ドラマ『The Last of Us』全9話ネタバレあらすじと簡単解説【ラスアス】

The Last of Us ドラマ

米ノーティードッグがPlayStation用に製作した同名サバイバルホラーアクションアドベンチャーゲームを、HBOがドラマ化した作品が『The Last of Us』(ザ・ラスト・オブ・アス)です。

日本では「ラスアス」の名で愛され、全世界で記録的な売り上げを記録したばかりか、200以上もの各国メディアでゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞したゲームソフトであり、2023年1月より放送されたドラマも期待を裏切らない高い評価を得ています。

本記事では、ゲームをやらず疎い方でも理解できるよう簡単に概要を解説しつつ、ドラマ全9話のあらすじをネタバレありで詳しくご紹介したいと思います。

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簡単解説『The Last of Us(ザ・ラスト・オブ・アス)』とは?

ゲームソフト『The Last of Us』は、2013年6月にPlayStation 3専用版、翌年8月にPlayStation 4専用HDリマスター版を発売。当初は1本完結の予定でしたが、大きな反響を受け、2020年6月には、5年後を舞台とする続編『The Last of Us Part II』が発売されました。(2022年9月に発売された『The Last of Us Part I』とは、PlayStation 5用にフルリメイクしたものです。)

菌による感染症によって崩壊した世界を舞台に、娘を亡くした中年男性ジョエルと10代の少女エリーのサバイバルを軸に描き、単なるゾンビものとは違う、愛と信頼の人間ドラマが展開するのが特徴です。

ちなみに2014年2月に発売された「Left Behind‐残されたもの‐」とは、『The Last of Us』の追加エピソードであり、エリーがジョエルと出会う3週間前の物語が描かれています。(ドラマでは第7話がこの物語に相当します。)

一時は映画化の企画も進んでいましたが、実現に至らず頓挫。2020年3月に、ケーブルテレビ局HBOがドラマ化を発表しました。全米では2023年1月から3月まで全9話構成で放送され、日本でも各翌日にU-NEXTで独占配信されました。

配信開始と同時に、HBOはシーズン2の製作も発表しています。

■主要登場人物とキャスト

複数のエピソードに渡って登場するシーズン1の重要キャラクターは以下の通りです。各エピソードのみに登場する人物については、各話あらすじの中で紹介します。

①ジョエル・ミラー/ペドロ・パスカル

テキサス州オースティンに一人娘サラと暮らしていた元建設業者。パンデミック後は、20年間、ボストンの隔離地域で闇取引の密売をして冷酷に生きていました。反乱組織「ファイアフライ」からエリーの運び屋を請け負ったことから、その後、2人でサバイバルの旅を続けることになります。

②エリー・ウィリアムズ/ベラ・ラムジー

菌の免疫を持つ、勝気な14歳の少女。そのため、「ファイアフライ」の治療薬研究の鍵となる少女として、西にある研究拠点に移送されることになります。孤児であり、その生い立ちについては、第9話で明らかになります。レズビアンであることも第7話で示唆されます。

③トミー・ミラー/ガブリエル・ルナ

ジョエルの実の弟です。パンデミック後は兄弟協力して生きのびていましたが、冷酷に徹するジョエルとは考え方の違いから別の道を歩むことに…。一時「ファイアフライ」のメンバーだったこともありますが脱退。その後連絡が途絶え、ジョエルは行方を捜しています。第6話で、ジャクソンにあるコミュニティで暮らしていることが判明します。

④テス/アナ・トーヴ

ボストンにおける、ジョエルの仕事のパートナーです。強く、信頼のおける人物ですが、ジョエルとともにエリーを運んでいる途中に感染し、自ら犠牲になることを選びます。

⑤マーリーン/マール・ダンドリッジ

「ファイアフライ」の女性リーダーです。唯一、エリーの過去を知る人物であり、エリーを利用した治療薬開発に命をかけています。

■物語の設定と前提、舞台

物語の設定では、2003年に菌による感染症が蔓延し、パンデミックが発生。それによって社会が崩壊した20年後、2023年のアメリカが舞台となっています。

ゲーム版が発売されたときは近未来の設定でしたが、ドラマではまさに現在進行形の物語となっています。はからずも新型コロナウイルスによるパンデミックと重なることになってしまいました。

