黒柳徹子の母・黒柳朝の半生を描いた、1987年放送のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)第38作『チョッちゃん』。
2025年3月24日からNHK BSの朝の再放送がスタートし、再び本作に注目が集まっています。
最初の放送からすでに38年。本記事では、主要登場人物の簡単相関図にくわえ、キャストたちのその後と現在についてご紹介します。残念なことに、故人も多くいます。
黒柳朝をモデルにした朝ドラ第38作『チョッちゃん』
黒柳徹子の母の半生をモデルに描いた【#チョッちゃん】3/24~再放送!
— NHKドラマ (@nhk_dramas) March 21, 2025
毎週月~土 午前7:15[BS/BSP4K]
毎週日曜 午前8時 1週分6話連続[BS]
毎週日曜 午前10時 1週分6話連続[BSP4K]
各話2回ずつ
原作:黒柳朝
脚本:金子成人
音楽:坂田晃一
語り:西田敏行
出演:古村比呂 世良公則https://t.co/PFg85V5EZw
第38作目の朝ドラ『チョッちゃん』は、1987年4月6日から10月3日まで放送され、平均視聴率38%の高視聴率を記録しました。
ヒロインのモデルは、黒柳徹子の実母・黒柳朝であり、1982年発行のベストセラー自伝『チョッちゃんが行くわよ』が原作となっています。
ドラマ放送時点で、黒柳朝はすでに70代半ば、それからさらに20年近く元気に生きて数作の著作を発表し、2006年8月16日に95歳で亡くなりました。
ここでは、ドラマのキャストに焦点をしぼり、相関図、さらにドラマのその後と現在についてご紹介します。
『チョッちゃん』の簡単な人物相関図
間柄はヒロインからみた関係性です。

主要キャスト15人のその後と現在(2025)
キャスト15人のキャリア、私生活などその後と現在を中心にご紹介します。
※年齢はもちろんプロフィールなどは、再放送がスタートした2025年3月時点での情報です。
①主人公・北山蝶子/古村比呂
黒柳朝をモデルとした本作のヒロインが北山蝶子であり、古村比呂が演じました。
古村比呂は、1965年11月24日、北海道江別市生まれで、現在59歳。1986年の映画『童貞物語』で女優デビューしたばかりの大抜擢であり、本作により一躍国民的人気を博しました。
その後は様々なドラマや映画に出演しつつ、1992年に、共演がきっかけで俳優の布施博と結婚。3人の息子をもうけて、その間は事実上、第一線から休止状態にありました。
2009年には、布施との離婚が成立、また2012年に発見された子宮頸がんとの闘病を続けながら、現在もマイペースで女優活動を続けています。
②父・北山俊道/佐藤慶(故人)
北海道の滝川で医院を営む、蝶子の父が北山俊道です。
演じた佐藤慶は、1928年12月21日、福島県会津若松市生まれ。悪役を得意とする性格俳優として数々の映画・ドラマ・舞台で活躍し、1965年の『鬼婆』ではパナマ国際映画祭主演男優賞、1971年の『儀式』ではキネマ旬報主演男優賞を受賞しました。
ナレーターとしても高い評価を得ていたほか、1981年の映画『白日夢』では、愛染恭子の相手役として本番行為を行い、スキャンダラスな話題をよんだこともあります。
2010年5月2日、肺炎により81歳で死去。遺作は、2009年公開の映画『カイジ 人生逆転ゲーム』です。既婚者で子どももいましたが、愛人の自殺未遂騒動などもあり、私生活は決して落ち着いたものではありませんでした。
③母・北山みさ/由紀さおり
敬虔なクリスチャンでもある、蝶子の母が北山みさです。
演じた由紀さおりは、1946年11月13日、 群馬県桐生市生まれで現在78歳。姉・安田祥子とともに童謡歌手としてキャリアをスタートさせ、その後は歌謡曲の人気歌手として、また女優として、バラエティ番組などでコミカルな存在感を放つタレントしてなど、多彩な活躍を続けています。
私生活では、1969年に音楽ディレクターと結婚するも、1983年に正式離婚。1992年ごろからアメリカ在住の一般男性と交際し、事実婚状態にありましたが、そちらも2006年に終止符を打っています。
④兄・北山道郎/石田登星
北山家の長男で、医師志望から小説家志望へと転身する蝶子の兄が北山道郎です。
