ブロードウェイ・ミュージカルのスター女優10人【代表作・キャリア】

ブロードウェイ・ミュージカル・スター その他

数々の大スターを産んできたブロードウェイ・ミュージカル。ときおり、日本公演が行われる作品もありますが、なかなか気軽に観ることのできない憧れの舞台です。

華やかな作品ばかりか、その舞台に立つスターについても、日本では、ハリウッドの映画スターほど、なじみがないかもしれません。しかし、本場米国では、映画スターとは違う、特別な存在です。

本記事では、ブロードウェイ・ミュージカルにおいて、現役で活躍する今をときめくスター女優10人をご紹介しましょう!

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ブロードウェイ・ミュージカルのスター女優10人を紹介!

若手のホットな女優から大御所まで、2023年3月現在、現役であることを条件に10人選びました。

1. クリスティン・チェノウス(Kristin Chenoweth)

代表作

『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』:サリー役
『ウィケッド』:グリンダ役

クリスティン・チェノウェスは1968年7月24日、オクラホマ州出身。幼い頃から教会でゴスペルを歌い、大学でミュージカルとオペラを学びました。メトロポリタン・オペラの奨学金を得ましたが、進学直前にオーディションに合格し、ミュージカルの道に進みます。

1997年に『Steel Pier』でブロードウェイ・デビューすると、いきなりシアター・ワールド賞を受賞するなど高い評価を得ました。2作目となった1999年の『きみはいい人 チャーリー・ブラウン』で見事トニー賞に輝いています。

2003年には『ウィケッド』のグリンダ役に抜擢。大ヒットミュージカルとなり、文字通りの代表作となりました。その後は歌手としてアルバムをリリースしたり、テレビや映画でも活躍したりするなど、押しも押されもせぬ大スターぶりを発揮しています。

なんといっても、150センチの小柄な体からは想像できない、キュートでパワフルな歌声が魅力。2019年には自身のカバーアルバムにちなんだブロードウェイ・ショーKristin Chenoweth: For the Girlsを限定公演し、大きな話題になりました。

近年、ぜんそくの持病もあってミュージカルへの出演は減っていますが、今なお名前だけで客を呼べる数少ない大スターの一人です。

2. ケリー・オハラ(Kelli O’Hara)

代表作

『The Light in the Piazza』:クララ役
『南太平洋』:ネリー役
『王様と私』:アンナ役

ケリー・クリスティン・オハラは、1976年4月16日生まれで、オクラホマ州出身です。 クリスティン・チェノウスと同じ大学の同じ先生に師事。2000年にミュージカル『ジキル&ハイド』のUSツアーに参加し、キャリアをスタートさせました。

2005年、『The Light in the Piazza』に主演してトニー賞にノミネートされると、その後は『パジャマゲーム』『南太平洋』『マディソン郡の橋』など連続してノミネートの常連となります。清潔感のある正統派シンガーとして、引っ張りだこの人気スターとなりました。

2015年には渡辺謙と共演した『王様と私』で、ついにトニー賞を受賞。翌年にはカーネギーホールにおいてソロコンサートを実現し、2019年にはリバイバル・ミュージカル『Kiss Me, Kate』に主演しています。

2022年に放送され、シーズン2が決定している人気ドラマ『ギルデッド・エイジ -ニューヨーク黄金時代-』に出演中です。

プライベートでは、フォークロックバンド「ザ・スイート・リメインズ」のグレッグ・ノウトンと結婚し、一男一女をもうけています。

3. パティーナ・ミラー(Patina Miller)

代表作

『シスター・アクト〜天使にラブ・ソングを〜』:デロリス役
『ピピン:リーディング・プレイヤー役

パティーナ・ミラーは1984年11月6日生まれ、サウスキャロライナ出身。幼い頃から教会でゴスペルを歌い、大学でミュージカルを学びました。映画『ドリームガールズ』のエフィー役をジェニファー・ハドソンと最後まで争った実力派です。

2009年、ミュージカル『シスター・アクト〜天使にラブ・ソングを〜』のロンドン公演で主人公デロリス役に抜擢。2011年にはブロードウェイでも同役を演じて、トニー賞にノミネートされました。

