『アメリカン・ホラー・ストーリー』の大きな特徴といえば、同じ俳優たちが、シーズンごとに一変する物語の中の、まったく別の人物となって登場する点にあるでしょう。
しかし、シーズン8『黙示録』を視聴した方は、過去のシーズンとの予想外のつながりに驚いた人も多いのではないでしょうか?
本記事では、おそらくずっと前に観て忘れてしまったであろう、シーズン1と3のあらすじ・覚えておきたい登場人物を簡潔に振り返り、その後、シーズン8との関係をわかりやすく整理したいと思います。
『アメリカン・ホラー・ストーリー』シーズン8『黙示録』はシーズン1と3の事実上の続編!
シーズン8は、シーズン1と3の事実上の続編であり、つまりそれは、その2つのシーズンを頭に入れておかないと、シーズン8の展開と結末が完全には理解できないということを意味しています。
シーズン8「黙示録」のネタバレありのあらすじについては、こちらの記事にまとめてあります。
*以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。
シーズン1『呪いの館』のあらすじと主な登場人物
■あらすじ
夫の浮気と妻の死産から立ち直るため、ボストンからロスアンゼルスに越してきた精神科医ベン、妻ヴィヴィアン、娘ヴァイオレットのハーモン一家。
しかし、引っ越した館は、ここで死んだ者たちが霊となって住みつく呪いの家でした。
隣家に住んでいるのは、謎めいた婦人コンスタンス・ラングドン。
やがて、さまざまな奇妙な現象が一家を襲う中、館で産んだ一人の子だけを残し、次々と無残な最期をむかえていくのでした。
■覚えておきたい登場人物5人
①ベン・ハーモン/ディラン・マクダーモット
精神科医。教え子ヘイデンとの浮気を清算するため、引越して家族のため自宅診療医となります。最後はヴィヴィアンが産んだ子どもと館から逃げようと試みますが、ヘイデンによって殺されてしまいます。
②ヴィヴィアン・ハーモン/コニー・ブリットン
ベンの妻。夫婦関係を修復するため引っ越してきましたが、誤って、全身ラバースーツの男と肉体関係を持ってしまいます。双子を出産するものの、一人だけ残して死に至ります。
③ヴァイオレット・ハーモン/タイッサ・ファーミガ
ビビアンとベンのティーンエージャーの娘。両親のことや人間関係に悩み、心を病んでいます。テイトに対して恋愛感情を抱いていましたが、その正体に気づき自殺します。
④コンスタンス・ラングドン/ジェシカ・ラング
館の隣に、ダウン症の娘と暮らす美しい婦人。ハーモン一家にやたら介入し、意味深な言動を繰り返します。最後はヴィヴィアンが産んだ、生き残りの子どもを引き取り、育てることに……。
⑤テイト・ラングドン/エヴァン・ピーターズ
ベンの患者ですが、実はコンスタンスの死んだ息子の霊。ヴァイオレットと親密になりつつも、全身ラバースーツを身に着けて変装し、ヴィヴィアンを身ごもらせた……ことになっているのですが……。
シーズン3『魔女団』のあらすじと主な登場人物
■あらすじ
舞台になるのは、ニューオリンズにある、魔女たちを守り育てるためにつくられた寄宿学校「ミス・ロビショーズ・アカデミー」。
「セイラム魔女裁判」を生き延びた魔女たちの末裔の物語で、2013年を軸に、1970年代と1830年代の過去を交差させながら進みます。
それぞれ固有の能力を持つ若き魔女たち、そして権力者たる魔女らが巻き込まれるさまざまな事態……。
魔女の最高位である次の「スプリーム」に選ばれるのは誰なのかをめぐって、争いが繰り広げられます。
■覚えておきたい登場人物9人
①コーデリア・フォックス/サラ・ポールソン
アカデミーの校長。現「スプリーム」である母フィオナに翻弄されますが、責任感を持って若い魔女たちを守ります。最後は試験「7つの奇跡」に合格し、次期「スプリーム」に選ばれます。
②マリー・ラボー/アンジェラ・バセット
表向きは美容院の経営者ですが、実は、魔女団の宿敵ブードゥー教の女王として、圧倒的な力を持つ不老不死の魔女です。
③マートル・スノー/フランセス・コンロイ
アカデミーを卒業した魔女委員会の重鎮メンバー。フィオナのライバルで、コーデリアの良き相談相手です。最後は世代交代を推し進めるため、自ら進んで火あぶりの刑に処されます。
④ミスティ・デイ/リリー・レーブ
生き物を生き返らせる力を持つ魔女。試験「7つの奇跡」に失敗し、生物解剖実験の無間地獄に堕ちてしまいます。
⑤ゾーイ・ベンソン/タイッサ・ファーミガ
危険な自身の能力に気づき、アカデミーにやってきた魔女です。「7つの奇跡」には失敗しますが、コーデリアに指名されてアカデミーを支える存在になります。
⑥マディソン・モンゴメリー/エマ・ロバーツ
ハリウッド女優だった利己的な若き魔女。「7つの奇跡」に敗れ、傲慢さから最後は無残な結末を迎えます。
⑦クイニー/ガボレイ・シディベ
黒人のふくよかな若き魔女です。自分を傷つけることで相手に同じ痛みを与える、ブードゥー教系の能力を持っています。「7つの奇跡」には失敗しましたが、ゾーイとともにアカデミーに残ります。
⑧ナン/ジェイミー・ブルーワー
ダウン症の若き魔女で、人の心を読む力があります。フィオナとマリー・ラボーの手によって殺され、パパ・レグバに差し出されます。
⑨パパ・レグバ/ランス・レディック
ブードゥー教において、生と死の境を仕切る門番がパパ・レグバです。完全な邪悪とも言えぬ存在ですが、決断と代償を容赦なく迫る、恐ろしい力を持っています。
シーズン3とシーズン8の関係
シーズン8のエピソード4以降が、シーズン3の事実上の続編となっています。
シーズン8で描かれる地下シェルターの「第3基地」は、核ミサイルで崩壊する以前、男性の魔術師学校であり、魔女たちの「ミス・ロビショーズ・アカデミー」とは敵対する存在だった、というのが設定の大前提です。
コーデリア、マートル、ゾーイ、ミスティ、マディソン、ナンら魔女についてはシーズン3の結末をそのまま引き継いだ形で登場します。
ただし、唯一、クイニーだけがシーズン5の「ホテル」のエピソードとつながっている点で例外です。
シーズン1とシーズン8の関係
シーズン8のエピソード6は、シーズン1のその後を描いたものと位置づけられます。
つまり、マイケル・ラングトンの正体は、シーズン1の呪いの館に生まれ、一人生き残ってコンスタンスの手で育てられた悪魔の子だった、ということです。
謎めいた黒いラバースーツの男は、両方のシーズンに登場します。
結局、その正体ははっきり描かれないものの、誰かがふん装したものではなく、邪悪な悪魔的存在であることは確かです。
あらためて観直したい『アメリカン・ホラー・ストーリー』の各シーズン
クロスオーバーする上記のポイントを理解した上で、もう一度シーズン8、可能であればシーズン1と3を観直してみてはいかがでしょうか?
より細かなディテールのつながりが発見できるかもしれません。
『アメリカン・ホラー・ストーリー』は、2024年1月現在、Disney+ですべてのシーズンを視聴できます。
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