女性刑務所を舞台にした、Netflixを代表する大ヒットオリジナルドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』。2019年に配信されたシーズン7をもって完結しました。
本作の魅力は、何といっても登場する女囚キャストたちです。
みな強烈な個性の持ち主で、罪を犯した個別の事情もしっかり描かれるため、どうしても好き嫌いが生まれてしまいます。
そこで、ここでは好きなキャラ、嫌いなキャラそれぞれ5人を選び、ランキング形式で発表したいと思います。
思わず入れ込んでしまうNetflixドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』のキャストたち
女性刑務所が舞台の群像劇ゆえ、またシーズン7まで製作されましたから、登場するキャラクターの数は非常に多いです。それぞれに事情や背景があって、一概に好き嫌いで二分できないのも事実でしょう。
しかし、ここでは全シーズンを観終えた上で、個人的主観により、好き嫌いそれぞれTOP5を選んでみました。(若干のネタバレ含みます。)
多少の異論はあるでしょうが、入れ込んで鑑賞し続けた人には、おおむね共感していただけるのではないでしょうか?
※本記事は、役柄の紹介に留めていますので、主要キャストのプライベートやその他の出演作品、ドラマのその後など詳しいプロフィールは別の記事をご参照ください。
好きなキャラクターTOP5
次点候補としては、薬物中毒のペンサタッキー、男性的なレズビアンのビッグ・ブー、正義感に燃えるテイスティ、トランスジェンダーのソフィアあたりを加えたいと思います。
5位:グロリア・メンドーサ/セレニス・レイバ

ある意味自我が強いけど、筋が通っているから嫌味がない。

「母は強し」を、身体を張って証明している女性。
誰よりも頼りがいのある姉御的存在と言えば、グロリアです。
レッドが追い出されたあとの調理場をまかされると、持ち前のリーダーシップと強い意志で現場を仕切りました。
出所したアレイダに頼まれ、母親代わりとなってダヤを気に掛ける姿、不法滞在者たちの面倒を見る姿、そして何より、自分の息子が重体との知らせを受け、ひどく動揺する姿は普通の母親でした。
4位:ニッキー・ニコルス/ナターシャ・リオン

いろいろ問題のある女性だけれど、本当に回りのことを思える優しさがあるのはニッキーだと思う。

ローナのことを思う気持ちが切ない。
麻薬中毒に苦しむ、裕福な家の出のユダヤ人女囚がニッキーです。
口が達者で好き者のレズビアンですが、仲間を思う気持ちは人一倍。ちゃらちゃらした言動の裏にある強い信念と愛情は、とても共感できます。
終盤、ローナとレッドのことで自分を責めて苦しむさまは、見ている側もつらいほどでした。
3位:スーザン・ウォーレン(クレージー・アイズ)/ウゾ・アドゥーバ

メンタルな病を抱えつつも、ものすごく純粋さを感じさせる天使みたいな存在。

実は、本作の裏の主人公はスーザンではないかという気がする。
心の病を抱え、突飛な言動で周囲を混乱させるクレージー・アイズことスーザン。
最初はパイパーに対してストーカーじみた行為をとったりして、負の側面ばかりが強調されましたが、次第にその無垢さ、純粋さが汚れ切った人間関係の中で輝いてみえてきます。
自己主張と自己擁護ばかり強い女たちの中で、スーザンはある種の「救い」や「希望」のような存在だったのかもしれません。
2位:アレックス・ヴァウス/ローラ・プレポン

クールな言動の裏に、熱いものがある。

自分勝手なパイパーを愛し続ける気持ちは本物。
恋人だったパイパーを犯罪に導いた張本人ではありますが、その本心や心に抱えるものを思うとなんだか妙に同情してしまうのが、アレックスです。
何があっても結局、最後までパイパーへの愛を貫き通す姿は感動的でした。
特に、パイパーの出所の邪魔をするバディソンを封じるため、自分を犠牲にする姿には心を打たれました。それをわざわざ口にしないところもアレックスのクールな魅力です。
1位:プッセイ・ワシントン/サミラ・ワイリー

プッセイの最期には涙が出た。唯一、悪いところが一つも見当たらないキャラ。

少年のようなあどけなさのあるルックスもポイント高し。
互いにいがみ合う人間関係の中で、周囲からのけ者にされようが、争いを嫌い、友情や愛を貫き通す唯一の存在がプッセイです。
図書室の管理を担当し、自身も本を愛するプッセイですが、レズビアンゆえ苦悩する姿には心が痛みました。
その思いやりや正義感から、悲劇をむかえざるを得なかったのは見ていて辛かったですが、だからこそ、仲間たちの怒りが沸点をむかえたのだとも言えます。
嫌いなキャラクターTOP5
嫌いキャラの次点候補となるのは、パイパーのビジネスを盗むマリア、カプートの秘書になるシンディ、ダヤに殺されるダディあたりでしょうか?
5位:リアン・テイラー/エマ・マイルズ

