『ゴッドファーザー』キャスト15人のその後/現在【相関図/死亡】

ゴッドファーザー 映画

マリオ・プーゾの小説を原作に、フランシス・フォード・コッポラが圧倒的な迫力で映画した『ゴッドファーザー』。

1972年、1974年、さらに16年後の1990年に渡って三部作が発表され、とりわけ最初の2作は映画史に燦然と輝く名作に位置付けられています。

さまざまな人物が入り乱れる物語ですが、本記事ではコルレオーネ一族に絞って15人を選び、人物相関図、演じたキャストのプロフィール、さらにその後と現在について詳しくご紹介します。

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『ゴッドファーザー』トリロジー(三部作)について

ニューヨークを舞台に、イタリア・マフィア一族の愛憎入り混じる人間模様と権力闘争を描いたマリオ・プーゾの小説を原作に、巨匠フランシス・フォード・コッポラが三部作形式で映画化した『ゴッドファーザー』。

1972年『ゴッドファーザー』
1974年『ゴットファーザー PARTⅡ』
1990年『ゴットファーザー PARTⅢ』

1作目は、アカデミー賞作品賞・主演男優賞・脚色賞の3冠、2作目も作品賞・監督賞・助演男優賞・脚色賞・作曲賞・美術賞の6冠。オリジナルと続編の両作品が作品賞を受賞した例は、後にも先きにもありません。

唯一、評価の芳しくなかったPARTⅢですが、公開30周年となる2020年、コッポラ自身が再構成した新編集版『ゴッドファーザー<最終章>:マイケル・コルレオーネの最期』がリリースされ、多くの批評家から高い評価を得ました。

また2022年には、『ゴッドファーザー』製作の舞台裏を描いたドラマシリーズ『ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男』が配信されるなど、今再び熱い注目が集まっています。

コルレオーネ一族の人物相関図(家系図)

『ゴッドファーザー』は、コルレオーネ一族を中心に、側近や部下たち、敵対する複数のマフィアたち、政界・宗教界の人間など非常に多くの人物が登場する物語ですが、本記事では血縁のある一族に絞って以下の15人を選んでいます。



演じたキャスト15人のプロフィール/その後/現在

15人のうち、2022年8月現在、残念ながら故人が4人います。

①ヴィトー・コルレオーネ役/マーロン・ブランド

シチリアから渡米し、ニューヨークに一大マフィア・ファミリーを築き上げたドン・ヴィトー・コルレオーネを演じ、2度目のアカデミー主演男優賞受賞となったマーロン・ブランド。

1924年4月3日、ネブラスカ州オマハ生まれ。反抗的な青年期を送ったのち、姉のすすめで俳優を志すようになり、1944年にブロードウェイ・デビュー、1950年に映画デビューを果たしました。

1951年に映画『欲望という名の電車』でアカデミー主演男優賞にノミネート、1954年に『波止場』で初受賞に至り、押しも押されもせぬ世界的大スターとなります。しかし、ハリウッドきっての問題俳優として波乱のキャリアと挫折を味わうことになり、そこからの復活のきっかけとなったのが本作です。

その後は、当時ギャラ最高記録となった『スーパーマン』や、超大作『地獄の黙示録』などがありますが、自我と主張を押し通す強烈な生き方が変わることはありませんでした。当初PARTⅡにも出演する予定でしたが、ギャラが折り合わず断念に至っています。

2004年7月1日、呼吸不全と心不全によって80歳で死去。遺作は、2001年公開の『スコア』です。私生活では3度の結婚と離婚を繰り返し、11人の子どもがいますが、中には殺人や自殺など悲劇に見舞われた子どもたちもいます。

②マイケル・コルレオーネ役/アル・パチーノ

ヴィトーの三男でやがてドンとなってPARTⅡ・Ⅲの主役となるマイケルを演じたアル・パチーノは、1940年4月25日、ニューヨーク市生まれ。アクターズ・スタジオで学んで1967年に初舞台、1969年のブロードウェイ『Does a Tiger Wear a Necktie?』でトニー賞助演男優賞、同年の『ナタリーの朝』で映画デビューも果たしました。

並みいる大スターを押しのけ、マイケル役に大抜擢されると、その後は多数の作品で演技派の名にふさわしい活躍を続けます。『スケアクロウ』『セルピコ』『狼たちの午後』『スカーフェイス』『ディック・トレイシー』など、しかしオスカーは無冠のままでしたが、1992年の『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』でようやく主演男優賞に輝きました。

