インディ・ジョーンズ・シリーズ:キャスト15人のその後/現在/故人

インディ・ジョーンズ・シリーズ・キャスト 映画

2023年6月30日、待望のシリーズ5作目となる最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が公開された『インディ・ジョーンズ』シリーズ。

本記事では、これまでの4作に出演した主要キャスト15人について、その後と現在をご紹介します。第1作目が公開されてから早40年以上が過ぎ、すでに亡くなった人物も少なくありません。

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『インディ・ジョーンズ』シリーズについて

ジョージ・ルーカスが製作総指揮、スティーヴン・スピルバーグが監督を務め、世界的な大ヒット作となった『インディ・ジョーンズ』シリーズ。

言うまでもなく、ハリソン・フォード扮する考古学者インディアナ・ジョーンズが繰り広げる大冒険を描きます。

シリーズは以下の通りです。

1作目『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』 (1981年)
2作目『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』 (1984年)
3作目『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989年)
4作目『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』 (2008年)
5作目『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』 (2023年)

■タイトルについて

1作目のタイトルにある「レイダース」とは、どんな意味かと思う人も多いようですが、別に固有名詞ではありません。原題が『Raiders of the Lost Ark』。つまり「raiders」とは、「侵入者」という意味に過ぎず、原題を直訳すると「失われた聖なる箱への侵入者」となります。1作目であったことから、このような邦題がつけられたものと思われます。

その後、シリーズ化したタイトルに従って、1作目も『インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク《聖櫃》』と呼ぶ向きもありますが、あまり定着していません。

2作目以降、原題は、『Indiana Jones and the Temple of Doom』のように、『Indiana Jones and +α』の形をとっています。

5作目が「/」ではなく「と」とした意味、原題の「インディアナ・ジョーンズ」に対し、邦題では略称の「インディ・ジョーンズ」となっていることには、あまり深い含みはないものと推測します。

■見る順番・時系列について

2作目は、1作目より過去の物語になっており、時系列に並べると2作目→1作目→3作目→4作目→5作目となります。

ただ、『スター・ウォーズ』シリーズのように、複雑に入り組んだ時系列ではないため、見る順番に関しては公開順で問題ありません。また、3作目の冒頭のように、若き日のインディの姿を描いたシーンもあります。

描かれる、それぞれの時代を整理すると、以下の通りになります。

1作目:1936年
2作目:1935年
3作目:1938年
4作目:1957年
5作目:1969年

■物語の舞台について

世界を股に掛けた冒険の物語ですが、それぞれの舞台を整理すると以下の通りになります。

1作目:ネパール→エジプト
2作目:中国→インド
3作目:イタリア→オーストリア→トルコ
4作目:アメリカ→ペルー

5作目の舞台は、ドイツ(過去)→アメリカ→モロッコ→ギリシャ→イタリアと多くの国にまたがります。実際、英国のノース・ヨークシャーやスコットランド、イタリアのシシリー島、モロッコなどで撮影が行われました。



シリーズ4作の主要キャスト15人のその後と現在【2023】

シリーズ4作に登場した主要キャスト15人のその後と現在についてご紹介します。最初の3作は80年代に公開されており、出演者には、すでに亡くなった人も少なくありません。ここで紹介する15人のうち、すでに6人が故人です。

※2023年8月現在の情報です。

①インディアナ(インディ)・ジョーンズ/ハリソン・フォード<S1~5>

言うまでもなく本作の主人公であり、名の知れた考古学者にして世界を股にかける冒険家がインディ・ジョーンズです。全シリーズ通してインディを演じ続けているのが、ハリソン・フォードです。

ハリソン・フォードは、1942年7月13日、シカゴ生まれ。『スター・ウォーズ』シリーズのハン・ソロ役で一躍世界的スターへと躍り出た直後の出演作が『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』でした。

その後も第一線で活躍し続けるキャリアについては触れるまでもないでしょう。とりわけ『ブレードランナー』『刑事ジョン・ブック 目撃者』『ワーキング・ガール』など80年代の出演作には名作や大ヒット作が多くあります。

私生活では、二度の結婚・離婚を経て、2010年に長らく交際していた女優のキャリスタ・フロックハートと正式に再婚しました。子どもは合わせて実子が4人、養子が1人います。プライベートを明かさない俳優として知られていますが、2016年には、故キャリー・フィッシャーが、回顧録の中で『スター・ウォーズ』撮影中にフォードと不倫関係にあったことを公表し、話題をよびました。

