ペドロ・アルモドバルのミューズ9人、出演映画数ランキング【ペネロペ・クルスら】

ペドロ・アルモドバル・ミューズ 映画

スペイン映画を代表する巨匠の一人、ペドロ・アルモドバル。

2020年には自伝的映画『ペイン・アンド・グローリー』が高い評価を得たのも記憶に新しいところです。

さて、そんなペドロ・アルモドバルは、男優・女優ともお気に入りの俳優を繰り返しキャスティングすることでも有名です。

本記事では、中でも「アルモドバルのミューズ」とも「アルモドバル・ガール」とも呼ばれる女優たち9人を、2020年現在の出演作品数によるランキング形式で発表したいと思います。

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ペドロ・アルモドバル(Pedro Almodóvar)のプロフィール

ペドロ・アルモドバルは、1980年に『ペピ、ルシ、ボンとその他大勢の娘たち』で長編映画デビュー。

7作目の『神経衰弱ぎりぎりの女たち』でヴェネツィア国際映画祭脚本賞受賞、13作目の『オール・アバウト・マイ・マザー』でアカデミー外国語映画賞、16作目の『ボルベール〈帰郷〉』で、カンヌ映画祭脚本賞と主演女優賞など、スペイン本国のみならず、世界で高い評価を得て、巨匠の地位を不動のものとしました。

詳しいプロフィールや全監督作品の紹介は別の記事にまとめましたのでご参照ください。

「アルモドバル・ミューズ」の出演数ランキングTOP9

男優ではアントニオ・バンデラスハビエル・カマラらが、アルモドバルのお気に入り……。

しかし、女性を描く作品が多いことから、やはり女優陣においてその傾向は顕著です。

下位から順に発表するとともに、それぞれのキャリアやプロフィールについて紹介します。

9位:ベロニカ・フォルケ(Verónica Forqué)

出演作品数:3

『グロリアの憂鬱』
『マタドール』
『キカ』

『キカ』でヒロインを演じたベロニカ・フォルケは、1955年12月1日、マドリッド生まれ。1972年に映画『マイ・ディアレスト・セニョリータ』(日本未公開)で女優デビューし、『キカ』では、見事にゴヤ賞主演女優賞に輝きました

父・実弟とも映画監督であるばかりか、1981年に結婚したマニュエル・イボーラも映画監督です。一女をもうけたものの、2014年に離婚しています。

本国スペインではコンスタントに映画・ドラマに出演を続けており、新しい作品では、大ヒットしたコメディ映画『OCD ~メンタル・クリニックは大騒ぎ~』が日本でもNetflixから配信されています。

7位(同数):ロラ・ドゥエニャス(Lola Dueñas)

出演作品数:4

『トーク・トゥ・ハー』
『ボルベール〈帰郷〉』
『抱擁のかけら』
『アイム・ソー・エキサイテッド!』

アルモドバル作品では、常に主役ではないものの、妙に不思議な存在感を残すロラ・ドゥエニャスことマリーア・ドローレス・ドゥエニャス・ナバーロは、1971年10月6日生まれのバルセロナ出身です。2019年に他界した父親のニコラス・ドゥエニャスも、スペインでは有名な俳優でした。

1998年にテレビ映画『Mensaka』でデビュー。『ボルベール〈帰郷〉』で、他の女性キャストとともにカンヌ国際映画祭女優賞を受賞しました。

2004年にはハビエル・バルデムが主演した『海を飛ぶ夢』でラジオDJのロサを演じ、ゴヤ賞主演女優賞に輝くなど、人気と演技力を兼ね備えた個性派女優として活躍しています。

7位(同数):ビクトリア・アブリル(Victoria Abril)

出演作品数:4

『欲望の法則』
『アタメ』
『ハイヒール』
『キカ』

『アタメ』ではポルノ女優、『ハイヒール』ではシャネルを颯爽と着こなすヒロインのニュースキャスターを演じたビクトリア・アブリルは、1959年7月4日生まれのマドリッド出身です。

1974年に映画デビューしたあと、1976年の映画『セックス・チェンジ』で性転換手術に踏み切るトランスジェンダーを演じて一躍有名になりました。女優のほか、歌手・司会とマルチな才能を発揮し、またスペインのみならずフランスやアメリカにも活動の場を広げて成功しています。