ロバート・デ・ニーロと共演した2019年の『アイリッシュマン』、2021年の『ハウス・オブ・グッチ』など、80歳を超えた今も相変わらずの存在感で現役です。

私生活では、ダイアン・キートンはじめ数々の女性と浮き名を流しつつ、未婚を貫いていますが、これまで子どもは3人います。2001年に女優のビヴァリー・ダンジェロとの間にもうけた長男・次女は双子です。

③ソニー・コルレオーネ役/ジェームズ・カーン

ヴィトーの長男で、気性の激しさから非業の死を遂げるソニーを演じたジェームズ・カーンは、1940年3月26日、ニューヨーク市生まれ。フットボールや空手に熱中するスポーツマンから、大学で演技に目覚めます。コッポラは当時のクラスメートでした。

1961年にブロードウェイ・デビュー、1964年に映画デビューを果たしたのち、1971年のテレビ映画でエミー賞にノミネートされ、一躍注目されました。その後の主な代表作には、映画『第二章』『ミザリー』『フォー・ザ・ボーイズ』、テレビドラマ『ラスベガス』などがあります。

2022年7月6日、心臓発作により82歳で死去。遺作は2021年の映画『Queen Bees』(日本未公開)です。私生活では、4度の結婚と離婚を繰り返し、5人いる子どもの一人スコット・カーンは俳優として活躍しています。

④トム・ヘイゲン・コルレオーネ役/ロバート・デュヴァル

12歳のとき孤児からヴィトーの養子となり、組織の顧問弁護士を務めるに至るトムを演じたロバート・デュヴァルは、1931年1月5日、カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。1952年に舞台デビューを果たしたのち、陸軍勤務を経て、1962年に『アラバマ物語』で映画デビューしました。

本トム役でアカデミー助演男優賞にノミネートされ、一躍注目されます。同じくコッポラ監督の『地獄の黙示録』で再び同賞にノミネートを果たすなど常連となり、1983年の『テンダー・マーシー』でついに主演男優賞を受賞しました。

その後も数々の作品で名優の存在感を放っているばかりか、監督としてこれまで『ディスクローズ 葬られた秘密』など4作品を手掛けています。2009年には出演および製作総指揮を務めた映画『クレイジー・ハート』が非常に高い評価を得ました。また、2014年の映画『ジャッジ 裁かれる判事』では、アカデミー助演男優賞ノミネートの最高齢記録を達成しました。

90歳を超えた今も現役で、2022年現在、最も新しい出演作は、アダム・サンドラー主演のNetflix映画『ハッスル』です。私生活では、2005年にアルゼンチン人女優と4度目の結婚をしています。子どもはいません。

⑤フレド・コルレオーネ役/ジョン・カザール

ヴィトーの気弱な二男フレドを演じたジョン・カザールは、1935年8月12日、マサチューセッツ州生まれ。本作が事実上の映画デビュー作ですが、アル・パチーノとはそれ以前から親交がありました。

コッポラ監督による1974年の『カンバセーション…盗聴…』にも出演、また1975年には『狼たちの午後』でパチーノと再共演したばかりか、ゴールデングローブ賞にノミネートされるなど俳優としても非常に高い評価を得ました。

1978年の映画『ディア・ハンター』は、撮影時から肺がんの闘病中であり、公開を待つことなく1978年3月12日、42歳の若さで死去しました。同作でも共演していたメリル・ストリープとは婚約中でした。



⑥コニー・コルレオーネ役/タリア・シャイア

ヴィトーの長女コニーを演じたタリア・シャイアは、1946年4月25日生まれ、ニューヨーク州レイクサクセス出身で、言うまでもなくフランシス・F・コッポラの実妹です。イェール大学演劇学科在学中にキャリアをスタートさせ、本作PARTⅡでは、アカデミー助演女優賞にノミネートされるなど出世作となりました。

もう一つの代表作は、言うまでもなく『ロッキー』の妻エイドリアン役です。アカデミー主演女優賞にノミネートされ、その後のシリーズにも引き続き出演しています。現在もときおり、映画やテレビドラマに出演しており、最近ではNetflixドラマ『グレイス&フランキー』にゲスト出演しました。

私生活では、最初の夫で作曲家のデヴィッド・シャイアとは離婚、再婚した映画プロデューサーとは1994年に死別しています。子どもは3人おり、俳優のジェイソン・シュワルツマンと歌手のロバート・シュワルツマンは2度目の結婚でもうけた次男と三男です。

