室と中産階級である自分との考え方の違いや異なるしきたりに戸惑いいつつも、深刻な経済不況に陥っていた国の情勢を危惧し、予定を早めてロンドンに戻ってしまいます。

サッチャーと入れ替わるように招かれたダイアナの方は、王室の面々から手厚く歓迎されます。チャールズは、カミラに未練を残しつつも家族に説得され、ダイアナとの交際をスタートさせることに……。

サッチャーが、政権内の上流階級出の対立派大臣3人を更迭し、強い指導力を発揮し始めた一方、ダイアナは一躍時の人となり、マスコミに追われる身となるのでした。

【バルモラル城】
スコットランドにある王室所有の別荘です。狩りをするときの拠点でもあります。ダイアナがパリで事故死したとき、エリザベス2世はここに滞在していました。

エピソード3「おとぎ話」

1981年、チャールズとダイアナは正式に婚約を発表。チャールズが外遊で長期不在の中、ダイアナは宮殿に移り住み、皇太子妃となるべく準備と教育を受けることになります。

しかし、ダイアナは王室のしきたりになじめず、さらにチャールズの冷たい態度から疎外感にさいなまれ摂食障害を抱えることに……。チャールズは帰国すると、先にカミラのもとを訪ねていたことが判明しますが、それは別れを告げるためだったと弁解されてしまいます。

チャールズの心が今もカミラにあり、偽りの結婚だと見抜いていたマーガレットは、結婚中止を姉のエリザベスに進言。しかし、エリザベスは皇太子としての義務を果たすようチャールズに言い聞かせ、ついに世紀の結婚式を迎えるのでした。

【追悼カレン・スミス】
エンドクレジットで追悼メッセージが流れたカレン・スミスという方は、本ドラマのシーズン1から4まですべてのロケーション・マネージャーを務めた女性です。

エピソード4「お気に入り」

サッチャー政権が誕生して3年が過ぎても、経済の停滞と失業率は悪化する一方。そんなおり、パリ・ダカールに参加していたサッチャーの息子が行方不明になってしまいます。

打ちひしがれるサッチャーの姿を見て、エリザベスも自身の子どもたち一人一人と話す時間をもうけます。3人ともそれぞれ問題を抱えており、子育てに失敗したと思うエリザベスをフィリップが慰めるのでした。

そんな中、英国領フォークランド諸島でアルゼンチンとの紛争が勃発。サッチャーは、領土を守るため軍隊を派遣するという強い対応策に出るのでした。

エピソード5「侵入者」

1982年、フォークランド紛争の真っ只中、サッチャー政権に不満を抱く一人の失業者マイケル・フェイガンが、バッキンガム宮殿に不法侵入して逃走するという事件が発生。

後日、フェイガンは二度目の侵入にも成功し、今度はエリザベスの寝室にたどり着きます。目覚めたエリザベスは冷静に対応し、警備が来るまでの10分あまり、フェイガンの不満や訴えに耳を傾けたのでした。

フォークランド紛争は勝利に終わり、サッチャーの支持率は急上昇。戦勝パレードを映し出すテレビ中継を、エリザベスは複雑な気持ちで眺めることに……。



エピソード6「無主地」

ウィリアム王子をもうけたもののいまだ摂食障害を抱えるダイアナとチャールズが、そろってオーストラリアを外遊することになります。

ダイアナの意向でまだ赤ん坊のウィリアムも同行させ、当初は喧嘩の絶えなかった2人ですが、とことこん本音をぶつけ合うことでいったんは和解し、その後の各都市歴訪は成功裏に進みます。ところが、自身が主役となるはずが、ダイアナばかりが注目される状況にチャールズは嫉妬し、再び2人の仲は険悪になっていくのでした。