1983年のフランス映画『溝の中の月』などで2度セザール賞助演女優賞にノミネートされたほか、1991年のスペイン映画『アマンテス/愛人』ではベルリン国際映画祭銀熊賞に輝きました。

プライベートでは、1977年にチリ人サッカー選手のグスタボ・ローブと結婚したものの1982年に離婚。同年より、フランス人撮影監督ジェラール・ド・バティスタと事実婚状態にあり、二男をもうけています。

6位:マリサ・パレデス(Marisa Paredes)

出演作品数:5

『バチ当たり修道院の最期』
『ハイヒール』
『私の秘密の花』
『オール・アバウト・マイ・マザー』
『私が、生きる肌』

『オール・アバウト・マイ・マザー』の大女優ウマ役が印象的だったマリサ・パレデスは、 1946年4月3日、マドリッドに生まれました。1960年、14歳のときに映画デビューし、若い頃はアイドル女優として絶大なる人気を誇りました。

アルモドバルに見いだされたことで、スペインのみならず世界的にその名が知られることになります。アカデミー賞を受賞したイタリア映画『ライフ・イズ・ビューティフル』にも出演しています。

1996年にはスペイン文化省から映画国民賞を授与されたほか、2000年から2003年までスペイン映画芸術アカデミーの会長を務めるなど、母国映画界の重鎮でもあります。

長らくパートナーだった映画監督アントニオ・イサシ=イサスメンディ(2017年他界)との間にもうけた娘マリア・イサシも女優です。映画関係者のケマ・プラドが、1983年以来、公私に渡るパートナーとして知られています。

4位(同数):フリエタ・セラーノ(Julieta Serrano)

出演作品数:6

『ペピ、ルシ、ボンとその他大勢の娘たち』
『バチ当たり修道院の最期』
『マタドール』
『神経衰弱ぎりぎりの女たち』
『アタメ』
『ペイン・アンド・グローリー』

『神経衰弱ぎりぎりの女たち』で見せたような、キレたエキセントリックな女を演じさせたらピカイチの女優フリエタ・セラーノは、1933年1月21日生まれのバルセロナ出身です。

1950年代から劇団所属女優としてさまざまな舞台を踏んでキャリアを積んだのち、60年代以降、映画界に進出しました。アルモドバルのほか、同じく世界的に有名なベントゥーラ・ポンス監督作品にも多数出演しています。

2018年には、スポーツ文化省から国立劇場賞を授与されました。またアルモドバルの最も新しい映画『ペイン・アンド・グローリー』では、最高齢記録となるゴヤ賞最優秀助演女優賞に輝くなど、80歳半ばを超えてなお現役で活躍しています。

4位(同数):ペネロペ・クルス(Penélope Cruz)

出演作品数:6

『ライブ・フレッシュ』
『オール・アバウト・マイ・マザー』
『ボルベール〈帰郷〉』
『抱擁のかけら』
『アイム・ソー・エキサイテッド!』
『ペイン・アンド・グローリー』

最新作『ペイン・アンド・グローリー』含む、後期アルモドバル作品の主役を飾る女王と言えば、間違いなくペネロペ・クルスです。

1974年4月28日生まれのマドリッド州アルコベンダス出身で、1992年に『ハモンハモン』で映画デビューしています。

『オール・アバウト・マイ・マザー』で世界的に知られてハリウッドに進出してからの、めざましい活躍ぶりは言うまでもありません。2006年の『ボルベール〈帰郷〉』カンヌ国際映画祭女優賞、2008年のウディ・アレン監督作『それでも恋するバルセロナ』では、スペイン人女優初となるアカデミー助演女優賞に輝きました。

プライベートでは、トム・クルーズらさまざまなスターとの恋愛遍歴を経て、2010年7月に俳優のハビエル・バルデムと結婚しました。二人は一男一女をもうけています。

2位(同数):ロッシ・デ・パルマ(Rossy de Palma)