⑦カルロ・リッツィ役/ジャンニ・ルッソ

コニーの最初の夫で、女癖の悪いカルロ・リッツィを演じたジャンニ・ルッソは、1943年12月12日、ニューヨーク市生まれ。実際、若い頃はマフィアの下っ端をしていたこともありましたが、オーディションを経て見事カルロ役を勝ち取りました。

本作以後も複数の作品に出演しましたが、俳優としては2013年以後、事実上の引退状態にあります。歌手の顔も持ち、2004年には、フランク・シナトラやディーン・マーティンの名曲をカバーしたアルバム『Reflections』をリリースしました。

2009年には自身のワイン・ブランドを手掛けたり、また2019年には回顧録『Hollywood Godfather: My Life in the Movies and the Mob』を発表したりするなど、多分野で精力的に活動しています。

⑧ケイ・アダムス・コルレオーネ役/ダイアン・キートン

マイケルの妻ケイを演じたダイアン・キートンは、1946年1月5日、ロサンゼルス生まれです。1968年にブロードウェイ・ミュージカル『ヘアー』で事実上の俳優デビュー。映画デビューとなった1970年の『ふたりの誓い』がコッポラの目に留まり、ケイ役への抜擢に繋がりました。

公私ともにパートナーだったウディ・アレンの1977年の映画『アニー・ホール』でアカデミー主演女優賞を受賞。アレンと破局後に交際していたウォーレン・ベイティとは、1981年の『レッズ』で共演しています。既述のとおり、アル・パチーノとも一時交際していましたが、PARTⅢ撮影後に破局しています。

その他の主な出演作には、映画『花嫁のパパ』『ファースト・ワイフ・クラブ』『恋愛適齢期』、ドラマシリーズ『ピウス13世 美しき異端児』などがあります。未婚を貫きつつ、一男一女の養子を迎えています。

⑨メアリー・コルレオーネ役/ソフィア・コッポラ

マイケルとケイの長女メアリーを演じたソフィア・コッポラは、1971年5月14日、ニューヨーク市生まれ。ちなみにPARTⅠでも、コニーの息子である赤ん坊役で登場しています。

PARTⅢでは、体調不良で降板したウィノナ・ライダーに代わってメアリーを演じましたが、ゴールデンラズベリー賞最低助演女優賞を受賞するなど、その演技は酷評されます。前後して、いくつかの映画に出演していますが、すべて低評価の中、監督・脚本を務めた1999年の映画『ヴァージン・スーサイズ』が高い評価を得ます。同じく2003年の『ロスト・イン・トランスレーション』は、アカデミー脚本賞など複数の賞に輝き、製作側でその才能を開花させました。

その後も、2010年の『SOMEWHERE』がヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞したほか、2020年にはビル・マーレイ主演の『オン・ザ・ロック』を発表するなど、誰もが認める若き才能として認知されています。

プライベートでは、1999年に結婚した映画監督のスパイク・ジョーンズと2003年に離婚。ロックバンド「フェニックス」のボーカリストであるトーマス・マーズと2011年に再婚し、交際中に娘を二人もうけています。

⑩アンソニー・コルレオーネ役/フランク・ダンブロシオ

マイケルとケイの長男で、のちにオペラ歌手となるアンソニーを演じたフランク・ダンブロシオは、1962年8月11日、ニューヨーク・ブロンクス生まれの歌手兼俳優です。

本作で一躍注目されたのちは、ミュージカル『オペラ座の怪人』のファントム役、バリー・マニロウのミュージカル『コパカバーナ』のトニー役などの他、自身の世界ツアーも成功させています。

2022年にはアンドレア・ボチェッリのチャリティーコンサートに出演。現在もステージに立ち続けているほか、教壇で若い世代の育成にも積極的に取り組んでいます。

⑪カルメラ・コルレオーネ役/モーガナ・キング

ヴィトーの妻でマイケルたちの母カルメラを演じたモーガナ・キングは、1930年6月4日、ニューヨーク州生まれ。女優ではなく、ジャズシンガーが本業であり、1964年にはグラミー賞の新人アーティスト賞にノミネートされたこともあります。

