ルポールのドラァグレース:UK/カナダ他各国版の優勝者たち

ルポールのドラァグレースUK その他

2009年にスタートし、2026年現在まで18のシーズンが配信・放送されている、アメリカの大人気番組『ル・ポールのドラァグ・レース』。

ドラァグ界のカリスマ、ル・ポールをホストに、毎回、十数人のドラァグクイーンたちが出場し、勝ち残り形式で個性を競い合うリアリティ番組です。

今では、本国アメリカからぞくぞくと輸出され、世界各地で各国版ドラァグ・レースが放送中! そんな中から比較的長く継続しているUK、カナダ、タイ、ニュージーランド/オーストラリア版でこれまで優勝したクイーンをご紹介しましょう!

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各国に拡がる『ル・ポールのドラァグ・レース』

日本では、本国版以外、なかなか視聴する機会がないためあまり知られていませんが、2026年現在、米国以外15を超える国々でその国独自のドラァグ・レースが放送されています。

以下、早いスタート順に並べてみます。

チリ「The Switch Drag Race」:2015年にスタートし、2018年まで2つのシーズンが放送されました。チリのみならず、アルゼンチンやウルグアイ、ブラジル出身のクイーンたちが出場しましたが、新シーズンの更新は発表されていません。

タイ「Drag Race Thailand」:2018年にシーズン1、2019年にシーズン2、2024年にシーズン3が放送されて人気を博しました。ドラァグクイーンの本場だけあって人材には事欠きません。フィリピンや香港のクイーンたちも出場しました。

英国「RuPaul’s Drag Race UK」:2019年にシーズン1が放送され、2025年まで7つのシーズンが放送されました。ル・ポール自身とミシェル・ヴィサージュが審査員としてレギュラー出演するなど、本家に最も近い形です。シーズン3ではエルトン・ジョンがスペシャルゲストとして登場しました。

カナダ「Canada’s Drag Race」:2020年にシーズン1が放送され、2026年にはシーズン7が放送予定です。米国版のシーズン11に出場したカナダ人クイーン、ブルック・リン・ハイツが審査員の一人を務めています。

オランダ「Drag Race Holland」:2020年にスタートし、2021年にシーズン2が放送されました。

ニュージーランド/オーストラリア「Drag Race Down Under」:2021年にシーズン1を放送。オリヴィア・ニュートン・ジョンがスペシャルゲストとして登場しました。当初は「RuPaul’s Drag Race Down Under」のタイトルでしたが、ル・ポールがホストを降り、単に「Drag Race Down Under」に変わりました。2024年にシーズン4を放送しました。

スペイン「Drag Race España」:2021年からこれまで2つのシーズンが放送され、すでにシーズン3の更新も決定しています。

イタリア「Drag Race Italia」:2021年にシーズン1、2022年にシーズン2、2023年にシーズン3が放送されました。

フランス「Drag Race France」:2022年にシーズン1が放送され、2026年中にシーズン4の放送予定です。

フィリピン「Drag Race Philippines」:2022年にシーズン1が放送され、2026年中にシーズン4の放送予定です。

ベルギー「Drag Race Belgique」:2023年にシーズン1、翌年シーズン2が放送されました。

スウェーデン「Drag Race Sverige」:2023年にシーズン1が放送され、初代勝者が決定しました。

ドイツ「Drag Race Germany」:2023年にシーズン1が放送されました。

ブラジル「Drag Race Brasil」:2023年にシーズン1、2025年にシーズン2が放送されました。

メキシコ「Drag Race México」:2023年にシーズン1、2024年にシーズン2、さらにシーズン3が製作準備中です。

南アフリカ「Drag Race South Africa」:2024年にアフリカ発の製作が公式発表され、シーズン1を準備中です。

英国・カナダ・タイ・ニュージーランド/オーストラリア版の優勝者を紹介!