暴動前のキャラの中で一番イラつく悪党キャラと言えばリアン。

意地悪過ぎて、褒めるところがない。
もう一人のジャンキー仲間アンジーとのコンビで、かなりの悪さをしでかす悪党キャラがリアンです。
2人とも薬のやりすぎで歯がボロボロ。ペンサタッキーと一緒だったころは、まだ鳴りを潜めていたのですが、いなくなってしまってから歯止めがきかなくなりました。
更生しようとするペンサタッキーを汚いやり方で虐待する姿は、悪質そのもの。普通、少しぐらいは可愛げがあるものですが、リアンにいたっては見当たりません。
4位:バディソン(マディソン・マーフィー)/アマンダ・フラー

終盤に出てきたキャラだけど、底意地の悪さと憎たらしさはピカイチ。

屈折した性格が我慢ならない。
暴動後、移動先の刑務所にいる意地悪キャラがバディソンです。
いきなりパイパーの足を引っかけ、重傷を負わせてしまうシーンもありましたが、その後も執拗にパイパーに絡み続けます。
特に、出所間近となったパイパーの邪魔をしようと画策するところは極悪です。
学生時代にいじめられ、のけ者にされた過去が描かれますが、それにしてはまったく同情できない屈折ぶりです。
3位:ヴィー(イヴォンヌ・パーカー)/ロレイン・トゥーサント

本当の極悪犯罪人を挙げろと言われたら、やっぱりヴィーかな。

早いうちに殺されてすっきりした。
仲良しを装う表の顔とは逆に、凶悪な裏の顔を持つヴィーの悪党ぶりは、やはり群を抜いていました。
特に、レッドに対して行った、過去の仕打ちは極悪そのもの。
本物の悪人で、多くの女囚から恨みをかい、女囚の手で殺害されたのはまさに自業自得というものでした。
2位:ダヤ(ダヤナラ・ディアス)/ダーシャ・ポランコ

結局は根が性悪!最後に、とうとうその本性を現した気がした。

なぜ、男からも女からもあんなにモテるのかわからない。可愛さで言ったらマリッツァの方がはるかに上なのに…。
母のアレイダもかなりの悪党ですが、アレイダには突き抜けた、あっぱれ感があるのに対し、暗い陰湿さがあるのが娘のダヤです。
男も女も惑わす「魔性の女」であり、ダヤと関係するとろくなことがありません。
最初は強権的な母に育てられた娘の弱さゆえだと思えましたが、次第に邪悪な本性が顔を出します。
看守を銃で撃ってしまうのも、結局は自身の選択。やがて、ふてぶてしい麻薬取引のボスへと変貌していきます。
1位:パイパー・チャップマン/テイラー・シリング

ここまで好きになれない主人公も珍しい。

自己中過ぎる。周囲を不幸にする一番のトラブルメーカー。
本ドラマの主人公でありながら、嫌いなキャラ堂々1位の不名誉をあたえられたのはパイパー・チャップマンです。
思ったことを口に出さないと気が済まない。じっくり冷静に考えることをせず、行動に出てしまう。そんなチャップマンの言動が引き金になって、さまざまな問題が生じたという意味では、間違いなく本物のトラブルメーカーです。
出所してからも、仕事すらまともに務まらず、禁止事項も破ってしまう。結局は、自分が楽になりたいがために周囲の迷惑を考えない性格は、とりわけ日本人的視点からは理解できないものでした。
しかし、ダメダメな女だからこそ、クールなアレックスにとっては、放っておけない魅力があったのかもしれません。
『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』で本当の嫌いキャラといえば?
独断と偏見で、好きなキャラ・嫌いキャラを5人ずつ選びましたが、それだけ女優たちの素晴らしい演技がキャラクターをリアルなものにしていた、ということに他なりません。
そして、実は、本当に嫌いなのは看守の中の悪党たちです。
カプートなど、最後には女囚たちの側に立つ善良な看守たちも一部いますが、多くは人間のクズのような輩ばかり……。
メンデス、ホッパー、ヘルマンらを、嫌いなランキングに追加するなら、迷うことなく堂々の1位でしょう!
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