2013年にはリバイバル・ミュージカル『ピピン』に主演し、見事トニー賞を受賞!今まさに脂の乗りきった若手実力派の筆頭です。2022年のブロードウェイ・ミュージカル『イントゥ・ザ・ウッズ』では魔女を演じました。

2014年にベンチャー企業家のデイビット・マーズと結婚し、一女をもうけています。

4. イディナ・メンゼル(Idina Mentzel)

代表作

『レント』:モーリーン役
『ウィキッド』:エリファバ役

イディナ・メンゼルは1971年5月30日生まれ、ニューヨーク州出身。大学でドラマを学びながら、ユダヤ教会で結婚式などの歌手として働いていました。

1996年には『レント』のモーリーン役でブロードウェイ・デビューを果たすと、いきなりトニー賞にノミネートされます。2003年、『ウィキッド』の魔女エルファバ役で、トニー賞を受賞しました。

映画『レント』でもモーリーンを演じたほか、アニメ映画『アナと雪の女王』でエルサの声を担当し、主題歌「レット・イット・ゴー」が第86回アカデミー賞歌曲賞を受賞するなど、世界的な人気を得ました。

2013年にはミュージカルIf/Thenに主演し、再びトニー賞候補に。歌手としても、これまで7枚のアルバムをリリースしています。

5. オードラ・マクドナルド(Audra McDonald)

代表作

『回転木馬』:キャリー役
『ポーギーとベス』:ベス役
『レディ・デイ』:ビリー・ホリディ役

オードラ・マクドナルドは1970年7月3日、両親の駐在先だったドイツ・ベルリンで生まれました。1993年に名門ジュリアード音楽院を卒業し、その翌年にはいきなり『回転木馬』のキャリー役でトニー賞を受賞します。

その後、1998年『ラグタイム』、1996年『マスター・クラス』、2004年『ア・レーズン・イン・ザ・サン』、2012年『ポーギーとベス』、ビリー・ホリデイを演じた2014年『レディ・デイ』と合計6度、トニー賞を受賞しています。

映画やテレビドラマへの出演、正統派ソプラノの歌手としてコンサートツアー、ソロ・アルバムだけでも6枚リリースと、その活躍ぶりは目覚ましいばかり。キャスト・アルバムではグラミー賞も受賞しています。

2021年に公開されたジェニファー・ハドソン主演によるアレサ・フランクリンの伝記映画『リスペクト』では、アレサの母親を演じました。



6. シンシア・エルヴォ(Cynthia Erivo)

代表作

『シスター・アクト〜天使にラブ・ソングを〜』:デロリス役
『カラーパープル』:セリー役

シンシア・エルヴォは、1987年1月8日、ロンドン生まれのイギリス人。2011年にウエストエンドの舞台版『シェルブールの雨傘』に出演、同年には『シスター・アクト〜天使にラブ・ソングを〜』の英国ツアーで主人公のデロリスを演じました

2013年に、オフ・ウエストエンドで上演されたミュージカル『カラーパープル』の主人公セリーを演じて話題をよびます。2015年にはブロードウェイでも同役を演じてトニー賞など数々の賞を席捲しました。

2019年には伝記映画『ハリエット』に主演。第92回アカデミー賞で主演女優賞と歌曲賞の2部門にノミネートされるなど、魂のこもった歌唱で今最もホットな若手実力派の一人です。

7. サットン・フォスター(Sutton Foster)

代表作

『Thoroughly Modern Millie』:ミリー役
『エニシング・ゴーズ』:リノ・スウィーニー役

サットン・フォスターは1975年3月18日生まれ、ジョージア州出身です。15歳のときにオーディション番組『Star Search』に出演経験があり、ミュージカル『The Will Rogers Follies』の全米ツアーに参加するため高校を中退しました。

1996年には、ミュージカル『グリース』のヒロイン、サリー役でブロードウェイ・デビュー。その後は『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役など、数々の作品の主要キャストに抜擢され、2002年の『Thoroughly Modern Millie』と2011年の『エニシング・ゴーズ』で2度トニー賞を受賞しました。