ちなみにゲーム版「Part II」は、前作から5年後の世界が舞台です。

ゲーム未体験者は、下記の3つの用語を前提として理解しておくと、展開がわかりやすいかと思われます。

【ファイアフライ】
FEDRAの独裁に対し、武力で抵抗するレジスタンス組織です。世界が崩壊する前の「政府」の復活を目的としています。ファイアフライの他にも、各地には武装グループや略奪を行う無法者集団が存在しており、ゲーム版では「ハンター」とも呼ばれています。

【FEDRA】
FEDRAとは連邦災害対応管理庁の略で、ドラマでは単に「軍」と呼ばれることもありますが、厳密には軍と同じではありません。隔離地域において、軍と共同で武力を用いた独裁的な管理を行っています。

【隔離地域】
FEDRAが、感染していない人間を1カ所に集め、隔離している地域のことです。そこより外に出ることは許されていません。



シーズン1の全9話のあらすじ<ネタバレ>

大筋はゲーム版のストーリーに沿っていますが、細かなディテールに変更がくわえられていたり、ゲーム版ではあっさり描写されている部分を大きく膨らませて描いていたりする部分もあります。

例えば、ドラマで描かれるカンザスシティの物語は、ゲーム版ではピッツバーグです。

また、第3話と第7話は、本筋とは離れたスピンオフ的な内容となっています。第3話ではジョエルの知人であるビルとフランクの物語、第7話ではエリーとライリーの物語が描かれます。

舞台は以下の通りに変遷していきます。

【2003年】テキサス州オースティン→【2023年】マサチューセッツ州ボストン→リンカーン→ミズーリ州カンザスシティ→ワイオミング州ジャクソン→コロラド州(架空の東コロラド大学)→湖畔の町シルバーレイク(架空)→ユタ州ソルトレイクシティ→ワイオミング州

第1話「闇の中にいる時こそ…」

●サラ・ミラー/ニコ・パーカー:ジョエルの一人娘

1968年には科学者がすでに予言していた凶悪な菌による感染が蔓延するパンデミックの世界。

そして2003年、建築関係の仕事に就く36歳のジョエルと娘サラが平穏に暮らしていたテキサス州オースティンの街をついに異変が襲います。

ジョエルの誕生日プレゼントに、サラが壊れた腕時計を修理して渡すなど、ささやかながら幸せな夜が一変。謎の寄生菌に感染しゾンビ化した隣家の老婆に襲われ、サラ、ジョエル、ジョエルの弟トミーが車で脱出すると、町全体が、軍の兵士、感染者、逃げ惑う人々で大混乱に陥っていました。

そんな中、サラが感染を疑われ、兵士に撃たれて死んでしまいます。

20年後、FEDRAが独裁管理する隔離と配給制がしかれたボストンの町で、日雇いの仕事と闇取引で生きのびているジョエルと相棒のテス。連絡の途絶えたトミーを救出するため、車とバッテリーを調達しようと試みますが容易ではなく…。そんな中、2人は、反乱組織「ファイアフライ」リーダーのマーリーンから、車や武器と引き換えに、一人の少女エリーを隔離地域の外の州議事堂にいる仲間のところまで運ぶ仕事を依頼されます。

夜、FEDRAの監視の目をくぐって脱出を試みる3人。ところが、途中で兵士に見つかり、抗体検査を受けることに…。実はエリーが抗体陽性者だったことが判明します。

80年代の音楽は、問題発生時の仲間内の暗号となっていますが、ラスト、誰もいないジョエルの部屋に流れるのはデペッシュ・モードのヒット曲「Never Let Me Down Again」です。

第2話「感染」

3人はなんとか逃げおおせますが、ジョエルもテスも、エリーが感染しながら発症しない事実を信じられず…。エリーはファイアフライの西の拠点で、治療薬の研究がなされており、自分はワクチン製造の鍵となる存在なのだと告白します。

ジョエルは納得できないまま、しかし3人で荒廃したボストンの町を進み続けます。博物館の中で感染者に襲われ、エリーが噛まれてしまいますが、なんとか州議事堂にたどり着きます。ところが、待っていたはずのファイアフライのメンバーは銃撃によって全員死んでいました。

引き返そうと主張するジョエルに、テスは自分も感染したことを白状します。そして同じように噛まれたのにエリーに変化がないという事実から、テスは、ジョエルにエリーとともにファイアフライの研究施設に向かうよう説得するのでした。

