朝ドラ『ひらり』あらすじ/キャスト/相関図/その後と見どころ

朝ドラ「ひらり」 ドラマ

連続テレビ小説初となる、相撲を題材にした物語で大ヒットした、1992年度下半期放送の第48作目朝ドラ『ひらり』。

2022年12月から2023年9月まで、NHK総合平日午後のアンコール枠で再放送もされ、再び注目が集まりました。

本記事では、ドラマ『ひらり』のあらすじ、主要登場人物と人物相関図にくわえ、見どころやキャストのその後まで、詳しくご紹介したいと思います。

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NHK連続テレビ小説(朝ドラ)第48作目『ひらり』について

『ひらり』は、1992年10月5日から1993年4月3日まで、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラ第48作目の作品として放送され、最高視聴率42.9%の大ヒットを記録しました。

下町の江戸っ子気質が今なお残る東京・両国を舞台に、大相撲好きのヒロイン・ひらりが、姉との恋の三角関係に悩みながらも、家族三世代や周囲の人々との交流を通し、夢に向かって進んでいく姿を描きます。

オリジナル脚本を手掛けたのは内館牧子、ナレーションを倍賞千恵子、そしてヒロインを当時20歳の石田ひかりが演じました。

『ひらり』のあらすじ・人物相関図と主要キャスト

■あらすじ

東京都墨田区両国、祖父が営む先祖代々の質屋を継がず、銀行の支店長を務める父・洋一と母・ゆき子の間に生まれた姉妹の妹・薮沢(やぶさわ)ひらり。

税理士の専門学校に通っていましたが、子どもの頃からの夢である大相撲に関わる仕事に就きたいと退学。しかし、女性が相撲と関わる壁は厚く、力士が出入りする大型サイズ専門の洋品店でアルバイトを始めます。

相撲部屋の嘱託医も務める診療所の医師・竜太に惹かれるも、姉・みのりと三角関係になって失恋。しかし、竜太との関わりの中で栄養学に興味を持ったひかりは、相撲部屋の栄養士となるべく動き始めます。

■主要登場人物とキャスト/人物相関図

【家族関係】
・藪沢ひらり/石田ひかり:明るくさっぱりとした江戸っ子気質
・みのり/鍵本景子:5歳上の姉、丸の内にある商社OL、妹とは正反対の性格
・洋一/伊武雅刀:家業を継がず、銀行の支店長を務める父
・ゆき子/伊東ゆかり:母、家族に内緒の秘密が…。
・小三郎/島田正吾:父方祖父、先祖代々の質屋「藪沢質店」を経営
・深川金太郎/花沢徳衛:母方祖父、仕事は鳶頭で小三郎とは幼なじみだが不仲
・深川銀次/石倉三郎:ゆき子の弟でひらりの叔父、独身
・加賀谷みつ子/奈美悦子:ゆき子の妹でひらりの叔母、夫は敏明(石田太郎)で子が久男

【両国診療所】
・安藤竜太/渡辺いっけい:町医者で相撲部屋の嘱託医、藪沢姉妹と三角関係に…。
・小林雅人/橋本潤:竜太が世田谷の病院に異動となった後を継いだ医師

【リーチ商会】
・蛭田明夫/三遊亭楽太郎:ひらりがバイトする大型サイズ専門洋品店の社長
・小川すみれ/阿知波悟美:洋品店の店員、一人娘とアパート暮らし

【梅若部屋】
・梅若虎男/伊東四朗:相撲部屋「梅若部屋」の親方
・梅若明子/池内淳子:虎男の姉さん女房で「梅若部屋」の女将さん
・梅響/松田勝:梅若部屋の部屋頭
・寒風山/小林健:本名は加賀谷久男でひらりの従弟、梅若部屋の力士
・椰子の海/マーシー:本名はエディで、寒風山と同期入門のハワイ出身力士
・小沢太郎/若ノ海正照:力士たちのコーチ



ドラマ『ひらり』の見どころポイント4つ

①トレンディドラマのヒットメーカーであり大の大相撲通の内館牧子による脚本

2000年より10年間、女性初の横綱審議委員会委員をつとめるなど、大の大相撲通として知られる内館牧子が、自身の相撲愛を存分に注ぎ込んだ作品が『ひらり』です。

また出世作として知られる1990年のドラマ『想い出にかわるまで』において、姉妹の泥沼の恋愛劇を描いて大ヒットさせた直後であり、再び同じテーマを取り上げた点でも大きな注目を集めました。

