ドラマ『POSE/ポーズ』キャストが歌う全10曲【シーズン1~3】

POSE/ポーズドラマ

1980年代から90年代のニューヨークを舞台に、トランスジェンダーを中心とするLGBTQたちの愛と友情、そしてAIDS禍の中で自分らしく生きる姿をスタイリッシュに描いたドラマシリーズが『POSE/ポーズ』です。

シーズン1と2、そしてシリーズ完結となるシーズン3まで放送されました。

ドラマチックな物語はもちろんですが、センスあふれる音楽も本作の大きな見どころのひとつ!そこで、ここではMJ・ロドリゲスやビリー・ポーターらキャストたちが劇中、実際に歌った全10曲について、その背景と選曲の理由をおりまぜつつ、くわしく紹介したいと思います。

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『POSE/ポーズ』の見どころの一つ、キャストたちの歌唱シーン!

抜群の選曲センスは『POSE/ポーズ』の見どころの一つですが、ただBGMとして有名曲が流れるだけでなく、実際にキャストが歌うとなると感動もひとしおです!

また、それぞれの曲が選ばれたのもきちんとした理由があり、ここではそんな背景にも触れつつ、全10曲を詳しくご紹介します!

【シーズン1】

①「For All We Know」/歌:プレイ・テル(ビリー・ポーター)

ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ
ワーナーミュージックジャパン
ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ

「For All We Know」は、作詞Sam M. Lewis・作曲J. Fred Cootsによって1934年に発表されたスタンダードナンバーです。なんといってもダニー・ハサウェイの歌唱が有名であり、1972年のアルバム『ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ』に収録されています。

シーズン1の第6話、AIDSで死にゆく最愛の恋人コスタスに捧げてプレイ・テルが熱唱します。

♪おそらく
もう君には二度と会えなくなるのだろう
君が去る前に
今この瞬間をともに分かち合いたい♪

“For All We Know” written by Sam M.Lewis, J.Fred Coots : translated by myself

『キンキーブーツ』主演など、ブロードウェイのミュージカルでも活躍するビリー・ポーターの素晴らしい歌唱に胸が詰まる感動シーンです。

②「Home」/歌:プレイ・テル&ブランカ(MJ・ロドリゲス)

プレイ・テルの熱唱に続き、ブランカがコスタスのために歌います。感極まり、途中で歌が途切れたブランカのため、再びプレイ・テルも参加してデュエットとなります。

「Home」は『オズの魔法使い』をもとにしたブロードウェイ・ミュージカル『ザ・ウィズ』の中の一曲です。

ヒロインのドロシーが家に帰る最後のシーンで歌う曲であり、ブロードウェイ版ではステファニー・ミルズが、映画版ではダイアナ・ロスが歌いました。

♪わたしは気づいた
それは心の中にあると
愛にあふれた世界がそこにある
あなたのなかに♪

“Home” written by Charlie Smalls : translated by myself

このまま病院で死を迎えるであろうコスタスに向けて、愛という「家」が心の中にあることを伝えようとしているのです。



【シーズン2】

③「The Man That Got Away」/歌:プレイ・テル

「The Man That Got Away」は、1954年のジュディ・ガーランド主演映画『スター誕生』の中の一曲です。作曲はHarold Arlen、作詞がIra Gershwin。

シーズン2の第6話で、入院しているプレイ・テルが夢の中で歌うのがこの曲です。

夢の中に、死んだ恋人のコスタスが現れます。つまり「The Man That Got Away」=去ってしまった男とは、コスタスのことなのです。

④「Sometimes It Snows in April」/ 歌:ジュディ(サンドラ・バーンハード)

同じく第6話では、病院において、AIDS患者や関係者を励ますためのミニコンサート「エイズ・キャバレー」が行われます。看護師のジュディがバックコーラスを従えて歌うのが「Sometimes It Snows in April」。

プリンスが1986年にリリースしたアルバム『パレード』のラストに収録された一曲で、「スノウ・イン・エイプリル」という略した邦題がつけられています。

♪4月でも雪が降ることがある
つらい気持ちになることもある
でもわたしは祈る
人生がずっと続けばいいのにと
いいことは長く続かないと人は言うけれど♪

“Sometimes It Snows in April” written by Prince, Wendy & Lisa : translated by myself

バックコーラスに参加しているのは、デイモン(ライアン・ジャマール・スウェイン)、リッキー(ディロン・バーンサイド)、ルル(ヘイリー・サハル)の3人です。

⑤「I’m Still Here」/歌:フレデリカ(パティ・ルポーン)

シーズン2で初めて登場する、嫌味な不動産の大家フレデリカが、キャバレーに参加して歌うのが「I’m Still Here」です。

ブロードウェイのレジェンド、スティーヴン・ソンドハイムが音楽を手掛けた1971年のミュージカル『フォリーズ』の中の一曲。

フレデリカの見事な歌唱にびっくりしますが、演じているパティ・ルポーンは、ミュージカル『エビータ』などでトニー賞主演女優賞を複数回受賞しているブロードウェイの大スターですから、ぴったりの選曲だと言えるでしょう。

