Netflix『ホルストン』あらすじ・10人のキャストと実在の人物

HALSTON/ホルストン ドラマ

『アメリカン・ホラー・ストーリー』や『glee/グリー』、『ラチェッド』、『POSE/ポーズ』、『ザ・プロム』など数々のヒット作を手掛けてきたライアン・マーフィーの新作『HALSTON/ホルストン』が、Netflixより配信されました。

本記事では、全5話のリミテッドシリーズである『HALSTON/ホルストン』のあらすじ、主要登場人物とキャスト、モデルとなった実在の人物、さらに見どころまで詳しくご紹介したいと思います。

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Netflixドラマ『HALSTON/ホルストン』のあらすじ・概要

1970年代から80年代にかけて、ファッションの一大帝国を築き、名声をほしいままにしたロイ・ホルストン・フローイックの成功と挫折、そして私生活の濃密な人間関係をスタイリッシュに描いたドラマが『HALSTON/ホルストン』です。

ホルストンを取り巻く実在の人物も多数登場し、また伝説のナイトクラブ「スタジオ54」など当時のニューヨーク・カルチャーなど物語の背景も、大きな見どころの一つとなっています。

ライアン・マーフィーは、自身のインスタグラムの中で、こんな一言を添えています。

He changed the face of American fashion only to lose it all.
(彼はアメリカのファッションを一変させた、やがて全てが失われるとも知らずに。)

https://www.instagram.com/p/COakjYZnwdQ/

第1話「ホルストンの名」

1961年、ジャクリーン・ケネディが身につけたことで、帽子デザイナーとして一躍注目されるホルストン。長い友情を育むことになるライザ・ミネリとの出会い。やがて、イラストレーターのジョー、モデルのエルサ、デザイナーのジョエルらスタッフを集めて、自身の名をつけたブランドを立ち上げ、成功のきっかけをつかみます。

第2話「ベルサイユ」

大企業のCEOである友人マホーニーからの出資、またファッション界の重鎮エレノアの後ろ盾を得て、次第に人気を博し拡大していきます。気が進まないながら参加したパリのベルサイユで開かれた大規模なファッション・イベントで、大きな評価を得ることに成功するのでした。

第3話「成功の甘き香り」

成功を手にし、派手で退廃的な生活を送るホルストン。発売した香水は大成功するものの、トラブルメーカーの恋人ヴィクターに翻弄されることに……。「スタジオ54」に出入りし、狂乱の日々を送る一方、会社は数々のライセンス商品を拡げていくことに……。

第4話「祭りのあと」

ブランドは大衆化路線を突き進む一方、カルバン・クラインの作った新しいトレンドには乗り遅れ、業績は悪化の一途をたどります。傲慢な態度で、ジョーやエルサらとも絶縁し、さらに自身もHIV+であることが判明するのでした。

第5話「批評」

1985年、追われるように会社を去ったホルストン。悪化する体調の中、舞踏家マーサの劇団のための衣装をデザインするという最後の大仕事に挑むのでした。

ホルストンとは? その実像

アメリカのファッション・ブランド「ホルストン」の創業デザイナーがロイ・ホルストン・フローイックです。

1932年4月23日、アイオワ州デモインに暮らすノルウェー系一家の生まれで、10歳のときインディアナ州エバンズビルに移りました。1952年にはシカゴに移り、ウィンドウ・ドレッサーとして働きながら夜間の美術学校で学びます。やがて、帽子デザイナーとして知られるようになり、1957年、シカゴに自身のショップをオープンしました。

その後はニューヨークに移り、バーグドルフ・グッドマン帽子部門のデザイナーをしていたとき、ジャクリーン・ケネディが被った帽子で一躍有名に。1966年に、自身のブランド「ホルストン」を創業しました。

70年代から80年代初頭にかけて、ライザ・ミネリやエリザベス・テイラー、グレタ・ガルボ、ローレン・バコール、ビアンカ・ジャガーなど多くのセレブを顧客に持つ、アメリカを代表するデザイナーとして名声を博す一方、当時一大社交界となっていたナイトクラブ「スタジオ54」に頻繁に出入りし、派手で退廃的な私生活を送っていました。

しかし、80年代に入ると行き過ぎたライセンス契約から経営難に陥り、1984年にはブランドが売却されて、本人も会社から退くことになります。

1988年にホルストンはHIVポジティブと診断され、1990年3月26日、エイズにより57歳で死去しています。「ホルストン」ブランドはデザイナーを交代させながら、現在も継続しています。