30以上のアルバムをリリースし、またTVショーなどでも活躍しましたが、1993年に引退を表明。2018年3月22日、老衰により87歳で死去しています。

ちなみに、若き日のカルメラを演じたのは、フランチェスカ・デ・サピオ。1945年8月16日、ローマに生まれましたが、父が建築家だったこともあって渡米し、アクターズ・スタジオで演技を学びました。現在は、母国イタリアで俳優業を続けています。

⑫アポロニア・コルレオーネ役/シモネッタ・ステファネッリ

マイケルが身を隠していたシチリア島で出会い、最初の妻となるも悲劇を迎えるアポロニアを演じたシモネッタ・ステファネッリは、1954年11月30日、ローマ生まれ。

本作の翌年の1973年、プレイボーイ誌でヌードを披露したこともあって、ハリウッドで肉体派の役柄ばかり求められることに嫌気がさし、母国イタリアを中心に活動するようになりました。70年代半ばに、俳優ミケーレ・プラチドとの結婚・出産で一時休業、80年代に復帰するも、1992年に俳優業を引退しました。

3人の子どものうちの一人、ヴィオランテ・プラシドは女優・歌手として活躍しています。

⑬アンドリュー・ヘイゲン役/ジョン・サヴェージ

トム・ヘイゲンの息子で、聖職の道に進むアンドリューを演じたジョン・サヴェージは、1949年8月25日、ニューヨーク州オールド・ベスページ生まれ。本作以前の70年代からすでに、テレビ映画『エリックの青春』、映画『ディア・ハンター』や『ヘアー』で演技派として高く評価されていました。

以後も、200を超える映画やテレビドラマに出演する名バイプレーヤーとして活躍し、今も現役です。代表的な作品には、映画『クロッシング・ガード』『シン・レッド・ライン』、テレビドラマ『ダーク・エンジェル』などがあります。

私生活は、女優のスーザン・ヤングスと結婚し、一男一女をもうけていますが離婚。1993年に女優のサンディ・シュルツと再婚するも、こちらも2003年に離婚に終わっています。

⑭ヴィンセント・マンシーニ役/アンディ・ガルシア

長男ソニーが愛人との間にもうけた私生児であり、後にマイケルの跡を継ぐヴィンセントを演じたのはアンディ・ガルシア。1956年4月12日、キューバのハバナに生まれましたが、5歳のとき一家でマイアミに移住しています。

フロリダの大学で演技を学び、ハリウッドに移ってからいくつかの作品に端役で出演。1987年の映画『アンタッチャブル』、1989年の『ブラック・レイン』でブレイクを果たしました。本ヴィンセント役で、アカデミー助演男優賞にノミネートされています。

近年の当たり役は、2001年の『オーシャンズ11』とその後のシリーズで演じたカジノオーナー役。他には、映画『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』やAmazonプライムドラマ『モダン・ラブ』なども話題になりました。

派手なりがちな映画スターには珍しく、1982年に結婚した妻と今も一緒で子どもが4人います。



⑮ヴィトー・コルレオーネ役/ロバート・デ・ニーロ

若い頃のヴィトーを演じてアカデミー助演男優賞を受賞し、大きく飛躍したロバート・デ・ニーロ。もとはマイケル役の候補でしたが、アル・パチーノに奪われ、しかしコッポラに気に入られてPARTⅡへの抜擢に繋がりました。

1943年8月17日、ニューヨーク市生まれ。アクターズ・スタジオで学びながら、いくつかの作品に端役で出演し、本作前年の1973年の『ミーン・ストリート』でニューヨーク映画批評家協会賞助演男優賞を受賞し、注目されました。

『ゴッドファーザーPARTⅡ』以降の活躍ぶりについては言うまでもありません。『タクシードライバー』、アカデミー主演男優賞に輝いた『レイジングブル』、『ディア・ハンター』『レナードの朝』『世界にひとつのプレイブック』『アイリッシュマン』などはそのごく一部で、いまだ複数の新作が控えています。

私生活では、女優ダイアン・アボットとの結婚と離婚、モデルとの交際、女優グレイス・ハイタワーとの再婚と離婚を通し、養子含めて合計6人の子どもがいます。

『ゴッドファーザー』ファン必見の『ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男』

2023年1月現在、『ゴッドファーザー』三部作は、AmazonプライムビデオやU-NEXT等で配信されていますが、おすすめはU-NEXTです。

2022年製作のドラマシリーズ『ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男』が、独占見放題で配信されているためです。

こちらは、『ゴッドファーザー』製作の舞台裏を描いたもので、全10話から構成されるファン必見の作品となっています。

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※情報は2023年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

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