『女刑事マーチェラ』シーズン1-3の賛否両論ポイントを徹底分析!

『女刑事マーチャラ』分析 ドラマ

イギリスのITVで放送されて大きな話題を呼んだのち、Netflixでも配信されるに至った衝撃の刑事ドラマ『女刑事マーチェラ』。

2020年6月にシーズン3が配信されるも、やはりその内容とダークな世界観が、賛否両論交えたさまざまな議論を巻き起こしています。

さて、あなたは、シーズン1から3に至るあの展開と結末をどう思われたでしょうか?

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『女刑事マーチェラ』の見どころと問題点の両方から分析!

主人公は、わが子を亡くしたことがきっかけで激しく精神を病みながら、刑事としては抜群の捜査能力を持つマーチェラ。

一般に「北欧ノワール」、あるいは「ノルディック・ノワール」とも「スカンジナビアン・ノワール」とも呼ばれる独特のスタイルと雰囲気を持つ典型的な作品です。

北欧ノワールの特徴

人間の抱える深い闇とタブー、社会の裏側に潜む殺人や暴力・虐待・差別などを荒涼とした世界観の中に描きつくす。

ここでは、シーズン3を視聴し終えた上で、このドラマの持つ特異性を、賛否両論、つまり見どころポイントと問題ありのポイントにわけて総括し、個人的主観で分析してみたいと思います。

多少のネタバレを含みますのでご注意ください。

見どころポイントは?

1. 今まで見たことのない新しいタイプの異形ヒロイン

マーチェラの精神的な壊れっぷりは、いつ犯罪者側になってもおかしくないほど。正直、病院で適切な治療と隔離が必要なレベルです。実際、死体遺棄などすでに犯罪に手を染めてしまっているとも言えます。

どんなヒロインにも欠点はつきものですが、ここまで闇の深い、犯罪ギリギリの女刑事を主人公に設定した作品があったでしょうか?

同じ「北欧ノアール」の作品では、『ドラゴン・タトゥーの女』など「ミレニアム」シリーズのリスベットを思い出しますが、彼女らは、社会から疎外された孤独なアウトサイダーであることが特徴です。ところが、マーチェラが特殊なのは、夫と2人の子どもがいる平凡な家庭人でもあること!

精神異常と天才的な特殊能力、凄腕刑事と主婦、そのギャップこそが、マーチェラの極めて異質な魅力となっているのです。

2. 犯人捜しとは違う、先の読めないハラハラドキドキ展開

簡単に善とも悪とも言い切れない強烈なキャラクターたちが織りなす人間模様、目まぐるしく変化する事態など、一度観始めたら、その後の展開が気になって最後まで一気に観てしまう人が続出!

また、日本のドラマでは考えられないタブーにも、直球で切り込みます。例えば、シーズン2は、子どもの連続殺人事件がテーマとなっており、残酷な虐待や殺害シーンも容赦なく描写されます。

間違いなく一部の視聴者に不快感をもたらしたり、さまざまな反発を呼んだりするであろうことも、正面から描き切ったところに制作側の強い覚悟とそこからくる面白さがあることは否めません。

3. マーチェラを演じたアンナ・フリエルの素晴らしさ

複雑極まる主人公マーチェラを、見事に演じ切っているアンナ・フリエルの素晴らしさは言うまでもありません。

国内外でさまざまな賞を受賞している実力派ですが、『女刑事マーチェラ』ではまた新しい魅力を開花させ、国際エミー賞主演女優賞に輝いています。

アンナ・フリエルのプロフィール

アンナ・フリエルは1976年7月12日生まれで、イングランドのグレーター・マンチェスター出身。子役として早くからキャリアをスタートしており、本国では、1993年から95年まで出演したドラマ『ブルックサイド』のベス役で一躍人気者となりました。

世界的な女優へと押し上げたのは、日本でも放送されたアメリカのコメディドラマ『プッシング・デイジー 恋するパイメーカー』です。主人公の初恋の女性シャーロット・チャールズ役で、2008年のゴールデングローブ賞主演女優賞に輝きました。

4. 映像の美しさ、クールな主題歌

とりたてて凝った映像ではないものの、計算された緊迫感あふれるカメラワークも、本作を上質なドラマに仕立て上げている要素の一つです。

全体に抑えた色調の中、ときおりハッとする美しい映像も見どころ。それがもっともよくわかるのが、オープニングのタイトルバックです。光と影、ネオンライトと闇など、本作のテーマと世界観を見事に表現した映像になっています。

タイトルバックに流れる超クールな主題歌は、The Bug feat. Inga Copelandによる「Fall」という曲。The Bugは、ミュージシャンであるケヴィン・マーティンによるレコーディング・ユニットです。

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欠点や問題ポイントは?

