オードリー・ヘプバーンの代表作おすすめランキングベスト10

オードリー・ヘップバーン 映画

1993年1月20日に63歳で亡くなってから、早くも30年以上が過ぎましたが、今なお世界中の多くのファンから愛されているオードリー・ヘプバーン。

とりわけ日本での人気には根強いものがあるのではないでしょうか?

本記事では、名前しか知らないような若い映画ファンを想定し、ぜひともおすすめしたい間違いのない出演作を10作品、ランキング形式でご紹介したいと思います。

まずはオードリー・ヘプバーンのプロフィールを簡単にまとめました。

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オードリー・ヘップバーンの生涯・キャリア・家族

オードリー・ヘプバーンは、1929年5月4日、イギリス系の父、オランダ系貴族の母のもと、ベルギーのブリュッセルに生まれました。国籍はイギリスです。幼い頃からバレエを学んでいましたが、その夢を諦め、演技の世界に進みました。

ロンドン、ウエスト・エンドの舞台を踏み、また1951年に公開された幾つかの映画に端役で出演するようになります。ブロードウェイの舞台『ジジ』に主演し高い評価を得たのと同時期に、『ローマの休日』の王女役に抜擢され、アカデミー賞主演女優賞受賞など、瞬く間に世界的人気女優へと飛躍しました。

1953年に公開された『ローマの休日』から、遺作なった1989年公開の『オールウェイズ』まで出演した劇場映画は20作を数えます。興行成績の高低はあるものの、おおむね失敗作の少ない女優だと言えるでしょう。

1993年1月20日、スイスの自宅で家族に見守られながら、がんにより63歳で亡くなりました。

私生活では、1954年に俳優のメル・ファーラーと結婚し、1960年に長男のショーンをもうけていますが、1968年に離婚。1969年にイタリア人医師と再婚し、1970年に次男ルカをもうけましたがこちらも1982年、離婚に終わっています。その後は、オランダ人俳優のロバート・ウォルダースと亡くなるまで事実婚状態にありました。

またジバンシィのミューズをはじめとするファッション・アイコンとしての活躍、さらに晩年は、ユニセフ親善大使としてアフリカの飢餓問題などに積極的に取り組んでいたことはよく知られています。



オードリー・ヘップバーンの代表作おすすめランキングベスト10

あくまでも個人的主観で、必見のおすすめ10作品をランキング形式で選んでみました。よって時系列ではありません。

オードリーの出演作の中でもひときわ異彩を放つ作品が、シャーリー・マクレーンと共演した『噂の二人』です。

アメリカ映画協会が公式に認めた、レズビアンをテーマとした最初の作品という意味で、重要な位置づけにあるばかりか、オードリー、シャーリーともその演技は非常に高い評価を得ました。

共同で女学校を経営する親友の二人、カレンとマーサにレズビアンの噂がたったことで迎える悲劇を描きます。原作は、映画『ジュリア』でも知られるリリアン・ヘルマンです。

公開年1961年
原題The Children’s Hour
監督ウィリアム・ワイラー
共演シャーリー・マクレーン
役柄女学校を経営するカレン
見所レズビアンをテーマにした異色作

オードリーが最初に出演したミュージカル映画であり、その後、『シャレード』と『いつも2人で』を手掛けたスタンリー・ドーネン監督と組んだ最初の作品でもあります。

ニューヨークの古本屋で働いていた風変わりな女の子が、ファッション雑誌のカメラマンに見初められ、やがてパリで美しいモデルへと変貌する姿を描きます。

何より、オードリーの驚くばかりの変身ぶり、そしてルーブル美術館などパリの随所で行われるモデル撮影のシーンはわくわくするような楽しさに満ちています。ミュージカル界の大御所フレッド・アステアとの共演も見逃せません。

公開年1957年
原題Funny Face
監督スタンリー・ドーネン
共演フレッド・アステア
役柄古本屋の店員ジョー
見所バレエの素養を存分に発揮した、最初のミュージカル映画