出演作品数:7

『欲望の法則』
『神経衰弱ぎりぎりの女たち』
『アタメ』
『キカ』
『私の秘密の花』
『抱擁のかけら』
『ジュリエッタ』

独特の容姿を持ち、一目で強烈な印象を残すロッシ・デ・パルマは、1964年9月16日 生まれで、パルマ・デ・マヨルカ出身です。マドリッドにおいて、「Peor Impossible」という名のバンドで歌手兼ダンサーとして活動していたところを、アルモドバルによって見出されました。

『神経衰弱ぎりぎりの女たち』で一躍世界的な注目を集めます。女優として1994年のロバート・アルトマン監督作『プレタポルテ』に抜擢されたほか、ジャン=ポール・ゴルチエやティエリー・ミュグレーのモデルとしても活躍、2007年には自身の香水を発表するなど、マルチな活躍ぶりをみせています。

2人の子どもがおり、現在はフランス・パリを拠点に活動しています。

2位(同数):カルメン・マウラ(Carmen Maura)

出演作品数:7

『ペピ、ルシ、ボンとその他大勢の娘たち』
『バチ当たり修道院の最期』
『グロリアの憂鬱』
『マタドール』
『欲望の法則』
『神経衰弱ぎりぎりの女たち』
『ボルベール〈帰郷〉』

ペネロペ・クルスが後期アルモドバル作品の女王だとしたら、前期不動の女王は間違いなくカルメン・マウラです。 1945年9月15日、マドリッドの裕福な名家に生まれたカルメン・マウラは、パリの名門エコール・デ・ボザールで哲学と文学を学びました。

1970年に女優デビュー。複数のドラマや映画出演を経て、1980年、アルモドバルの長編処女作『ペピ、ルシ、ボンとその他大勢の娘たち』に出演し、以後、不動のミューズとして計6作品に出演しました。

『神経衰弱ぎりぎりの女たち』を最後に、二人は仲たがいします。10年のブランクを経て復帰した『ボルベール〈帰郷〉』のタイトルは、カルメン・マウラとの和解を暗示しているとも言われています。

ゴヤ賞主演女優賞はこれまで3度受賞しており、最多記録を誇ります。2010年にはフランスのコメディ映画『屋根裏部屋のマリアたち』でセザール賞助演女優賞に輝きました。

プライベートでは、1964年に弁護士のフランシスコ・フォルテサと結婚し、一男一女をもけたものの1970年に離婚しています。

1位:セシリア・ロス(Cecilia Roth)

出演作品数:8

『ペピ、ルシ、ボンとその他大勢の娘たち』
『セクシリア』
『バチ当たり修道院の最期』
『グロリアの憂鬱』
『オール・アバウト・マイ・マザー』
『トーク・トゥ・ハー』
『アイム・ソー・エキサイテッド!』
『ペイン・アンド・グローリー』

アルモドバルのデビュー作から新作に至る合計8作品に出演し、堂々1位に輝いたのはセシリア・ロスです。1956年8月8日生まれで、アルゼンチン・ブエノスアイレス出身。ユダヤ系の両親は父が作家、母が歌手でした。

アルゼンチンにいたころ女優活動をスタートさせ、1975年、一家でスペインに移住してからいよいよキャリアを本格化させます。アルモドバルはもちろん、ホセ・ルイス・ガルシ、イバン・スルエタらさまざまな監督と組んで、人気女優の地位を築きました。

90年代以降は、アルゼンチンとスペイン両国を股にかけ、女優活動を行っています。アルモドバルが製作に携わった2019年のアルゼンチン映画『永遠に僕のもの』は、日本でも公開されて話題をよびました。

プライベートでは、アルゼンチン人男性と3度の結婚・離婚を経験。最初は1989年にサッカー選手ゴンサロ・ギルと、2度目は1992年にシンガーソングライターのフィット・パエスと、3度目は2009年に俳優のゴンサロ・エレディアと再婚していますが1年で離婚しました。2度目の結婚のとき、息子を一人養子に迎えています。

独特の存在感を放つアルモドバルのミューズたち

アルモドバルのミューズたちをこうして並べてみると、何やら共通点がありそうです。

ただ美しいだけではなく、強い自意識を感じ、独特の個性と存在感を放つ女たち……。

だから選ばれたのか、あるいはアルモドバルによって引き出されたのかはわかりませんが、みな、女優であると同時に一人の女性として輝いて見えます。

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