⑥「Sooner or Later」/歌:エレクトラ(ドミニク・ジャクソン)

エレクトラが歌ってみせた、ジャッジーな「Sooner or Later」は、意外にもマドンナの曲です。

マドンナ自ら主演した映画『ディック・トレイシー』のサントラにもなっているアルバム『アイム・ブレスレス』に収録された一曲であり、作詞・作曲は「I’m Still Here」と同じスティーヴン・ソンドハイム。つまり、フレデリカから見事にバトンを受け継いでいるという仕掛けです。

1991年に開催された第63回アカデミー賞で見事最優秀歌曲賞に輝いた名曲です。

⑦「Love’s in Need of Love Today」/歌:ブランカ&プレイ・テル

いよいよブランカがマイクの前に立ち、デイモン、リッキー、ルルのバックコーラスを従えて歌うのが、スティーヴィー・ワンダーの「Love’s in Need of Love Today」です。途中から、プレイ・テルを誘い一緒にデュエットするという、シーズン2の見せ場の一つです。

「Love’s in Need of Love Today」は、1976年にリリースされ記録的大ヒットとなった2枚組アルバム『キー・オブ・ライフ』の一曲目に収録された名曲。「ある愛の伝説」というちょっと不思議な邦題がつけられています。

♪愛が愛を必要としている
今すぐ届けて
あなたの愛を
憎しみに傷ついた心
今すぐそれを止めて
手遅れになる前に♪

“Love’s in Need of Love Today” written by Stevie Wonder : translated by myself

愛の大切さを歌い上げる前向きな曲が、ブランカとプレイ・テルにぴったり。しんみりとしがちな病院の雰囲気を一気に明るく盛り上げる歌唱が感動的でした。

【シーズン3】

⑧「This Day」/歌:プレイ・テル

病気のことを母に報告するため久しぶりに実家に帰ったプレイ・テルの現在と過去が交差して描かれるのが、シーズン3の第4話です。

牧師となっている昔の恋人と再会し、また母との和解を経て、かつて自分を拒絶した教会の祭壇に立ち歌うのがゴスペルソングのクラシック「This Day」です。オリジナルは、ゴスペルシンガーのエドウィン・ホーキンスによるものです。

⑨「I Swear」/歌:パピ(エンジェル・ビスマルク・クリエル)&リッキー(ディロン・バーンサイド)

第6話、エンジェルとパピの豪華な結婚式において、花婿の誓いとともにパピが歌うのが、1994年に大ヒットしたAll-4-Oneのバラード「I Swear」です。

バックコーラスにはリッキーも参加。文字通り、愛を誓うこのシーンにぴったりの歌曲です

⑩「Love Lives On」/歌:プレイ・テル&リッキー

第7話でプレイ・テルとリッキーが参加するのがゲイ男性合唱団。彼らが歌う美しいバラードは「Love Lives On」です。

オリジナルは、1987年の映画『ハリーとヘンダスン一家』のサウンドトラックに収められた一曲。ジョー・コッカーが歌いました。

♪愛は生き続ける
さよならを超えて
私たちの真実は
死ぬことなどない
魂は輝き続ける♪

“Love Lives On” Lyrics by Cynthia Weil and Will Jennings : translated by myself



選曲のセンスが冴えわたるドラマ『POSE/ポーズ』

以上、劇中、キャストが実際に歌う7曲を詳しくご紹介しました。耳なじみのいい曲であるばかりか、きちんと意味のある選曲がなされています。

もちろん、このほか、BGMとして挿入されている楽曲の選曲が素晴らしいことは言うまでもありません。

個人的にお気に入りの曲を、各シーズン一曲ずつ選ぶとしたら以下の楽曲です。

「In My House」by メリー・ジェーン・ガールズ
シーズン1の第1話
冒頭、みなで博物館に忍び込むシーンで流れていた曲です。このドラマが「ハウス」の物語であることを高らかに宣言した選曲でした。

「Never Knew Love Like This Before」by ステファニー・ミルズ
シーズン2の第4話
キャンディの葬儀がボールと化す、おそらくシーズン2きっての名場面に流れる曲です。(邦題は「燃える恋心」)。

「Ain’t No Mountain High Enough」by ダイアナ・ロス
シーズン3の第7話
ボールルームで、ブランカとプレイ・テルがコンビを組んで圧巻のパフォーマンスを繰り広げる曲は、言わずと知れたダイアナ・ロスの名曲「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」です。ドラマの中でも紹介される通り、ダイアナ・ロスが暴風雨の中、見事に歌い切った1983年のセントラルパークにおけるコンサートは伝説です。

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