演じた石田登星は、1960年7月30日、兵庫県神戸市に生まれ、現在64歳です。1985年より「演劇集団・円」に所属し、数々の舞台はもちろん、二時間ドラマや時代劇など多くのテレビドラマに出演するバイプレーヤーとして活動中です。
⑤弟・北山俊介/伊藤環
北山家の次男で、蝶子の弟が北山俊介です。
演じていた伊藤環は、本作のほか、子役としてNHKテレビドラマ『たけしくん、ハイ!』やフジテレビの特撮ドラマ『TVオバケてれもんじゃ』などに出演していましたが、それ以後の情報はなく、芸能界からは引退している可能性が高いと思われます。
⑥叔父・野々村泰輔/川谷拓三(故人)→前田吟
母・みさの弟で、蝶子の叔父にあたるのが、東京に暮らす野々村泰輔です。もともと川谷拓三が演じていましたが、ケガで降板し、代役として前田吟が演じました。
川谷拓三は、1941年7月21日、満洲国の新京生まれ。帰国後、俳優志望となり、1959年の映画『ひばり捕物帖 振り袖小判』の端役でデビューしました。下積み生活を経て、やがて稀有な性格俳優として人気を博したことは言うまでもありません。
代表的作品には初主演映画『河内のオッサンの唄』シリーズ、『仁義なき戦い』シリーズ、NHK大河ドラマ『黄金の日日』などがあります。1995年12月22日、肺癌のため54歳の若さで死去しました。長男の仁科貴、長女の仁科扶紀も俳優として活動しています。
一方、『男はつらいよ』の諏訪博役としてシリーズ50作に出演した前田吟は、81歳となった現在も現役の俳優として活動しています。私生活でも、離婚、死別を経て2022年に三度目の結婚を果たすなど、こちらも現役のようです。
⑦叔母・野々村富子/佐藤オリエ
泰輔の妻が、野々村富子であり、上京した姪の蝶子を夫とともに世話します。
演じた佐藤オリエは、1943年3月25日生まれ、東京都出身。俳優座に所属し、1966年のテレビドラマ『若者たち』で一躍注目を集めました。
その後、実力派女優として多くのテレビドラマ、映画、舞台で活躍。2013年の舞台『秋のソナタ』、2016年の舞台『かもめ』では満島ひかりと共演して話題をよぶなど、小劇場を中心にマイペースで活動していました。近年はクレジットされている作品がなく、第一線からは退いている模様です。
⑧校長・熊田剛造/津嘉山正種
『ある王妃の死』
— 津嘉山正種 (@e9wL48E5FAtQD2d) January 21, 2022
無事初日を終えました。
30(日)まで
劇場でお待ちしています。 pic.twitter.com/cngtHqc3HQ
蝶子が通う、女学校の厳格な校長が熊田剛造です。
演じた津嘉山正種は、1944年2月6日、沖縄県那覇市生まれで現在81歳。多くの映画やテレビドラマ、舞台に出演する名バイプレーヤーとしてはもちろん、アニメや洋画吹き替えの名声優として、また19年間担当したNHK-FM『クロスオーバーイレブン』のナレーターなどでも、広く知られています。
私生活では、オペラ歌手の成田絵智子と結婚し、息子が一人います。一人息子は俳優の道には進まず、沖縄で人気ラーメン店「まるよし」を経営しているようです。
⑨恩師・神谷容/役所広司
進んだ考えを持つ、蝶子の女学校の恩師が神谷容です。
演じた役所広司のその後の世界的規模の活躍ぶりについては、あえて説明するまでもありません。「俳優養成所無名塾」に所属し、1979年に事実上のデビュー。1983年のNHK大河ドラマ『徳川家康』の織田信長役で注目を集めた後の出演作の一つが本作でした。
ハリウッドデビューとなった2005年の映画『SAYURI』、2006年の映画『バベル』、さらに2023年の映画『PERFECT DAYS』では、ついにカンヌ国際映画祭の男優賞を受賞しました。
私生活では、1982年に無名塾で出会った女優の河津左衛子と結婚。一人息子の橋本一郎も俳優として活動しています。
⑩音楽教師・川村市子/中原理恵
蝶子に東京の音楽学校に進むことを助言する、女学校の音楽教師が川村市子です。
演じていた中原理恵は、1958年6月17日、北海道函館市に生まれ、現在66歳です。1978年に歌手デビューし、「東京ららばい」がいきなり大ヒットを記録。80年代に入るとバラエティ番組『欽ドン!良い子悪い子普通の子』などでコメディエンヌとして開花し、次第に女優としての活動が主となっていきました。