2024年公開予定の『キャプテン・アメリカ:ニュー・ワールド・オーダー』では、死去したウィリアム・ハートに代わってサディアス・ロスを演じることが決定しています。

②マリオン・レイヴンウッド/カレン・アレン<S1,4>

インディの昔の恋人であり、ネパールで酒場を営んでいる女性がマリオンです。4作目『クリスタル・スカルの王国』にも登場し、大活躍します。

演じたカレン・アレンは、1951年10月5日生まれ、1978年の映画『アニマル・ハウス』でデビューしました。本マリオン役で一躍有名となり、その後も『スターマン/愛・宇宙はるかに』や『ガラスの動物園』など、映画・テレビ・舞台でマルチな活躍を見せています。2019年には日本未公開の主演映画『Colewell』の演技が高い評価を得ました。

私生活では、1988年に俳優のケイル・ブラウンと結婚し、一男をもうけますが1998年に離婚。また、2003年には自身が手掛けるニットウエアのコレクションを発表し、2005年にはマサチューセッツ州にブティック「Karen Allen Fiber Arts」をオープンするなど、デザイナー兼起業家の顔も持っています。

③マーカス・ブロディ/デンホルム・エリオット<S1,3>

インディが教壇に立つ大学の副学部長にして、冒険の理解者兼友人がマーカスです。3作目『最後の聖戦』にも登場し、イギリス人俳優のデンホルム・エリオットが演じました。

デンホルム・エリオットは、1922年5月31日、ロンドン生まれ。『大逆転』『眺めのいい部屋』『ダウニング街の陰謀』で英国アカデミー賞助演男優賞を3年連続で受賞するなど、名優として活躍しましたが、1992年10月6日、エイズにより70歳で死去しました。

二度の結婚で一男一女がいましたが、バイセクシャルを公言し、1987年にHIVに感染したと言われています。死後、残された家族にも不幸が襲います。2人目の妻で女優のスーザン・ロビンソンは、エイズのチャリティーに熱心に取り組んでいましたが、2007年に火事で焼死。先立って娘も2003年に自死を選んでいます。

④サラー/ジョン・リス=デイヴィス<S1,3,5>

インディの友人であり、発掘作業の相棒でもある、愛嬌あふれる男がサラーです。3作目『最後の聖戦』、さらに最新5作目にも登場します。

演じているジョン・リス=デイヴィスは、1944年5月5日生まれ、英国ウェールズ出身。本サラー役のほか、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのギムリ役、『ロマンシング・アドベンチャー/キング・ソロモンの秘宝』『007 リビング・デイライツ』『アクアマン』など、数多くのアクション・アドベンチャー映画に出演する名バイプレーヤー・声優として活躍しています。

私生活では、1966年に結婚し、二男をもうけますが、1985年に別居。しかし、妻が病死する2010年まで籍を抜かず、最期を看取ったようです。一方、2004年から別の女性と事実婚状態にあり、一女をもうけています。

⑤アーノルド・エルンスト・トート/ロナルド・レイシー<S1>

ナチスの党員であり、ゲシュタポのエージェントとしてインディを追う、謎めいた黒いレインコートのドイツ人を性格俳優ロナルドレイシー演じました

ロナルド・レイシーは、1935年9月28日、ロンドン生まれ。実は3作目『最後の聖戦』にも、ハインリヒ・ヒムラー役でノンクレジットのカメオ出演をしています。独特の存在感を放つ性格派俳優として活躍していましたが、肝癌が発覚しわずか1か月後の1991年5月15日、55歳で急死しました。

2度の結婚・離婚で、子どもはあわせて3人いますが、うちの2人、レベッカとジョナサンはともに俳優として活動しています。



⑥ウィルヘルミーナ(ウィリー)・スコット/ケイト・キャプショー<S2>

上海のクラブで働く歌手であり、いやいやインディに同行することになる2作目のヒロインが、ケイト・キャプショー演じるウィリーです。

ケイト・キャプショーは、1953年11月3日生まれ、テキサス州出身。70年代に一度結婚歴がありますが、1991年に、本作で出会ったスティーヴン・スピルバーグと再婚しました。ユダヤ教に改宗し、女優としても2001年のテレビ映画を最後に引退しています。

