王室の視点で英国現代史を描く、Netflixを代表する世界的大ヒットドラマシリーズが『ザ・クラウン』です。
2022年9月8日、主人公であるエリザベス2世が崩御するという熱い注目の中、2022年11月9日にシーズン5、2023年11月と12月に完結となるシーズン6が配信されました。
本記事では、キャストが入れ替わる主要登場人物について整理したあと、シーズン1から最終シーズン6までのあらすじを簡単にまとめたいと思います。
Netflixオリジナルドラマを代表する大ヒット作『ザ・クラウン』
在位最長記録を更新したエリザベス2世の即位に始まる英国現代史を、王室の視点で描いたドラマ『ザ・クラウン』は、シーズンが更新されるたびにゴールデングローブ賞やエミー賞を受賞してきたNetflixを代表する傑作ドラマです。
シーズン1は2016年11月、シーズン2は2017年12月、シーズン3は2019年11月、シーズン4は2020年11月、シーズン5が2022年11月、完結となるシーズン6が2023年11月と12月に配信されました。
エリザベス2世が崩御されたのは、シーズン5配信の2か月前でした。
王室の主要登場人物10人とキャスト・人物相関図を紹介
史実に基づいて英国現代史を描く人間ドラマであり、誰もが知る多数の実在の人物が登場します。また、主要キャストが2シーズンごとにリレー形式交代していくのも、本ドラマの大きな特徴となっています。
①エリザベス2世
本ドラマの主人公。1926年4月21日生まれ、ウィンザー朝第4代女王として1952年2月6日に即位。在位最長記録を更新し、2022年9月8日に96歳で崩御しました。
クレア・フォイ(S1-S2)
オリヴィア・コールマン(S3-S4)
イメルダ・スタウントン(S5-S6)
②エディンバラ公フィリップ殿下
1921年6月10日生まれで、ギリシャ、デンマーク、ノルウェーの王家出身。1947年11月20日にエリザベス2世と結婚。3男1女をもうけました。2021年4月9日、99歳で薨去。
マット・スミス(S1-S2)
トビアス・メンジーズ(S3-S4)
ジョナサン・プライス(S5-S6)
③チャールズ皇太子
1948年11月14日、フィリップとエリザベス王女(即位前)の第一子、長男として誕生。1981年7月にダイアナ・スペンサーと結婚して二男をもうけましたが、1996年8月に正式離婚しました。2005年4月、カミラ・ローズマリー・シャンドと再婚。2022年9月8日、エリザベス2世の崩御に伴い、チャールズ3世として国王に即位しています。
ビリー・ジェンキンス/ジュリアン・バーリング(S1-S2)
ジョシュ・オコーナー(S3-S4)
ドミニク・ウエスト(S5-S6)
④アン王女
エリザベス王女(当時)とフィリップの第二子、長女として1950年8月15日に誕生。1973年にマーク・フィリップスと結婚して一男一女をもうけましたが、1992年に離婚。同年、ティモシー・ローレンスと再婚しています。
リラ・バレット・ライ(S2)
エリン・ドハティ(S3-S4)
クローディア・ハリソン(S5-S6)
⑤マーガレット王女
ジョージ6世とエリザベス王妃の次女でエリザベス2世の実妹。1960年に写真家のアンソニー・アームストロング=ジョーンズと結婚し、一男一女をもうけますが1978年に離婚。2002年2月9日、71歳で薨去しました。
ヴァネッサ・カービー(S1-S2)
ヘレナ・ボナム=カーター(S3-S4)
レスリー・マンヴィル(S5-S6)
⑥アンソニー・アームストロング=ジョーンズ (スノードン伯爵)
マーガレット王女と結婚し、初代スノードン伯爵に叙位。1978年に離婚しましたが、同年にルーシー・メアリー・リンゼイ=ホッグと再婚しました。こちらも2000年に離婚。2017年1月13日、86歳で死去しています。
マシュー・グッド(S2)
ベン・ダニエルズ (S3)
⑦エリザベス王太后
エリザベス2世の母。1923年にのちのジョージ6世と結婚し、二女をもうけました。2002年3月30日、101歳で薨去。
ヴィクトリア・ハミルトン(S1-S2)
マリオン・ベイリー(S3-S4)
マーシャ・ウォーレン(S5-S6)
⑧ジョージ6世
エリザベス2世の父で、1936年12月11日から1952年2月6日まで国王在位。ちなみに、映画『英国王のスピーチ』のモデルとなった人物です。
ジャレッド・ハリス(S1)
⑨ダイアナ妃
1981年、チャールズ皇太子と結婚し、ウィリアムとヘンリーの二男をもうけますが1996年に離婚。1997年8月31日、交通事故により36歳で死去しました。