州議事堂を感染者の大群が襲い、テスは、ジョエルとエリーを逃して、自ら犠牲となる道を選びます。

第3話「長い間」

●ビル/ニック・オファーマン:リンカーンで一人武装して暮らす男、ジョエルの知人
●フランク/マレー・バートレット:ビルの恋人

ボストンから西へと向かうジョエルとエリーの2人。途中、ジョエルの知人であるビルとフランクのもとを訪ねることに…。

さかのぼること2003年、厳しい軍の統制下におかれていた中、たった一人で武装し生き延びていた孤独な男ビル。数年後、そんなビルの家に迷い込んできた男がフランクでした。愛し合うようになった2人が一緒に暮らしていた際に、無線で知り合い、ジョエルとテスの4人で食事をした仲だったのです。

ところが、ジョエルとエリーがビルの家に到着すると、そこには1枚の遺書が…。2023年の夏、病により余命わずかとなり、死ぬことを選んだフランクに付き添い、ビルも一緒に心中する道を選んでいたのでした。

ジョエルとエリーは、ビルが残した武器をたずさえ、ビルの車に乗って西に向かいます。

ビルとフランクがピアノで歌う美しいバラードは、リンダ・ロンシュタットの「Long Long Time」です。エンディングでも流れます。

第4話「この手につかまって」

●キャスリン/メラニー・リンスキー:カンザスシティの反乱グループのリーダー
●ヘンリー/ラマー・ジョンソン:キャスリンの兄を売った密告者
●サム/キーボン・ウッダード:ヘンリーの耳の聞こえない弟
●エデルシュタイン/ジョン・ゲッツ:ヘンリーとサムを匿う医師の男

弟トミーを見つければ、ファイアフライの研究施設の場所もわかるはずだと判断し、トミーがいると思われるワイオミングを目指して車を走らせるジョエルとエリー。トミーはかつてマーリーンに誘われ、ファイアフライのメンバーだった時期があったのです。

ところが、カンザスシティで武装反乱グループに銃撃され、ジョエルも殺される寸でのところで、ビルの銃を隠して持っていたエリーに救われます。しかし、車を失います。

反乱グループのリーダーであるキャスリンは、最愛の兄の仇であるヘンリーを探しており、協力者のエデルシュタイン医師を尋問して殺害。また、ヘンリー探しを優先するため、地下に封じ込められた感染者たちがうごめき始めたのを知りつつも、それを黙っていました。

一方、高層ビル上階の一室に逃げ込んだジョエルとエリー。そこに、銃を手にした2人の少年が姿を現します。



第5話「耐えて生きぬけ」

キャスリン率いる反乱グループは、FEDRAを制圧し、さらに協力者たちも処刑しつつ、10日前から、兄を密告したヘンリーを血眼になって探し続けていたのでした。

耳の聞こえない8歳の弟サムのために密告者となっていたヘンリー。それがばれ、エデルシュタイン医師に匿われて屋根裏に身を隠していましたが、食料も尽きたところで、ジョエルとエリーがグループと銃撃しているところを発見したのです。

ヘンリーはジョエルに、手を組んで4人一緒に町を脱出することを提案。しかし、脱出中、4人はキャスリンらに見つかってしまいます。ヘンリーが降参しかけた瞬間、そこに地下から大量の感染者たちが現れ、キャスリンらは全員その餌食となってしまうのでした。

4人はなんとか逃げ出すことに成功するものの、実はサムが噛まれて感染していました。すっかり仲よくなったエリーが、ひそかに自分の血液をサムの傷口に塗るのですが…。翌朝、狂暴化したサムはヘンリーの手で射殺され、ヘンリーもまた自ら死を選ぶのでした。

第6話「親族」

●マリア/ルティナ・ウェスリー:ジャクソンにあるコミュニティの幹部の一人でトミーの妻

雪のワイオミングにたどり着いたジョエルとエリーは、そこで会った老夫婦から川の西側には行くなと警告されます。それを聞かずに橋を渡った2人は、馬に乗った武装グループに捕えられてしまいます。

グループに連れていかれた場所は、ジャクソンにある、壁に守れた平和なコミュニティであり、そこにはトミーが暮らしていました。ファイアフライの拠点は東コロラド大学にあることを教えられ、ジョエルはトミーに同行を頼みますが、妻のマリアが妊娠していることを理由に断られます。ジョエルは、エリーの秘密、また自分にはもう昔のような力がないことを涙ながらに訴えたことで、トミーはようやく承知するのでした。

