『ルポールのドラァグレース』を襲った10大事件・スキャンダル

ルポールのドラァグレース10大事件 その他

2009年にスタートし、2021年現在まで13のシーズンを配信している人気リアリティ・ショー『ル・ポールのドラァグ・レース』。

それだけの長い歴史を誇り、つまり150人近い個性的なドラァグ・クイーンたちが出演したきたことで、当然のことながら、これまで大小さまざまなスキャンダルやトラブルに見舞われてきました。

そんな中から、記憶に残る10大事件を、主観的視点で選んでみました。

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13年めを迎えた『ル・ポールのドラァグ・レース』

2009年から2021年までシーズン13を数える『ル・ポールのドラァグ・レース』。選抜メンバーによるリベンジレース『オールスターズ』もシーズン6まで、さらにいくつかの派生番組が製作されるなど、社会現象をもたらしたと言っても差し支えないほどの超人気番組です。

過去の優勝者一覧と彼女たちのその後については下記の記事をご覧ください。

13年もの長い放送期間を考えると、さまざまな事件やスキャンダルに見舞われるのは、ある意味、致し方ないことでしょう。

中から、独断と偏見で10の出来事を選んでみました。なるべく時系列になるよう並べたものであり、ランキング的な意味はありません。

1.トラブルメーカーのタイラ・サンチェス引退

正統派ブラック・ビューティーで見事シーズン2の栄冠を勝ち取ったタイラ・サンチェスですが、その後はトラブルメーカーという不名誉な称号を与えられてしまいます。

2016年にはTwitter上でファンに対して暴言を吐いて炎上、2017年にはモーガン・マクマイケルズをはじめとする他のドラァグ・クイーンとの確執が露呈、2018年にはル・ポールが主催するイベント「DragCon」に対して過激なアンチ行動をとるなど、次々と問題や騒動を起こしてきました。

2019年10月には、これまでの数々のトラブルに対し謝罪コメントを発表しましたが、半年もたたない2020年3月、突然、ドラァグ・クイーンからの引退を表明しました。

2.トランスジェンダーに対する発言でル・ポールが謝罪

2018年、ル・ポールはザ・ガーディアン紙のインタビューで、「おそらく今後、完全なトランスジェンダーの女性は番組に出場させない」と発言して炎上し、すぐに謝罪する事態に至りました。

これ以前にも、シーズン3に出場し、のちにトランスジェンダーであることを公表したカルメン・カレラらから、番組内で「tranny」や「shemale」という単語を使うのは差別だと批判されたことがあります。

またシーズン6に出場し、のちにトランスジェンダーであることを公表した日系ドラァグ・クイーンのジア・ガンも、「オールスターズ」シーズン4に出場したとき、トランスジェンダーの件でル・ポールと口論になったものの、それは放送からカットされたことを公表しました。

ちなみに、トランスジェンダーの女性として、番組に出場し続けた最初のドラァグ・クイーンはシーズン9のペパーミントです。

3.トランプ侮辱ミュージカルが賛否両論で炎上

シーズン11のエピソード4で、ドラァグ・クイーンたちが演じることになったのは、当時の大統領ドラナルド・トランプを徹底的の侮辱する内容のパロディ・ミュージカル「Trump: The Rusical」でした。

ル・ポールはもちろん、アメリカのショービジネス界やLGBTQ界は、リベラルな民主党支持者が圧倒的に多く、また日本のような放送法なるものが存在しないゆえ、番組が特定の政治的姿勢を明確に出すことはよくあることです。

しかしながら、一部から強い批判があがったのは、もしかしてドラァグ・クイーンの中にも共和党支持者がいるかもしれないのに、それを拒絶し、出演者全員にトランプ批判劇を強制した点にありました。多様性や差別反対を重視すべき番組が、それと正反対のことをするのはやり過ぎだと、一部リベラル派さえからも戸惑いの声があがりました。

4.二人のドラァグ・クイーンが死去

残念ながら、これまで出演したドラァグ・クイーンたちのうち、2人が若くして他界しています。

一人はシーズン2に出場したサハラ・ダベンポート。2012年10月1日、心不全により27歳の若さで急死しました。シーズン3に出場したマニラ・ルゾンと6年もの間、恋人関係にあったことは有名です。

もう一人は、シーズン8と「オールスターズ」シーズン3に出場したチチ・ディヴァイン。2020年8月20日、腎不全から肺炎を起こし34歳でこの世を去りました。

ル・ポールはじめ、たくさんのドラァグ仲間や番組の審査員たちが、それぞれのSNSで追悼コメントを寄せるなど、その人柄で皆から愛されたクイーンでした。

5.シェリー・パイが不祥事で失格

シーズン12に出場し、有力な候補者の一人とめされていたシェリー・パイですが、エピソード2が全米で放送されるタイミングでスキャンダルが明るみに出ます。

偽名を使用し、キャスティング・プロデューサーになりすまして複数の男性をだまし、性的なビデオをおくらせたりしていたことがスクープされ、本人もそれを認めたのです。

シェリー・パイは失格となりましたが、シーズン12は収録が終了していたため、以後、彼女の登場シーンは可能な限りカットされ、毎エピソードごとにそのことがアナウンスされるという異例の事態に至りました。