本国アメリカ版の優勝者一覧については、下記の記事をご覧ください。

以下は、2026年7月現在の情報に基づいたものです。

【英国】『RuPaul’s Drag Race UK(ル・ポールのドラァグ・レースUK)』

シーズン1(2019):ザ・ヴィヴィアン/The Vivienne

年齢非公表で、名前の由来は、大好きだという英国人デザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッドから……。2015年に『ル・ポールのドラァグ・レース』のUKアンバサダーに選ばれており、見事初代勝者になりました。

2016年の映画『アブソリュートリー・ファビュラス・ザ・ムービー』に出演していたほか、2020年にはBBCのドキュメンタリーシリーズ『The Vivienne Takes on Hollywood』が放送されるなど、英国を代表する人気クイーンの一人です。2019年に同性婚を挙げています。

シーズン2(2021):ローレンス・チェイニー/Lawrence Chaney

ローレンス・チェイニーは、1996年10月16日生まれ、スコットランドのグラスゴー出身です。1000の顔を持つと言われていたサイレント時代の映画スター、ロン・チェイニーが名前の由来です。

シーズン2の12人の候補者の中から勝ち抜き、タイ版以外では初のプラスサイズの優勝クイーンとなりました。

シーズン3(2021):クリスタル・ベルサーチ/Krystal Versace

13歳のときにドラァグを始めたというクリスタル・ベルサーチは、シーズン3でドラァグ・レース史上最年少の19歳で優勝しました。

シーズン4(2022):ダニー・ベアード/Danny Beard

リバプール生まれのクイーン、ダニー・ベアードが4人目の勝者となりました。その名の通り、ときに髭を残したままの女装姿が独特の個性を放つクイーンです。

人気のタレント発掘番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』にも出演経験があります。

シーズン5(2023):ジンジャー・ジョンソン/Ginger Johnson

ランチェスター生まれで、大学生の頃からドラァグをはじめました。

「ハリウッド黄金時代の素晴らしく情熱的な赤毛の女性たち」がインスピレーションの源。2025年には英国の人気料理コンペティション番組「マスター・シェフ」に出場し、こちらでも優勝しました。

シーズン6(2024):カイラン・スラックス/Kyran Thrax

ランカシャーを拠点に活動するドラァグクイーンがカイラン・スラックスです。見事シーズン6の栄冠を勝ち取りましたが、13歳のとき性的虐待の被害者となった過去を公表しています。

シーズン7(2025):ボーンズ/Bones

マンチェスター近郊の小さな村に生まれ、18歳の時にロンドンに移住したボーン。「ボーン」の由来は男性でも女性でもない名前にしたかったから…。同じくドラァグクイーンフレッシュとコンビを組んで、ソーホーの舞台に立っています。



【カナダ】『Canada’s Drag Race(カナダ・ドラァグ・レース)』

シーズン1(2020):プリヤンカー/Priyanka

カナダ版の初代優勝者となったプリヤンカーは、1991年5月28日、オンタリオ州ウィットビーに暮らすインドとガイアナ系一家の生まれです。

2013年から子供向け番組『The Zone』やリアリティ番組『The Next Star』のホストとして広く知られており、2017年になってドラァグクイーンとしての活動をスタートさせました。

優勝後は、「ゲイタイムズ」誌の表紙を飾ったり、「ソーダストリーム」や「ショッパーズ・ドラッグ・マート」と言った有名企業の広告に登場したりするなど、トロントを拠点に、めざましい活躍をしています。

シーズン2(2021):アイシス・クチュール/Icesis Couture

2019年のシーズン2で優勝したアイシス・クチュールは、その勢いのまま、2020年には故郷のオタワで開催された「Miss Capital Pride」でも優勝しました。