しかし、エリーから自分を捨てるなと非難され、結局、ジョエルとエリー2人で旅立ちます。東コロラド大学に到着すると、ファイアフライの研究拠点はすでにソルトレイクシティに移動したあとであり、2人も武装した男たちに襲われます。

一人を殺し、なんとか脱出しましたが、ジョエルは腹部を刺されていました。

第7話「残されたもの」

●ライリー/ストーム・リード:ボストンのFEDRA訓練生時代のエリーの親友

自分を置いてトミーのもとへ行けというジョエルを空き家で看病しながら、エリーは、自分の過去を思い出します。

エリーはかつてボストンFEDRAの訓練生でした。脱走して行方をくらまし、ファイアフライのメンバーになっていた親友のライリーと再会。2人で夜のショッピングモールの廃墟を徘徊した楽しい思い出。明日、別の地域に送られるというライリーとキスをしますが、突然、感染者に襲われます。なんとか撃退するも、2人とも噛まれてしまったのでした。

そして今…、キッチンで針と糸を発見し、エリーは、ジョエルの傷口を必死に縫い続けます。

第8話「困っている時は」

●デビッド/スコット・シェパード:シルバーレイクの牧師にしてリーダー
●ジェームズ/トロイ・ベイカー:シルバーレイクの武装グループの一人でデビッドの右腕

ジョエルを空き家に残し、エリーは食料を得るため雪山に出かけます。見事、鹿を射止めますが、デビッドとジェームズという2人の男に横取りされそうになり…。

ペニシリンと引き換えに、肉を分け合うことで話をつけますが、実は、デビッドは食料不足にあえぐシルバーレイクの町を牛耳る牧師であり、東コロラド大学でジョエルが殺した男は町の仲間であることを知り、慌ててペニシリンだけを手に逃げかえります。

男たちが復讐のため、ジョエルを探しにやってきたことに気づいたエリー。ジョエルから遠ざけようと画策しましたが、捕まってしまいます。一方、ペニシリンのおかげで回復しつつあったジョエルは、襲ってきた男たちからエリーの居場所を聞き出します。

監禁されたエリーは、人々が人間をも食料としている事実を知ってしまいます。自分が感染者であることを告げて、寸前に逃げ出し、デビッドを殺して逃走。助けにやってきたジョエルと再会するのでした。

第9話「光を探せ」

●アンナ/アシュレー・ジョンソン:エリーの実母

感染者に襲われた妊婦アンナが、なんとか生き延び、一人で赤ん坊を出産。助けにやってきたマーリーンに、噛まれる前にへその緒を切ったと嘘をついて赤ん坊を託し、自分を殺すよう依頼します。こうしてエリーが生まれたのでした。

ソルトレイクシティに到着し、ファイアフライの施設を探すジョエルとエリー。不安げなエリーに、ジョエルは今からでもトミーのところに戻ってもいいと告げますが、エリーは最後までやり遂げてから、一緒についていくと…。ジョエルもまた、サラが死んだあと自殺を試みて未遂に終わった過去を告白します。

2人はファイアフライに捕えられます。ジョエルは、再会したマーリーンから、手術によってエリーの脳から菌の伝達物質を取り出すこと、そのためエリーは死ぬことを告げられるのでした。

それを受け入れられないジョエルは、マーリーンや男らを皆殺しにして、麻酔で眠ったエリーを救出します。目覚めたエリーには、ファイアフライが別の免疫者を見つけ、実験したがうまくいかず断念したのだと嘘をつき、2人でワイオミングに戻るのでした。

エリーの口から、第7話における親友ライリーの最期が語られます。噛まれてライリーだけが発症し、エリーの手で殺されたのです。

第1話で出てくる言葉「闇の中にいる時こそ、光を探せ」が物語のテーマであり、第1話と最終第9話のエピソードタイトルにもなっています。



『The Last of Us(ザ・ラスト・オブ・アス)』シーズン2はどうなる?

シーズン1の好評を受け、早々とシーズン2製作が発表されていますが、当然、その内容はゲーム版『The Last of Us Part II』の内容に沿うものであると推測されます。

2人がワイオミング州ジャクソンに戻った5年後に始まりますが、ジョエルは殺害され、その実行犯であるアビーに、エリーが復讐を果たす物語が主軸になっています。

ゲーム版の方はどうやら賛否両論のようですが、ドラマはまたそれとは別だと考えられ、楽しみです。配信は早くても2024年になると思われます。

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※本ページの情報は2023年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

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