キャプショーが最初の結婚でもうけた娘ジェシカ・キャプショーは女優として活躍。エイミー・アーヴィングとの結婚で息子が一人いたスピルバーグとの間に、さらに養子が2人、実子が3人います。実子のサーシャ・スピルバーグも女優です。

⑦ショート・ラウンド/キー・ホイ・クァン<S2>

インディの冒険に、助手として同行することになる戦争孤児がショート・ラウンドです。

演じたキー・ホイ・クァンは、1971年8月20日、ベトナム・サイゴン生まれの中華系ベトナム人。1975年のサイゴン陥落により、一家でアメリカに移住しました。本作の他、翌年の『グーニーズ』におけるデータ役で、一躍人気子役となりましたが、その後、キャリアは低迷します。

製作スタッフや通訳などをしていましたが、2022年の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で俳優として本格的に復帰。アカデミー助演男優賞含む数々の賞に輝いて見事なカンバックを果たしました。ハリソン・フォードやスティーヴン・スピルバーグらと感動の再会も話題を呼びました。

妻のエコー・クァンも、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』に現場通訳として関わっています。子どもはいません。

⑧モラ・ラム/アムリーシュ・プリー<S2>

邪神カーリーを崇拝し、誘拐した子どもたちを奴隷にする、恐ろしい力を持つ教団「サギー教」の司祭がモラ・ラムです。

演じたアムリーシュ・プリーは、1932年6月22日に生まれ。インド映画界を代表する大御所俳優として活躍していましたが、2005年1月12日、血液の癌の一種である骨髄異形成症候群により、ムンバイの病院で死去しました。72歳でした。

⑨若きインディアナ・ジョーンズ/リヴァー・フェニックス<S3>

3作目『最後の聖戦』の冒頭に登場するまだ若き12歳頃のインディをリヴァー・フェニックスが演じました。

リヴァー・フェニックスは、本作公開からおよそ4年後の1993年10月31日、薬物の過剰摂取により、23歳の若さで急逝しました。

1986年の『スタンド・バイ・ミー』で注目を集め、1988年の『旅立ちの時』ではアカデミー助演男優賞ノミネート。本作の後にも、1991年の『マイ・プライベート・アイダホ』でヴェネツィア国際映画祭男優賞を受賞するなど、俳優としてさらなる飛躍が期待される最中の急死でした。

遺作は死後に公開された『ダーク・ブラッド』です。次回作として、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のインタビュアー役が決定していました。

⑩ヘンリー・ジョーンズ/ショーン・コネリー<S3>

インディの父親で、聖杯の研究をしている考古学者がヘンリーであり、ジョーン・コネリーが演じました。

言うまでもなく、『007』の初代ジェームズ・ボンド役で英国を代表する大スターのショーン・コネリーは、1930年8月25日生まれ、スコットランド出身です。1987年の『アンタッチャブル』では、アカデミー助演男優賞を受賞するなど、その演技力も高い評価を得ていました。

2020年10月31日、バハマにあった自宅において90歳で亡くなりました。晩年は認知症を患っていたと言われ、死因は老衰によるものとされています。

私生活では、1962年に女優のダイアン・シレントと結婚し、一男をもうけますが、1973年に離婚。1975年にフランス人アーティストと再婚しました。息子のジェイソン・コネリーも俳優として活動しています。



⑪エルザ・シュナイダー/アリソン・ドゥーディ<S3>

ヘンリーの助手を務めていたオーストリア人の考古学者ですが、実はナチスの党員がエルザです。

演じたアリソン・ドゥーディは、1966年11月11日、アイルランド・ダブリン生まれ。1985年の『007 美しき獲物たち』で、史上最年少のボンドガールとして映画デビューしました。

本作の後、いくつかの作品に出演しましたが、結婚を機に10年ほど表舞台から退いていました。2000年代に入って復帰し、最近の作品では話題のインド映画『RRR』に総督夫人役で出演しています。

