『特捜部Q』全シリーズを解説!【ネタバレあらすじ/原作】

特捜部Q映画

北欧ミステリーを代表する作品の一つとして知られるデンマークの『特捜部Q』シリーズ。

原作ともども、人間のどろどろとした闇に切り込むダーク極まる展開で、世界中のファンを魅了しています。

そこで、同シリーズの概要と原作、そして2022年現在映画化されている全5作品のあらすじを、ネタバレありでできるだけわかりやすくご紹介したいと思います。

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映画『特捜部Q』シリーズとは?

原作は、世界数十か国で翻訳されている、デンマークの作家ユッシ・エーズラ・オールスンのミステリー小説。

北欧ミステリーが世界的人気を博する火付け役となった『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』のニコライ・アーセルが脚本を手がけた映画シリーズです。

2007年の第1作目から、2022年現在、全9作が発表されている原作に対し、その順番通りにこれまで5作目まで映画化されました。

中でも、4作目の『カルテ番号64』は、原作も一大ベストセラー、映画も本国デンマークで歴代興行成績第1位の快挙を達成。5作目からはキャスト、スタッフ陣も一新しつつ、今なお世界中のファンが新作を待ち続ける人気シリーズとなっています。



特捜部Qの主要登場人物

■カール・マーク/ニコライ・リー・コス(1~4)、ウルリッヒ・トムセン(5)

気難しく頑固であり、捜査にのめり込んで暴走する刑事が、カール・マークです。妻とは別居から離婚。息子が一人いますが、血のつながりはありません。気性が激しく、人間的にはかなりの欠陥があります。

■アサド/ファレス・ファレス(1~4)、ザキ・ユーセフ(5)

カールとは正反対に、辛抱強くて思いやりがあり、捜査も地道に続けるイスラム系移民の男性がアサドです。カールの唯一の理解者ともいえ、感情的になって暴走するカールを抑える役割です。

■ローセ/ヨハンネ・ルイーズ・スミット(2~4)、ソフィー・トルプ(5)

2作目から登場する特捜部Qの秘書がローセです。機転が利き、調査・分析能力に長けています。

■ヤコプスン/セーレン・ピルマーク(1~4)、ヘンリク・ノエル・オルセン(5)

特捜部Qを管理下に置いている殺人課の課長です。権威に弱く、カールの捜査方法にも否定的で、何かと横やりを入れてきます。

『特捜部Q』シリーズ全5作のあらすじ<ネタバレあり>

2022年8月現在、シリーズはAmazonプライムビデオで4作目までが見放題配信、5作目が有料配信されています。

1作目:『特捜部Q 檻の中の女』【2015】

特捜部Q 檻の中の女(字幕版)
殺人課の敏腕刑事カール・マーク。厄介者扱いされて新部署「特捜部Q」への転属を命じられた彼は、助手のアサドと共に未解決となっている美人議員ミレーデ・ルンゴー失踪事件の捜査に着手する。5年前、弟との船旅の途中で行方不明となったミレーデは、当時の捜査で“船上からの投身自殺”と結論づけられていた。だが、次々と新事実明らかになっ...

強引な捜査で仲間を殉職と寝たきりに追いやった殺人課の刑事カール・マーク。自身は3か月後に復職したものの、過去の未解決事件の資料を整理するだけの新部署「特捜部Q」に左遷されてしまいます。倉庫から異動してきたアサドと嫌々ながら組むことに…。

そんな中、カールは5年前に起きた一人の女性ミレーデの失踪事件に目を留めます。フェリーから投身自殺なのか、そうでないのか。知的障害を持つ弟ウフェも乗船していました。

カールとアサドが、実際にフェリーに乗船して捜査した結果、ミレーデがいなくなったウフェを探していたこと、一方のウフェは謎めいたレインコートの男と一緒にいた事実を知るのでした。

実は、ミレーデはレインコートの男にフェリー内で拉致され、加圧室の密室に監禁されていたのです。

サナトリウムで療養中のウフェを訪ねた二人は、姉弟が幼い頃に事故で両親を失い、その結果、ウフェが解離性障害を発症したことを教えられます。また、事件の一か月前、スウェーデンで開かれた会議に出席したミレーデが、一人の男と一夜を過ごしていたという事実も判明。会議の参加者の写真の中から、ウフェが激しく反応した男は、ダニエル・ヘイルなる人物でした。

ところが、ダニエルは、ミレーデの失踪後まもなく溺死。ダニエルを殺し、成りすましていた男の名前はラセで、二人は孤児院仲間だったことが判明します。

カールとアサドは、職務逸脱で停職処分となりますが、それを無視して、孤児院で聞き込み。その結果、ラセことラースは、幼い頃に交通事故によって父と妹を亡くし、母も障がい者になったという過去をもっていることが判明します。つまり、ミレーデが車内でふざけていたせいで起こった自動車事故に巻き込まれたもう一つ家族の生存者であり、そのことでミレーデに恨みを持っていたのです。