写真家の夫がたまたまある人形を預かってしまったことから、命を狙われることになる盲目の妻の恐怖を描いた、オードリーには珍しいシリアスなサスペンス映画です。

盲目という非常に難しい役柄、また製作にも携わっていた夫メル・ファーラーともすでに別居寸前の関係にあって、オードリーにとっては非常に過酷な撮影だったと言われています。

役作りのため、自ら視覚障碍者施設で訓練し、また美しい目の輝きを抑えるためにコンタクトレンズを着用したりしました。その結果、5度目となるアカデミー主演女優賞にノミネートされています。

公開年1967年
原題Wait Until Dark
監督テレンス・ヤング
共演アラン・アーキン
役柄犯罪に巻き込まれる盲目の妻スージー
見所オードリーには珍しいシリアス・サスペンス映画の秀作

パリの音楽学校でチェロを学ぶ学生アリアーヌが、私立探偵の父が調査する富豪のプレイボーイに興味を持ち、深入りしていく姿を描いたロマンチック・コメディの名作です。

ゲイリー・クーパー、モーリス・シュヴァリエという米仏を代表する大スターとの共演であり、『麗しのサブリナ』に続くビリー・ワイルダー監督の2作目の作品でもあります。

お金持ちのプレイボーイに惹かれていく純情な娘を演じたオードリーのキュートな魅力満載で、それを渋い二人の大御所がしっかり支えています。全編に流れる「魅惑のワルツ」も忘れられません。

公開年1957年
原題Love in the Afternoon
監督ビリー・ワイルダー
共演ゲイリー・クーパー、モーリス・シュヴァリエ
役柄音楽学校でチェロを学ぶ学生アリアーヌ
見所米仏の二大スターと共演したロマンチック・コメディの名作

結婚12年目の倦怠期を迎えた一組の夫婦の軌跡を、複数の時間軸で過去を交差させながら描いた一つのロードムービーです。

スタンリー・ドーネン監督から、これまでのオードリーのイメージを決定づけてきたジバンシィの着用を禁止されたため、マリー・クヮントやパコ・ラバンヌといった60年代最先端のモッズ・ファッションを身につけ、新たなオードリーの魅力が開花した作品としても知られています。

単なる容姿のみならず、恋のときめきと成就を描いた作品の多かったオードリーにとっては、その後の成熟と試練を描いた異色の物語が展開します。その結果、この作品のオードリーの演技をベストと評する人も少なくありません。

公開年1967年
原題Two for the Road
監督スタンリー・ドーネン
共演アルバート・フィニー
役柄建築家の妻ジョアンナ
見所演技力の確かさと新たな魅力が開花した人気作



下町で花を売る、品のない娘イライザが、言語学が専門のヒギンス教授の手により、上流階級の淑女に変貌していく姿を描いた大ヒットミュージカル映画です。

ジョージ・バーナード・ショーの戯曲『ピグマリオン』を原作とした、ブロードウェイ・ミュージカルの映画化作品です。ブロードウェイではジュリー・アンドリュースが主演しましたが、映画化にあたり、アンドリュースがスクリーンテストを拒否したこと、また映画界ではまだ無名だったことから、オードリーに白羽の矢が立ったといういわくつきの作品です。

アカデミー賞では作品賞含む8部門を独占し、オードリー最大のヒット作となりました。セシル・ビートンの担当した衣装も最高。歌唱はオードリー自身も録音しましたが、最終的にはほとんどが吹き替えとなりました。

公開年1964年
原題My Fair Lady
監督ジョージ・キューカー
共演レックス・ハリソン
役柄花売り娘のイライザ
見所オードリー最大のヒット作となった傑作ミュージカル

大富豪の御曹司兄弟と、専属運転手の一人娘サブリナの身分違いの恋を描いた、王道中の王道ロマンチック・コメディです。

オードリー・ヘプバーンを挟んで三角関係に陥る兄弟を、ハンフリー・ボガートとウィリアム・ホールデンという二大スターが演じているのも見どころ。また、「サブリナ」の名がつけられたヘアスタイルやファッションも大流行するなど、ある種の社会現象すら生み出しました。