シーズン3(2022):ジゼル・ララバイ/Gisèle Lullaby

モントリオール出身のフランス系カナダ人、ジゼル・ララバイが3人目の勝者になりました。

シーズン4(2023):ヴィーナス/Venus

バンクーバーを拠点に活動し、ノンバイナリーのドラァググループ「ENBY6」のメンバーでもあります。カナダの先住民メティス族の血をひいています。

シーズン5(2024):ザ・ヴァルゴ・クィーン/The Virgo Queen

トロントを拠点に活動し、以前にはカナダのタレントスカウト番組「The Next Star」のファイナリストに選ばれたこともあります。

シーズン5(2025):ファン・ゴッホ/Van Goth

オンタリオ州リッチモンドヒル出身で、現在はトロントを拠点に活動中。HIV+であることを公表し、2026年には、トロントで開催されたエイズの追悼集会で司会を務めました。



【タイ】『Drag Race Thailand(ドラァグ・レース・タイランド)』

シーズン1(2018):ナタリア・プリアカム/Natalia Pliacam

初代優勝者となったナタリア・プリアカムは中華系タイ人であり、ドラァグクイーンの顔とは別に、バンコクで棺の製造会社を経営する異色派です。

ドラァグを始めたのは2006年。有名なミス・ページェントで優勝した経歴もあります。また、ダンスを得意としており、大学で聴覚障害者の学生に10年間ほどダンスを教えていました。

シーズン2(2019):アンジェレ・アナン/Angele Anang

アンジェレ・アナンは、トランスジェンダーとして、全世界の「ドラァグ・レース」番組史上初の優勝者となりました。

ナコーンラーチャシーマー県生まれ、アユタヤ育ち。薬物依存を克服した過去があります。ビヨンセの物まねを得意としており、「タイのビヨンセ」の異名を持っています。

シーズン3(2024):フランキー・ワンガ/Frankie Wonga

3つのチャンレジで勝者となり、シーズン3の栄冠を勝ち取りました。バンコクを拠点に活動しています。



【ニュージーランド/オーストラリア】 『Drag Race Down Under(ドラァグ・レース・ダウン・アンダー)』

シーズン1(2021):キタ・ミーン/Kita Mean

キタ・ミーンは、1986年4月14日生まれ、ニュージーランドのオークランド出身のドラァグクイーンです。

ニュージーランドで2018年から2020年まで放送された人気リアリティ番組『House of Drag』の審査員として広く知られており、その実力通り、初代クイーンに輝きました。

シーズン2(2022):スパンキー・ジャクゾン/Spankie Jackzon

ニュージーランドのパーマストンノースを拠点に活躍するスパンキー・ジャクゾンがシーズン2の栄冠を勝ち取りました。

キタ・ミーン同様、『House of Drag』でもクイーンを勝ちとっています。

シーズン3(2023):アイシス・エイビス・ローレン/Isis Avis Loren

シーズン3の栄冠を勝ち取る前、2019年のメルボルン・ドラァグ・アワードで最優秀衣装賞とミス・コンジニアリティ賞を受賞し、注目されたドラァグクイーンです。現在もメルボルンを拠点に活動しています。

シーズン4(2024):レイジー・スーザン/Lazy Susan

本名で映画監督としても活動中のドラァグクイーンです。トロイ・シヴァンのミュージックビデオに出演したこともあります。監督デビュー作『Skin Side Up』は2025年のカンヌ国際映画祭でも上映されました。

各国版の配信・視聴方法は?

日本において、かつては本国版がNetflixで配信されていましたが、今はそれも停止。ましてや、各国版はなかなか視聴する機会がありません。

どうしても視聴したい方におすすめしたいのは、アメリカの制作会社World of Wonderの定額動画配信サイト 「WOW Presents Plus」。日本語の字幕はつきませんが、ほとんどすべての各国版を視聴できます。

日本からも登録でき、1か月無料トライアルもあります。

『ル・ポールのドラァグ・レース』日本版の製作予定は?

残念ながら、日本版の製作の予定はありません。

マツコ・デラックスやミッツ・マングローブ、ナジャ・グランディーヴァら、テレビで大活躍するドラァグクイーンも少なくありませんが、もしや、十数人の候補を集めて、数シーズン製作するほどの層の厚さはないのでしょうか?

ここでご紹介した各国版も、そのあたりが大きな壁になりそうです。

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