エマ・コリン(S4)
エリザベス・デビッキ(S5)
⑩カミラ・ローズマリー・シャンド
1972年の出会いから30年あまりを経て、2005年にチャールズ皇太子と結婚。その前、1973年から1995年の間に一度結婚歴があり、一男一女がいます。国王チャールズ3世即位により、王妃となりました。
エメラルド・フェネル(S3-S4)
オリヴィア・ウィリアムズ(S5-S6)
全6シーズンの簡単あらすじ
シーズン1(1947年-1955年)
1947年、エリザベス王女とフィリップが結婚し、長男チャールズと長女アンをもうけるところから第一話は始まります。やがて1952年、父であるジョージ6世の崩御によって、エリザベス2世として女王に即位。
その後、東西冷戦下、チャーチル首相を中心とした政局、また妹マーガレット王女の不倫と破局などを絡め、1955年まで描かれます。
シーズン2(1956年-1964年)
1956年に勃発したスエズ動乱とエジプト侵攻など、揺れる国際情勢と国内政治への対応に迫られる中、エリザベスは夫婦関係にも悩まされます。
いまだ失恋を引きずるマーガレット王女は、写真家のアンソニーと結婚。一方、J・F・ケネディ大統領夫妻の訪英とその後のケネディ暗殺事件が世界を揺るがす中、次男のアンドルー王子に続き、1964年に三男のエドワード王子を出産するところまで描かれます。
シーズン3(1964年-1977年)
1964年のウィルソン政権誕生、そしてチャーチル元首相の死去に始まる国内情勢の不安定化。そんな中、フィリップと実母の間の確執と和解、チャールズとカミラの熱愛から別離、マーガレット王女とアンソニーの結婚破綻など、それぞれに悩むロイヤルファミリーの姿が描かれます。
ヒース政権を挟み、二期目をつとめていたウィルソン首相が再辞職する中、1977年、エリザベスは即位25周年を迎えます。
シーズン4(1977年-1990年)
1977年、チャールズがダイアナと出会います。1979年には、女性初の英国首相、サッチャー政権が誕生。IRAによるテロ、巨額財政赤字と失業者問題、1982年のフォークランド紛争、南アフリカのアパルトヘイトなど、さまざまな難事に対処するサッチャー首相とエリザベスの関係を軸に物語が進みます。
1981年にチャールズとダイアナは結婚。しかし、チャールズの気持ちはまだカミラにあり、ダイアナはすぐに摂食障害などに悩み、互いに不貞を続けることに……。1990年にサッチャーは首相を辞任。その頃、チャールズとダイアナの関係は修復不可能な状態に陥っていました。
シーズン5(1991年-1997年)
1991年、チャールズとダイアナが、復縁したと見せかけるため、イタリアにクルーズ旅行に出かけますが、それは復縁したと見せかけるためでした。その後、2人は泥沼の離婚劇を繰り広げます。1992年12月に別居、1995年11月にダイアナがBBCのインタビュー番組で暴露。そして、1996年8月、ついに離婚が成立します。
エリザベスはそうした問題に振り回されつつ、チャールズとの考え方のズレにも悩まされることに…。1997年の香港返還式典、「ブリタニア号」の退役航海までが描かれます。
シーズン6(1997年-2005年)
ダイアナとドディ・アルファイドの出会いから、やがて迎える1997年8月31日、パリにおける悲劇の事故死。その対応に苦慮する王室は、出来る限り平静を保とうとしますが、世論の盛り上がりから、ついにエリザベス自身が公式な声明を発表するに至ります。
その後、大学に進学にしたウィリアム王子とキャサリンの出会い、ハリーの問題児ぶり、マーガレット王女の薨去、そしてチャールズとカミラの結婚をついにエリザベスが認めるに至ります。2005年4月9日、チャールズの結婚式が執り行われる中、エリザベスが王室の将来にむけ覚悟を決める姿で幕を閉じます。
シーズン6で完結した『ザ・クラウン』
当初から、シーズン6で完結することは発表されていましたが、シーズン5配信を2か月後に控えた2022年9月8日、主人公であるエリザベス2世が崩御。
そんな中、シーズン6がどのような形で完結するのか、にわかに注目が集まっていましたが、描かれたのは2005年まででした。しかし、その後のエリザベスの姿を暗示するかのようなラストシーンは、非常に高い評価を得ています。
ファンとしては、その後の王室の歩みも見てみたいところですが、続編製作はなさそうです。
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