1. 登場人物が非常に多いこと

サスペンス系の刑事ドラマでは、謎を深めるために犯人とおぼしき複数の人物を登場させるのは当然のことです。

だとしても、『女刑事マーチェラ』の場合、無駄に多すぎると感じた人も少なくないでしょう。

思わせぶりな人物が複数登場しますが、ふたを開けてみると、多くは事件と無関係であり、物語が進むうちにばったり出なくなることもしばしば。

例えば、シーズン3では、マーチェラの正体を知るマシューなる男が唐突に出現し、いわくありげに絡みます。結局、ただの昔の恋人だったにすぎず、それなのにあっさりジャックに殺害されてしまうというのも腑に落ちません。

いきなり殺すことで物語から退場させてしまう、という雑な決着のつけ方も気になります。

2. 同じようなルックスの俳優がキャスティングされていること

登場人物の多さにもまして、本作において特に気になるのは、わき役陣のキャスティングです。同じような顔に見える俳優ばかりキャスティングされているせいで、判別がつかないのは、日本人だからでしょうか?

ルックスばかりか、つけられた名前も似ています

例えば、シーズン2で言うと、殺害される被害者の少年の名前がレオとルーク、容疑者の一人となる男の名前がレジ、刑事の名前がラヴ。会話に一瞬出てきただけでは誰のことなのかわかりません。

視聴者を混乱させるため意図的なものだとしたら、少々陳腐だと言わざるを得ません。



3. 回収されないエピソードと少々強引な展開

キャラクター設定の問題のみならず、その後どうなったのか不明のまま、完全に放置されてしまうエピソードも多々あります。

例えば、シーズン1で、マーチェラの夫ジェイソンが間接的に関与した殺人事件は、結局どうなったのでしょうか?

また全シーズンにおいて、本作は、「なぜその場所を知っているのか」という点に関して極めて説明不足です。秘密が隠されているような問題の場所に、難なく関係者が現れるのです。

シーズン3では、なぜマーチェラは、フランクの妻子が殺された現場の場所がわかったのか、なぜジャックは、サンガ刑事が用意したホテルの一室の場所がわかったのか、そのあたりの説明はありません。

4. 親近感を抱くキャラクターがいない

本作の際立った特徴として、ほとんど誰一人として親近感を抱く、共感できる、善人キャラクターが登場しないことです。

3つのシーズンを振り返って、完璧な善人キャラとして誰か頭に浮かぶ人がいるでしょうか?

マーチェラの2人の幼い子どもたちですら、長女はいじけて学校に薬物を持ち込み、長男は残酷な動物虐待に手を染めていくのですから……。

5. マーチェラの魅力が半減してしまったシーズン3

精神に問題を抱えながらも、天才的な捜査能力を発揮する点が、主人公マーチェラの魅力でした。

ところが、潜入捜査という設定になったシーズン3で、その力がどの程度、発揮されたのでしょうか? 

見知らぬ訪問者の車や人物の写真を撮って、フランクにメールするぐらいで、一家の悪事を暴くため、マーチェラはどんな調査を成し遂げたのでしょうか?

家族関係を内側から崩壊させるようにそそのかし、仕向けただけであり、彼女の並外れた能力が存分に発揮されたとはとても言えません。

新型コロナウィルスによる物理的な理由があったのか、残念ながらシーズン3には明らかな字幕の誤訳や適切でない訳がいくつか見られます。

「弟」を「兄」と間違ってる箇所、主人公の名前「ケイラ」を「キーラ」と訳している箇所が何か所あったのは、絶対にあってはならないミスでしょう。

また、会話の中に「CCTV」というワードが何度か出てくるのですが、何か特殊な機関なのかと思いきや、ただの「監視カメラ」のことです。

『女刑事マーチェラ』の見どころと難点は表裏一体!

以上、見どころと難点にわけて明記しましたが、実際のところ、それらは表裏一体です。

それはつまり、本作が、ありきたりでない、チャレンジングな斬新さを持った作品であることの証でもあります。

日本の生ぬるい恋愛ドラマやサスペンスドラマの予定調和とは一線を画すものであり、それゆえ好き嫌いも分かれるのかもしれません。

できれば、各シーズンとも、2度鑑賞することをおすすめします。いろいろ新しく発見することがあるはずです!

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