内館牧子は、長いOL時代を経て40歳にしてようやくデビューを果たした遅咲きの脚本家であり、そうした経験がひらりの生き方にそのまま反映しているとも言われています。

その後、2000年放送の第62作『私の青空』で2度目の朝ドラ脚本を手掛けています。

②転換点となったドリームズ・カム・トゥルーの主題歌「晴れたらいいね」

現在、朝ドラの主題歌と言えば、その時々のホットな人気アーティストが手掛けるオリジナル曲が使用されることが定番となっていますが、もともとはあくまでも単にドラマのオープニングのインストゥルメンタル曲に過ぎず、歌詞入りの歌が使用されたのも1984年の第32作『ロマンス』が最初でした。

『ひらり』は、有名アーティストが物語から着想を得てオリジナル曲を作るという形式になった最初の作品であり、ヒットチャート1位を記録するなどその後の主題歌の在り方を大きく変える画期的な転換点となりました。

ドリカムことDREAMS COME TRUEは、その後、2018年から19年に放送された第99作『まんぷく』でも再び主題歌「あなたとトゥラッタッタ♪」を担当。同一アーティストによる主題歌は史上初です。

③物語の舞台・ロケ地

文字通り、両国国技館のある大相撲の聖地であり、下町の風情が残る両国が舞台およびロケ地となっています。

しかし、物語でひらりの実家等がある両国5丁目は実際には実在せず、架空の街の設定です。(実在するのは4丁目まで)

またひらりの従弟である寒風山こと加賀谷久男の実家は秋田という設定であり、「秋田竿燈まつり」なども舞台となっています。

劇中、頻繁に登場する「横綱力士碑」があるのは、江東区にある富岡八幡宮です。

④「若貴ブーム」との相乗効果で大盛り上がり

『ひらり』が放送されていた当時、実際の大相撲では、若花田(後の横綱若乃花)と貴花田(後の横綱貴乃花)の兄弟力士が大人気を博し活躍していた「若貴ブーム」の真っ盛り。相乗効果もあって、ドラマも大きな盛り上がりを得たことは確かです。

物語には多くの力士の卵たちが登場しますが、多くはオーディションで選ばれた素人の俳優でした。コーチ役で出演もしている元前頭2枚目の若ノ海正照が実際に相撲の指導を行い、肉体改造していったようです。

ちなみに、若ノ海正照は、ドラマ放送のわずか2年後となる1995年3月31日、心不全のため49歳の若さで他界しました。

キャストたちのその後と現在

石田ひかりは、ひらり役で国民的人気を博し、「NHK紅白歌合戦」の紅組司会を1992年と1993年の2年連続で務めました。その後も女優としてマイペースで活躍しているほか、2001年に当時NHK大阪放送局のディレクターだった訓覇圭と結婚し、2003年に長女、2005年に次女をもうけています。穏やかな日常を送っている様子が、インスタグラムにたびたび投稿されています。

姉のみのりを演じた鍵本景子(上記写真の一番右)は、その後もドラマを中心に多くの作品に出演していましたが、2016年にフリーランスに……。2000年代以後は、地元・小平市の市民団体どんぐりの会のメンバーとして、朗読など、より地域に密着した活動に取り組んでいます。不定期に開催されている屋外での朗読会「幻燈会」では、「おほんゴギーノ」トリオの一人として朗読を担当しているようです。

およそ30年前に放送されたドラマですが、残念ながらその後亡くなってしまわれた方も多くいらっしゃいます。

記憶に新しいところでは、バイト先の洋品店の社長を演じた三遊亭楽太郎(その後、六代目三遊亭円楽を襲名)は、2022年9月30日、肺がんにより72歳で他界。

母方祖父・金太郎を演じた花沢徳衛は、2001年3月7日、前立腺癌により89歳で死去、同じく父方祖父・小三郎を演じた島田正吾も2004年11月26日、脳梗塞により98歳で死去。梅若部屋の女将さんを演じた池内淳子は、2010年9月26日、肺腺癌のため76歳で死去しています。



アンコール再放送『ひらり』の次は『さくら』!

既述の通り、『ひらり』は現在では考えられない40%を超える最高視聴率をたたき出した大ヒットドラマにもかかわらず、DVDは未発売です。

そんなこともあり、NHKの平日午後のアンコール放送枠は、貴重な視聴のチャンスでした。

『ひらり』のあとは、2023年9月4日より、第66作目『さくら』が放送されています。

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