『HALSTON/ホルストン』に登場する実在の人物10人とキャスト

1.ロイ・ホルストン・フローイック/ユアン・マクレガー

栄光と転落を味わう主人公のロイ・ホルストン・フローイックを演じるのはユアン・マクレガーです。

1996年の『トレインスポッティング』で鮮烈な映画デビューを飾ったユアン・マクレガーも今や50代。貫禄すら漂う名優となりました。

オビ=ワン・ケノービ役を演じた『スター・ウォーズ』新三部作、『ムーラン・ルージュ』や『人生はビギナーズ』『ドクター・スリープ』などの数々の大作・話題作に出演しているほか、テレビドラマ『FARGO/ファーゴ』ではゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞しています。

私生活では、1995年にフランス人美術監督のイヴ・マヴラキスと結婚し、映画界きってのおしどり夫婦として知られていましたが、2017年に離婚しています。

2.エルサ・ペレッティ/レベッカ・デイアン

エルサ・ペレッティは、ホルストンに愛され、行動を共にしていたイタリア人モデルです。当時は、そんな取り巻きともいえるモデルたちを「ホルストネッテ」と呼んでいました。

やがて、ホルストンにすすめられてジュエリー・デザイナーとして活動を始め、瞬く間に名声を博します。とりわけ「ティファニー」のためにデザインした数々のジュエリーが有名で、大英博物館など複数のミュージアム・ピースとして永久保存されています。

Vogue誌にジュエリー・デザイン界で最も成功した女性と評されたほか、2001年には全世界の「ティファニー」ブティックで回顧展が開かれました。2021年3月18日、スペインの自宅で死去。80歳でした。

演じているレベッカ・デイアンは、フランス人女優。17歳のときにパリに移り、ファッション・デザインを学びつつ、モデルの仕事をしていました。その後、演技を学ぶためニューヨークに渡り、女優としてのキャリアをスタート。出演作品には『ネオン・デーモン』『セレステ∞ジェシー』などがあります。

3.ライザ・ミネリ/クリスタ・ロドリゲス

ライザ・ミネリは、言うまでもなくジュディ・ガーランドの娘にして、アメリカのショービジネス界を代表する大エンターテイナーです。

1965年に、ブロードウェイのミュージカル『Flora the Red Menace』でトニー賞主演女優賞、1972年の映画『キャバレー』でアカデミー主演女優賞を受賞し、大スターとしての名声を不動のものとしました。

70年代半ばから80年代にかけて、アルコールとドラッグ中毒による乱れた私生活を送り、キャリアも低迷します。その後も、4度の結婚と離婚、病と依存症、さらに数々のスキャンダルやトラブルを起こすなど、復帰と低迷を何度も繰り返す波乱の半生を送っています。

2010年には、映画『セックス・アンド・ザ・シティ2』に本人役で出演し、久しぶりに見事な歌唱を披露しました。

ホルストンが亡くなったときには、親友として、リンカーン・センターのアリス・タリー・ホールで催された追悼式を主催しています。

演じているクリスタ・ロドリゲスは、1995年、女優としてのキャリアをスタート。2005年のブロードウェイ・デビュー以後、『コーラスライン』や『イン・ザ・ハイツ』『アダムズ・ファミリー』など数々の人気ミュージカルの舞台を踏んできました。演技・歌・ダンスすべてをこなし、ドラマ出演作には『SMASH』や『クワンティコ/FBIアカデミーの真実』などがあります。

4.ジョエル・シュマッカー/ローリー・カルキン

(写真)『オペラ座の怪人』の音楽を手掛けたアンドリュー・ロイド・ウェバー(左)とジョエル・シュマッカー(右)

ジョエル・シュマッカーは、名門FITとパーソンズ・スクール・オブ・デザインで学んだのち、1966年に「レブロン」のデザイナーとなります。1970年代に入ると、映画やテレビの衣装を多数手掛けるようになり、知り合いだったホルストンのもとで働いていた時期もありました。

その後、脚本家を経て、1980年に『縮みゆく女』で映画監督としてデビュー。

以後は、たくさんの作品のメガホンをとり、代表作には、『セント・エルモス・ファイアー』『フォーリング・ダウン』『ロスト・ボーイ』『バットマン フォーエヴァー』『オペラ座の怪人』などがあります。

私生活ではゲイであることを公言し、奔放な男性関係を重ねていたことで知られています。2020年6月21日、ガンにより80歳で死去しています。

演じているローリー・カルキンは、『ホームアローン』で一世を風靡したマコーレー・カルキンの実弟です。出演作品には、『スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション』『ユー・キャン・カウント・オン・ミー』などがあります。

5.ジョー・ユーラ/デヴィッド・ピトゥー

(写真)後列左、白いストールの男性がジョー・ユーラ、サングラスの女性はエルサ・ペレッティ

ジョー・ユーラは1960年代から70年代にかけて活躍したファッション・イラストレーターであり、70年代に入ってからは「ホルストン」、さらに「Vogue」や「Interview」など有名雑誌のクリエイティブ・ディレクターも務めていました。