6.Netflix『AJ&クイーン』がシーズン1で打切り

ル・ポール主演により、鳴り物入りで製作されたNetflixオリジナルドラマ『AJ&クイーン』。

男に騙され、全財産を失ったドラァグ・クイーンと一人の孤独な子どもの旅を描くロードムービーであり、多数のドラァグ・クイーンたちも登場する話題作として、2020年1月、全10話で配信されました。

ところが、ふたを開けてみると異例の不評が大勢を占め、当初予定していたシーズン2の更新が早々と打ち切られるという事態に至りました。一部では、ル・ポール自身の演技力のなさまでささやかれることに……。

シーズン6で優勝したビアンカ・デル・リオが主演した映画『ハリケーン・ビアンカ』が続編まで製作されたことを考えると、師匠であるル・ポールにとって少々くやしい結果になってしまいました。

7.新型コロナウイルスの影響で異例のリモート・ファイナル

新型コロナウイルスが猛威をふるっていた2020年に開催されたシーズン12のグランド・ファイナルは、これまでのLAの大劇場ではなく、ドラァグ・クイーンも審査員たちも全員がリモート参加という異例の事態に至りました。

決勝に残ったジャイダ・エッセンス・ホール、ジジ・グッド、クリスタル・メシッドの3人が自宅でラスト・パフォーマンス! ジャイダ・エッセンス・ホールが見事栄冠を勝ち取りました。

しかしながら、シーズン12は、上記で述べたシェリー・パイの失格事件などあり、また視聴率もこれまでと比べてふるわず、ネガティブなレッテルを貼られたシーズンとなってしまいました。

8.シャロン・ニードルズの未成年者虐待疑惑

強烈な個性とパフォーマンスでシーズン4の優勝者となったシャロン・ニードルズ。シーズン5に出場したアラスカと4年間恋人関係にあったこと、シーズン10で優勝したアクエリアのドラァグ・マザーであることなども有名ですが、2020年7月、突然スキャンダルが勃発します。

15歳のときから2年ほど友人関係にあったというファンが、当時、未成年者であったにも関わらず、シャロン・ニードルズからお酒や薬、さらに裸の露出を強要され、そのせいで心を病んだと告発したのです。

この件に関し、シャロン・ニードルズ本人は否定も肯定も、一切のコメントを発表していません。同ファンが、アクエリアも自分たちと同じ被害者の一人だと言及しましたが、アクエリア自身はそれを否定しています。

9.番組初のトランス男性、ゴットミクが出演!

シーズン13に、ついに番組初となるトランスジェンダーの男性であるゴットミクが出演し、大きな話題になりました。おそらく、上記で言及したル・ポールによるトランスジェンダーに対する一連の謝罪とも、無関係とは言えないでしょう。

ゴットミクは、番組内で、乳房除去手術の傷痕も隠さず、堂々した姿が好評を博したばかりか、洗練された衣装とメイクで見事トップ4に残り、グランド・ファイナルに出演するという快挙を成し遂げています。

また、プロのメイクアップアーティストとしても活躍しており、これまで担当した顧客にはシンディ・クロフォード、パリス・ヒルトン、ハイディ・クルムなど多数の有名セレブが名を連ねています。

10.ソジュの性的暴行疑惑と引退

シャロン・ニードルズに続き、シーズン11に出場した韓国系ドラァグ・クイーンのソジュにも、性的暴行疑惑が露呈します。

2021年1月、Twitter上で一人の青年が、17歳だった2016年から2年間ほどソジュによって性的暴行を受けていたというツイートをしてそれが拡散。すると、他の被害者も複数、同様の被害を申し出る事態に至ったのです。

これに対し、ソジュはOUT誌の取材に答え、弁護士と相談中だとしながらも、これら青年から金銭を要求されて脅迫され、その証拠写真もあるとコメントしました。

事実関係は明らかになっていませんが、2021年3月9日、ソジュはドラァグ・クイーンから完全に引退することを表明しました。

『ル・ポールのドラァグ・レース』の大きな影響力!

こうして10大事件・スキャンダルを並べてみると、なかなかに波乱の多い番組であることがわかります。

しかし中には、自ら罪を認めたシェリー・パイとは違い、シャロン・ニードルズやソジュの件など、被害者側の一方的な告白でしかなく、真偽が明らかでないものもあります。

また、ル・ポールのトランスジェンダーに対する発言も、昨今議論になっているスポーツ競技におけるトランスジェンダーの参加問題と同様、差別ではなく区別するという問題提起だった可能性もあります。

いずれにせよ明らかなのは、『ル・ポールのドラァグ・レース』がそれだけ影響力のある番組だということ、そしてル・ポール自身がカリスマ的存在であるかの証だと言うことでしょう。

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