帰国したダイアナは、エリザベスに窮地を訴えるものの、エリザベスはどう対処してよいものかわからず……。

エピソード7「世襲の原則」

男性運に恵まれず、喫煙から肺を病んだ54歳のマーガレット。さらにエリザベスの三男エドワードが成人したことで、皇室上位の座を譲ることになります。

生きがいを失い、心を病んだマーガレットは、精神科医とのセラピーで、知的障害のため施設に入院している2人のいとこの存在を知ることに。

王室の記録では、すでに死去したものと処理されていましたが、マーガレットは自身の手で2人が生存している事実を突き止めます。そのことで、母の大太后を責めると、王室の血の正統性を保つために仕方がなかったことだと言われてしまうのでした。

医師からは、知的障害は別の血筋の遺伝であり、マーガレットとは無関係だと説明されるものの、深く傷ついた心は落ち着くこともなく……。

【エリザベス王太后を演じた女優】
マーガレット王女を演じているヘレナ・ボナム・カーターは、映画『英国王のスピーチ』ではエリザベス王太后を演じています。また、エリザベス女王を演じているオリヴィア・コールマンが、映画『私が愛した大統領』ではエリザベス王太后を演じています。

エピソード8「48対1」

南アフリカのアパルトヘイトに対して経済制裁することを、サッチャーは拒否。そのことで、政治的中立を守りつつも、他の連邦国と協調したいエリザベスとの関係が悪化します。

エリザベスは作家でもある報道秘書官マイケルの力を借りて、サッチャーに妥協させ、連邦首脳会議の共同声明にサインさせることにようやく成功。しかし、2人の不仲説が新聞によって暴露され、国中の火種になってしまいます。

アンドリュー王子とセーラ妃の結婚式より注目される事態を無理やり鎮火させるため、王室は、マイケルを誤った情報漏洩者としてマスコミに差し出すことで、収拾を図るのでした。

【作家マイケル・シェイ】
エンドクレジットで紹介された通り、マイケルは1987年に王室を去った後、政治スリラーのベストセラー作家となります。残念ながら日本語に翻訳されたものはなく、2009年に71歳で他界しました。ちなみに『魔界の盗賊』で知られるアメリカ人のファンタジー小説作家は、同姓同名の別人です。

エピソード9「雪崩」

チャールズとダイアナの不仲が続く中、2人がスキー休暇で訪れたスイスで雪崩が発生。チャールズは無事生還したものの、友人が犠牲になったことで、それぞれが自分たちの結婚生活について深く考えるようになります。

エリザベスも、2人がともに不倫しているという事実を知り、ついに2人を呼び出します。離婚を言い出す腹積もりだったチャールズに対し、ダイアナは結婚を続けたいと述べるのでした。

チャールズはカミラとの逢瀬を続け、ダイアナといっそう距離を置く一方、側近にひそかにダイアナの行動を監視させます。

チャールズの冷たい態度に、やがてダイアナの方も再び男性との密会に走ることに……。

エピソード10「戦い」

チャールズとダイアナの関係は、もはや修復の余地がないほど悪化し、ダイアナの不倫を理由に、エリザベスに正式な別居を申し出るチャールズ。

一方、在任11年を迎えたサッチャー政権にも危機が訪れます。副首相の辞任により保守党内部が分裂し、サッチャー自身もついに首相の座を追われる結果に。失意のサッチャーを、エリザベスはねぎらい、特別な勲章を授与するのでした。

ダイアナはチャールズの反対を押し切り、ニューヨーク単独外遊に旅立ちます。しかし、外遊の成功とニューヨークでの人気が、かえってチャールズとの関係を悪化させることに……。

再び、別居を申し出るチャールズをエリザベスは厳しく叱責して拒絶。かたや、離婚を口にしたダイアナも、フィリップから毅然とたしなめられるのでした。



『ザ・クラウン』シーズン5以降は再びキャストが一新!

シーズン4は、ゴールデングローブ賞において作品賞、 主演男優賞、主演女優賞、助演女優賞など独占。プライムタイム・エミー賞においても作品賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、監督賞、脚本賞と、ドラマ主要7部門独占という快挙を達成しました。

『ザ・クラウン』はシーズン6で完結しますが、続くシーズン5からは再びキャストが一新され、エリザベス女王を演じるのはイメルダ・スタウントン。

シーズン5では、チャールズとダイアナの結婚破綻が中心になっています。

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