1974年には、フリーランス契約から正式に「ホルストン」のクリエイティブ・ディレクターに就任し、1980年まで広告キャンペーンやイメージ戦略などを手掛けていました。

2004年10月27日、79歳で死去しています。

演じているデヴィッド・ピトゥーは、ブロードウェイで2度トニー賞にノミネートされたこともある実力派です。数々の有名舞台やミュージカルに出演しているほか、映画の出演作には『メン・イン・ブラック3』や2005年版『キング・コング』などがあります。

6.エド・オースティン/サリバン・ジョーンズ

(写真)左がエド・オースティン

エド・オースティンは、ニューヨークのゲイ・ビーチとして知られていたファイヤー・アイランドでホルストンと出会ったと言われ、恋人となると同時に、ホルストンのもとで働くようになりました。

ニューヨークのマディソン通りにあったホルストンのブティックでウィンドウ・ドレッサーをしていましたが、のちにやってきたヴィクター・ヒューゴに仕上げたウィンドウをめちゃくちゃにされたことがきっかけとなり、ホルストンのもとを去りました。その後は、自身で会社を設立し、注文服のデザイナーとして活躍しています。

2003年に60歳で死去しました。 

演じているサリバン・ジョーンズはサンフランシスコ出身の新人俳優です。UCLAで演技を学び、本作が実質的な商業デビュー作です。

7.ヴィクター・ヒューゴー/ジャン・フランコ・ロドリゲス

(写真)一番左の髭の男性がヴィクター・ヒューゴ

ヴィクター・ヒューゴーは、1942年生まれのベネズエラ人です。1972年、ホルストンと出会い、以後10年以上にわたる恋人関係にありました。メイクアップアーティストをしていた縁で知り合ったという説と、それはあくまでも体裁のための作り話で、実際はホルストンがお金で買った男娼だったとも言われています。

エド・オースティンに代わり、ブティックで専属のウィンドウ・ドレッサーを担っていたほか、後年にはアンディ・ウォーホールの「ザ・ファクトリー」でアシスタント兼モデルを務めています。

ホルストンを堕落させたのはヴィクターだと証言する人も少なくありません。ホルストンと別れて以降、1993年に51歳で他界するまでの消息はあまりよくわかっておらず、死因も明らかではありません。

演じているジャン・フランコ・ロドリゲスもヴィクター・ヒューゴーと同じベネズエラ人の新人俳優です。他の出演作にはショート・ムービー『Simón』、2021年の映画『This Is how I Lost My Virginity』があります。

8.エレノア・ランバート/ケリー・ビショップ

エレノア・ランバートは、大御所ファッション・パブリシスト。1962年、アメリカ・ファッションデザイナーズ協議会(CFDA)を設立し、アメリカのファッション、そしてファッション・シティーとしてのニューヨークの地位を築き上げた重鎮です。

パブリシストのかたわら、マンハッタンで広告エージェント会社を経営し、アーティストやアート・ギャラリーをクライアントに抱えていました。

2003年10月7日、100歳で亡くなるまで、CFDAの名誉メンバーを務めており、2001年には「エレノア・ランバート賞」が設けられています。

演じているケリー・ビショップは長いキャリアを誇る実力派女優兼ダンサーです。『コーラスライン』オリジナルキャストのシーラ役でトニー賞を受賞しているほか、映画『ダーティ・ダンシング』、テレビドラマ『ギルモア・ガールズ』のエミリー役などが有名です。

9.デイヴィッド・マホーニー/ビル・プルマン

(写真)一番左がデイヴィッド・マホーニー

デイヴィッド・マホーニーは、広告会社からスタートし、複数の企業の社長やCEO、会長などを歴任したビジネス界の大物です。CEOを務めていたノートン・サイモン社がホルストン社を所有していましたが、ホルストンとマホーニーが親しい友人だったため、その間の両社の関係は順調でした。

1983年に、ノートン・サイモン社に代わり、エスマーク社によって買収されます。以後、創業者としてのホルストンの力は失われていきました。

デイヴィッド・マホーニーはファッション・モデルと結婚し、2000年5月1日、76歳で死去しています。

演じているビル・プルマンは1986年のデビュー後、数々の大ヒット映画やドラマに出演している名優です。とりわけ映画『インデペンデンス・デイ』における大統領役が有名ですが、最近ではNetflixドラマ『The Sinner -隠された理由-』のハリー・アンブローズ刑事役が高い評価を得ています。