『ローマの休日』の翌年の作品ですが、前作に劣らぬ評価を得、再びアカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。衣装はイーディス・ヘッドで、アカデミー衣装デザイン賞を受賞しましたが、実はメインとなる3点はすでにジバンシィのものでした。

公開年1954年
原題Sabrina
監督ビリー・ワイルダー
共演ハンフリー・ボガート、ウィリアム・ホールデン
役柄大富豪に雇われた専属運転手の一人娘サブリナ
見所数々の流行をうんだ、ロマンチックな三角関係

オードリーの相手役候補に何度も名があがりながら、年齢差等を理由に断られてきたケーリー・グラントとの共演がついに実現した作品です。

夫の謎の死を契機に、夫が戦時中に軍資金を横領していた事実が判明したばかりか、不審な男たちから付け狙われる美しい未亡人と、旅先でそれを助けようとする男の顛末をロマンチックに描いたミステリーです。

ケーリー・グラントのさすがの魅力はもちろん、悪党を演じたウォルター・マッソー、ジェームズ・コバーン、ジョージ・ケネディの名演も必見。ヘンリー・マンシーニの音楽、ジバンシィの衣装と、すべてが見事に組み合わさり、オードリー作品ならではの洗練された世界が完成しています。

公開年1963年
原題Charade
監督スタンリー・ドーネン
共演ケーリー・グラント
役柄命を狙われる未亡人レジーナ
見所洗練を極めたロマンチック・ミステリー

イタリアのローマを公式訪問していた某国の王女が、滞在先から逃げ出し、アメリカ人の新聞記者と短くもせつない恋を体験する姿を描いた、言うまでもなくオードリーの初主演作にして、代表作の一つです。

ローマの街が最高の舞台となっているのはもちろん、羽目を外す王女を演じたオードリーの容姿、キュートな立ち振る舞いすべてが世界を魅了しました。

アカデミー賞では10部門にノミネートされ、オードリーがアカデミー主演女優賞、イーディス・ヘッドが衣裳デザイン賞、さらに原案賞も受賞しましたが、原案は実は赤狩りのため身分を隠さざるを得なかったダルトン・トランボだったことは後日談として大きな話題になりました。

公開年1953年
原題Roman Holiday
監督ウィリアム・ワイラー
共演グレゴリー・ペック
役柄イタリアを外遊中の某国アン王女
見所オードリーを世界的スターへと押し上げた初主演作

いわくつきの過去を背負いながらも、自由奔放に生きる一人の高級娼婦と、同じアパートに引っ越してきた作家の卵の恋を、ニューヨークの大都会を舞台に描いたロマンチック・コメディの傑作です。

原作はトルーマン・カポーティの同名小説ですが、物語を大きく改変していること、またカポーティ自身はマリリン・モンローを想定していたことなどから、ネガティブな反応もありましたが、一方でヒロインのホリー・ゴライトリーは、オードリーらしさが存分に出た代表的役柄だと絶賛する声も少なくありません。

ヘンリー・マンシーニの音楽はもはや古典であり、またジバンシィがデザインした黒のカクテルドレスは、映画史上最も有名なドレスの一つに数えられています。

公開年1961年
原題Breakfast at Tiffany’s
監督ブレイク・エドワーズ
共演ジョージ・ペパード
役柄ティファニーに憧れる、自由気ままな高級娼婦ホリー
見所ロマンチック・コメディ映画史上最も有名なヒロインの一人



オードリー・ヘップバーンの映画で古き良きハリウッド映画を楽しむ

以上、個人的な主観によりオードリー・ヘップバーンのおすすめ作品を10作ご紹介しました。

ランキング内の多少の上下、あるいは別の推し作品が1.2作ある方もいるでしょうが、おおむね定番の10作ではないかと思います。

個人的には、他にもウィリアム・ホールデンとの二度目の共演となった『パリで一緒に』や、ショーン・コネリーと共演した晩年の『ロビンとマリアン』なども、この10作に劣らぬ好きな作品です。

多くの出演者たちがすでに故人であることも多く、古き良きハリウッド映画を代表する名作をもう一度、堪能してみてはいかがでしょうか?

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