私生活では、1994年に独立系報道会社のCEOと結婚し、二女をもうけましたが2006年に離婚。2014年前後から別のビジネスマンと交際しているようです。

⑫イリーナ・スパルコ/ケイト・ブランシェット<S4>

ソ連軍の大佐にして、KGBのエージェントである黒髪のイリーナをケイト・ブランシェットが演じました。

ケイト・ブランシェットは、1969年5月14日生まれ、オーストラリアのメルボルン出身。1998年の『エリザベス』で名だたる映画賞の主演女優賞を席巻し、一躍世界的スターへと躍り出ました。

その後も、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのガラドリエル役、『アビエイター』のキャサリン・ヘプバーン役、『アイム・ノット・ゼア』のボブ・ディラン役などで、飛ぶ鳥を落とす勢いの絶頂期に出演したのが本作です。その勢いは現在も衰えることなく、『ブルージャスミン』や『TAR/ター』での演技も絶賛され、数々の賞を総なめするなど、映画界を代表する演技派女優として君臨しています。

私生活では、1997年に劇作家のアンドリュー・アプトンと結婚し、3人の息子をもうけました。2015年には養女を迎えています。

⑬マット・ウィリアムズ/シャイア・ラブーフ<S4>

インディとともに冒険を繰り広げる青年がマットであり、実は、マリオンが密かにもうけたインディの息子です。

演じたシャイア・ラブーフは、1986年6月11日、ロサンゼルス生まれ。本作をはさんで主演した『トランスフォーマー』シリーズが広く知られています。当初、スピルバーグは、ハリソン・フォードの年齢を考慮し、シリーズ5作目はシャイア・ラブーフのマットを主役にする考えだったことは有名です。

シャイア・ラブーフのその後は、なかなか代表作と言える作品に出演しておらず、その一因の一つに私生活でのスキャンダル続きがあります。2007年にはドラッグストアに不法侵入で逮捕、2008年には酒気帯び運転による事故で指2本を欠損など。その後も、暴行罪や窃盗で起訴、元交際相手が性的虐待の暴露など、汚名はおさまることがありません。

とはいえ、2023年3月に撮影が終了した、フランシス・フォード・コッポラの新作『Megalopolis』のキャストに名を連ねているようです。

⑭ハロルド・オックスリー(オックス)/ジョン・ハート<S4>

インディの大学時代の友人で、3年前に消息をたっている考古学者のオックスをジョン・ハートが演じました。

『ミッドナイト・エクスプレス』や『エイリアン』、そして数々の賞に輝いた『エレファント・マン』、『ハリー・ポッター』シリーズのオリバンダー役、『裏切りのサーカス』など多くの作品で独特の存在感を見せてきた英国を代表する演技派俳優ジョン・ハートですが、2017年1月25日、膵臓がんにより77歳で死去しました。

私生活では、4度の結婚で、子どもが2人います。

⑮ディーン・チャールズ・スタンフォース/ジム・ブロードベント<S4>

インディが教授を務める大学の学部長を演じているのはジム・ブロードベントです。

ジム・ブロードベントは、1949年5月24日生まれ、イングランドのリンカン出身。1999年の『トプシー・ターヴィー』でヴェネツィア国際映画祭男優賞、2001年の『アイリス』でアカデミー助演男優賞、2007年のイギリスドラマ『The Street』でエミー賞主演男優賞を受賞した名優です。

他にも『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズや『ムーラン・ルージュ』などコメディからシリアスものまでなんでもこなす、英国を代表する名優です。

私生活では、画家兼舞台デザイナーの女性と1987年に結婚しました。女性の連れ子以外、子どもはいません。



最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』について

シリーズ5作目となる最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は、2023年6月30日に公開されました。

これまで製作を手掛けていた「ルーカスフィルム」が「ウォルト・ディズニー・カンパニー」に買収されてから初の作品となります。ルーカスは降板し、スピルバーグも製作側に、そして監督・共同脚本は『ウルヴァリン:SAMURAI』や『フォードvsフェラーリ』で知られるジェームズ・マンゴールドが手掛けています。

キャストには、ヒロインとして英国の個性派女優フィービー・ウォーラー=ブリッジ、また新しくアントニオ・バンデラスが名を連ねています。

4作目『クリスタル・スカルの王国』の直接的な続編であり、1969年、アメリカとソ連の間で繰り広げられる宇宙開発競争を背景に、秘宝「運命のダイヤル」をめぐる物語が展開します。ちなみに、4作目で結婚したマリオンとは離婚している設定のようです。

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