10.マーサ・グレアム/メアリー・ベス・ぺイル

マーサ・グレアムは、モダンダンスのパイオニアの一人とも言われるダンサー兼振付師です。1926年、自身のカンパニー「マーサ・グレアム・ダンスカンパニー」を設立し、以後、モダンアートを取り入れた独特のスタイルと表現方法で一世を風靡しました。

1970年代以降は振付師に専念しましたが、1991年4月1日、96歳で亡くなるまで仕事を続けていました。

演じているメアリー・ベス・ぺイルは、1962年にデビューした人気ソプラノ歌手です。数々のオペラの舞台を踏んだほか、ミュージカルにも進出し、女優として映画やテレビドラマにも出演しています。1983年にはミュージカル『王様と私』のアンナ役でユル・ブリンナーと共演し、トニー賞にノミネートされています。



ドラマ『HALSTON/ホルストン』の見どころ

・大ヒット作・話題作を連発しているライアン・マーフィーの製作

本作は、『glee/グリー』や『アメリカン・ホラー・ストーリー』『POSE/ポーズ』など、立て続けに話題作・ヒット作を連発している監督・プロデューサーのライアン・マーフィーが、2021年に放った最初の作品です。

2018年に、Netflixと5年間で3億ドルの独占契約を結んでおり、本ドラマも2020年のドラマシリーズ『ザ・ポリティシャン』『ハリウッド』『ラチェッド』、映画『ボーイズ・イン・ザ・バンド』『ザ・プロム』に続く、一連の作品になります。

オープンリーゲイで知られており、ほとんどの作品においてLGBTQがテーマの一つになっていますが、本作品も同様です

ライアン・マーフィーについては、下記の2つの記事に詳しくまとめてあります。

・原作はスティーヴン・ゲインズによる伝記

本ドラマの原作は、アメリカ人作家・ジャーナリストのスティーヴン・ゲインズが1991年に発表した伝記『Simply Halston: The Untold Story(直訳:シンプリー・ホルストン:話されなかった物語)』です。残念ながら翻訳はされていません。

スティーヴン・ゲインズは、音楽やファッションなどカルチャー・サブカルチャーを題材に選ぶことの多い作家であり、カルバン・クラインやスタジオ54について取り上げた著作もあります。

日本語翻訳された著作には『ビートルズ ラヴ・ユー・メイク』と『ビーチ・ボーイズ : リアル・ストーリー』があります。

・主要キャスト以外にも多くの実在の人物が登場!

上記で取り上げた10人以外にも多数の実在の人物が登場します。

例えば、ファッション・デザイナーのビル・ブラス、アン・クライン、オスカー・デ・ラ・レンタ、トップモデルのカレン・ビョルソン、元祖ドラァグクイーンのディヴァイン、女優のビアンカ・ジャガーやジョセフィン・ベーカーらです。

ファッション好きはもちろん、「スタジオ54」などを主な舞台に個性的な人物が入り乱れる1970年代のニューヨークが好きな人も楽しめるでしょう!

ドキュメンタリー映画『ホルストン』も必見!

ホルストンについては、2019年にドキュメンタリー映画が製作されており、Amazonプライムビデオで視聴が可能です。

Amazon.co.jp: ホルストンを観る | Prime Video
「ホルストン」は偉大なデザイナーであるロイ・ホルストン・フローイックのすばらしい人生を描いている。絶大な評価を誇る映画監督のフレデリック・チェンは、貴重なアーカイブ映像と、ホルストンの友人、家族、共同制作者たちが彼について親しみを持って話すインタビュー映像とを巧みに織り交ぜている。チェン監督はホルストンという人物を紐解...

上で紹介した実在の人物たちがインタビューに答える形で登場するほか、すでに亡くなった人物も、生前の映像や過去のインタビュー音声によって紹介されます。なかでも、エド・オースティンやヴィクター・ヒューゴの秘蔵映像や肉声は貴重です!

また、ホルストンの姪や実兄が語る晩年の様子、そしておそらく生前最後の映像など、非常に完成度の高い2時間のドキュメンタリー映画となっています。

Netflixドラマ『HALSTON/ホルストン』を観た人は必見の作品であり、Amazonプライム会員の方はぜひ、そうでない方はぜひ1か月でも無料登録して視聴することをおすすめします。

ホルストンとアメリカ

日本において、ファッション・ブランドとしての「ホルストン」の知名度は、それほど高くはないかもしれません。知っていたとしても、名前を聞いたことがある程度の方が多いのではないでしょうか?

しかし、アメリカでは、ハリウッド・セレブ御用達ブランドの元祖として広く認知されているばかりか、70年代のアメリカを代表する一つの顔とみるむきもあります。

こうした事実と背景を踏まえ、ドラマ『HALSTON/ホルストン』をあらためて視聴してみてはいかがでしょうか?

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