テレビドラマでも人気を博しており、2012年から2013年まで放送された『バレエ・ガールズ 〜パラダイスへようこそ〜(原題:Bunheads)』、2015年にスタートし、シーズン7まで製作された大ヒットドラマ『サバヨミ大作戦!(原題:Younger)』の主人公ライザ役が有名です。

これまでソロ・アルバムを3枚リリース。2021年から23年まで、リバイバル・ミュージカル『ザ・ミュージック・マン』でヒュー・ジャックマンと共演しました。

8. パティ・ルポーン(Patti LuPone)

代表作

『エビータ』:エバ・ペロン役
『ジプシー』:ローズ役
『カンパニー』:ジョアン役

パティ・ルポーンは1949年4月21日、ニューヨーク出身。ジュリアード音楽院を卒業後、1973年に『三人姉妹』でブロードウェイ・デビューを果たしました。

1979年には、『エビータ』で主人公エバ・ペロンを演じ、トニー賞を受賞します。以後も、ブロードウェイとロンドンのウエストエンドの両方を股にかけ、『レ・ミゼラブル』『エニシング・ゴーズ』『スウィーニー・トッド』など数々の話題作に出演し、多くの賞に輝いています。

2008年には『ジプシー』で2度目のトニー賞を受賞、2019年には『カンパニー』でローレンス・オリヴィエ賞受賞など、70歳を迎えてなお第一線で活躍しています。

映画やドラマ出演も多く、最近は『アメリカン・ホラー・ストーリー』や『ハリウッド』『POSE/ポーズ』などライアン・マーフィーの作品にたびたび出演しています。

9. シャーロット・ダンボワーズ(Charlotte d’Amboise)

代表作

『シカゴ』:ロキシー役
『コーラスライン』:キャシー役

シャーロット・ダンボワーズは1964年5月11日生まれ、ニューヨーク出身です。両親ともにバレエダンサーという恵まれた環境に育ちました。

1984年に『キャッツ』のカサンドラ役でブロードウェイ・デビューを果たします。持ち味はなんといっても素晴らしいダンス。1989年の『Jerome Robbins’ Broadway』でトニー賞にノミネートされました。

『シカゴ』のロキシー役は、1997年以来何度も演じている代表作です。その後も『コーラスライン』のキャシー役、『ピピン』のファストラーダ役など、人気ミュージカルの主要ロールに抜擢されています。

『キャッツ』で出会った俳優のテレンス・マンと結婚し、二女をもうけています。映画『コーラスライン』にも出演しているテレンス・マンとは、『ピピン』でも共演しました。

10. バーナッテッド・ピーターズ(Bernadette Peters)

代表作

『ソング・アンド・ダンス』:エマ役
『アニーよ銃をとれ』:アニー役
『イントゥ・ザ・ウッズ』:魔女役

バーナデット・ピーターズは1948年2月28日生まれ、ニューヨーク出身。子役として早くからキャリアをスタートさせ、数々の映画、ドラマ、舞台に出演してきました。

1980年代に入ると、ブロードウェイ・ミュージカルでめざましい活躍をみせます。トニー賞には7度ノミネートされ、1985年の『ソング・アンド・ダンス』と1999年の『アニーよ銃をとれ』で見事主演女優賞を受賞しました。

ブロードウェイ音楽の巨匠スティーヴン・ソンドハイムと縁が深く、『フォリーズ』、『リトル・ナイト・ミュージック』、『スウィーニー・トッド』、『ジョージの恋人』、『イントゥ・ザ・ウッズ』など多くの作品に出演しています。

2018年には、ベット・ミドラーに代わってリバイバル・ミュージカルハロー・ドーリー』に主演しました。



ブロードウェイ・スターはハリウッドのスターとはまた別格の存在!

まえがきで述べたとおり、ブロードウェイのスターは、日本では今一つ知名度が低かったりしますが、本国アメリカではハリウッドの映画スターとはまた違う、別格の存在として高く評価されています。

言うまでもなく、ミュージカルでは、歌・演技・ダンスの三拍子そろっていることが必須。

真の意味の実力派であることの証であり、それゆえ、ブロードウェイに憧れる映画スターも少なくないのです。

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