しかし、1999年の映画『鉄道員』、2000年放送のドラマを最後に、残念ながら表立った活動はないようです。
⑪親友・田所邦子/宮崎萬純(ますみ)
蝶子の女学校の親友であり、滝川にある呉服屋の娘が田所邦子です。
演じた宮崎萬純(ますみ)は、1968年1月26日、愛知県名古屋市生まれ。1983年の映画『アイコ十六歳』でデビュー後、1985年の「クラリオンガール」に選ばれ、注目を集めました。
映画『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズはじめ、女優として様々な作品に出演していましたが、1994年、カメラマンの男性と結婚し、二男をもうけたことで、芸能活動は休止状態にありました。
2005年の映画『Strange Circus 奇妙なサーカス』で女優復帰、2007年の離婚を経て、現在はヒプノセラピストとして活動しています。
⑫幼馴染・彦坂頼介/杉本哲太
蝶子の幼馴染であり、ひそかに蝶子のことを片思いしている青年が杉本哲太演じる彦坂頼介です。
杉本哲太は、1965年7月21日、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。若気の至りの暴走族から、ロックバンド「紅麗威甦」のメンバーを経て、俳優に転身した異色派です。
言うまでもなく、今や映画、テレビドラマから、名ナレーターとしても目覚ましい活躍をする人気俳優の一人です。 私生活では、1992年に神津善行・中村メイコ夫妻の次女・神津はづきと結婚し、3児の父です。
⑬知人・石沢嘉市/レオナルド熊(故人)
北山家とは家族ぐるみのつきあいをしている牧場主が石沢嘉市です。
演じたレオナルド熊は、1979年に結成したコントコンビ「ラッキーパンチ」(後に「コント・レオナルド」に改名)で人気を博したほか、独特の存在感のある俳優として多くのドラマや映画にも出演しました。
ところが、人間関係では諍いも多く、コンビの相方は20数人交代し、最も長く続いた石倉三郎ともコンビ解消と同時に絶縁していました。
1994年12月11日、膀胱癌から急性心筋梗塞を発症し、59歳で死去。私生活では、1984年に元女優で14歳下の中川加奈と再婚し、娘と息子をもうけています。
⑭後の夫・岩崎要/世良公則
上京した蝶子が出会い、後に夫となるバイオリン奏者が世良公則扮する岩崎要です。
世良公則は、1955年12月14日、広島県福山市生まれで、現在69歳です。大学時代に結成した「世良公則&ツイスト」は「あんたのバラード」など大ヒット曲を連発し、人気バンドとなります。バンドは1981年に解散してソロとなりましたが、その後も何度か一時的な再結成がなされています。
世良公則自身は、俳優としても『太陽にほえろ!』のボギー役はじめ、多くのドラマ・映画に出演しており、例えば朝ドラだけでも『チョッちゃん』に続き、『梅ちゃん先生』と『カムカムエヴリバディ』と3作品に出演しています。
私生活では、1980年に高校の同級生だった一般女性と結婚し、子どもが2人います。
⑮夫の親友・国松連平/春風亭小朝
夫・岩崎要の親友であり、生粋の江戸っ子が国松連平です。
演じた春風亭小朝は、1955年3月6日、東京都北区生まれで現在70歳です。少年時代から落語の才能を発揮し、1980年には25歳の若さで36人抜きの真打に昇進しました。2020年には紫綬褒章を受章しています。
落語家のかたわら、役者としてもたびたびテレビドラマを中心に出演。大河ドラマは、『篤姫』、『軍師官兵衛』、『麒麟がくる』と3作品に出演しています。
私生活は、1988年に初代林家三平の次女・泰葉と結婚しましたが、2007年に離婚しました。
朝ドラ『チョッちゃん』の語りを務めた西田敏行も他界
上記の通り、ご紹介したキャストの中で、すでに3人が故人です。
また語り(ナレーション)を担当した西田敏行も、2024年10月17日、虚血性心疾患により76歳で亡くなりました。
すでに38年も前に放送されたドラマですから、残念ですが、仕方のないことなのかもしれません。
※NHK BS朝のアンコール放送枠で本作の前に放送されていた『カーネーション』については下記の記事をご覧ください。