カールらは、ラースの母の家でついにラースを発見。壮絶な闘いの後、ついに倉庫に監禁され、瀕死のミレーデを救出することに成功するのでした。

カールは殺人課への復職を認められるますが、自由に捜査するという条件で、アサドと組んで特捜部Qに残る道を選びます。

2作目:『特捜部Q キジ殺し』【2016】

特捜部Q キジ殺し(字幕版)
「特捜部Q」のカールとアサド、そしてローセの3人に託された20年前の事件ファイル。それは名門寄宿舎学校の近くでおきた兄妹惨殺事件だったが、犯人は事件発生直後に逮捕され“終わった”案件。だが、あらためてファイルを見返すと、特定の人物に対する捜査が不十分なまま打ち切られ、事件の夜に通報してきた少女キミーが失踪するなど不審な...

ローセという新しい秘書も加わり、3人のチームとなった特捜部Q。

そんな中、カールのもとに再捜査の依頼をしてきた初老の男ヤーアンスンが断られて翌日自殺。元警部のヤーアンスンは、20年前に双子の子ども、トーマスとマリーを殺害され、その真相をいまだ追っていたのです。犯人ビャーネはすぐ逮捕されたものの、精神疾患を理由にわずか3年で出所。その時の弁護士は金持ち専門のベント・クルムであり、金のないビャーネを弁護した点も不可解で…。

カールとアサドがビャーネを訪ねると、今もやはり裕福な暮らしをしていました。さらに、双子殺害の1時間後に泣きながら通報してきたのが、キアステンという女性であり、現在は消息不明である事実が判明します。

キアステンは、預けられた寄宿学校で、物理の教師にレイプされたことになっていましたが、実はキアステンが誘惑した罠。そればかりか当時、数々の暴行やレイプ事件が寄宿学校の周辺で発生していたこと、キアステンの恋人ディトリウ、連れのウルレクの3人がつるんでいたことも…。

現在は富豪のホテル王となっているディトリウを訪ねると、キアステンとは短い間つきあっていただけだと関係を否定しますが、カールは、ディトリウとウルレク、弁護士のクルムが一緒に写った写真を発見します。

そんな中、駅でキアステンが目撃されます。心を病み、浮浪者のようになったキアステンは、刺青の男に襲われ、女友達も殺されてしまいます。カールに暴行を加えて逃走した跡からは、胎児のミイラが発見されるのでした。

20年前、寄宿学校時代のキアステン、ディトリウ、ウルレク。ドラッグを提供してくれるビャーネも加わり、4人は暴力の限りをつくしていました。物理の教師をレイプ犯に仕立てたのも、ディトリウの命令。そんな中、キアステンはひそかにディトリウの子を身ごもったのです。

キアステンは、自分を襲った刺青の男を見つけ出して殺害。黒幕がディトリウであることを知り、ディトリウの屋敷に出現したところを警察に捕まってしまうのでした。

状況証拠は、キアステン側に不利な中、カールは、キアステンからウルレクが犠牲者の遺物を収集する性癖があることを教えられます。アサドもディトリウの妻の協力をえることに成功し、カールとともにウルレクの家に侵入して数々の証拠品を発見。ところが、逃げる途中に矢で撃たれて二人とも捕まってしまいます。そんな二人を助けたのは、留置所から逃走してきたキアステンでした。

20年前の真実は、トーマスとマリーの双子も、4人の暴力とレイプにあいましたが、その際、ウルレクの顔を見られたことで殺害されたこと。妊娠を嫌ったディトリウに暴行されたキアステンが、そこから逃げ出したのです。

カールを撃とうとしたウルレクを、アサドが銃殺。キアステンはディトリウを殺し、自らも死を選びます。

3作目:『特捜部Q Pからのメッセージ』【2017】

特捜部Q Pからのメッセージ(字幕版)
未解決事件を扱う特捜部Qに、また新たな捜査の依頼がやってきた。海辺を散歩していた町人がボトルの中に「助けて」と書かれた手紙を見つけ、Qに送ってきたのだ。手紙はどうやら7、8年前に書かれたもので、インクが滲み殆ど読めない。唯一の手がかりは差出人の頭文字

特捜部Qに持ち込まれた、浜辺で見つかった助けを求めるメッセージ入りのボトル。

かろうじて判読できる文字から、「エホバの証人」と関係があり、誘拐されたPのつく子どもが書いたものと推測します。さらにある地名が判明して学校で聞き込みをすると、「エホバの証人」信者の子どもであるトレクヴェが一時在籍しており、彼の兄の名前がポウルであったことがわかります。

トレクヴェは、何者かに誘拐され監禁された場所で、兄は殺されたと白状します。場所はわからず、ただ特殊な金属音が絶えずしていたこと、そして親は信仰上の理由から警察に通報しなかったこと…。両親は宗教儀式の一環で睡眠薬を飲んですでに死亡していました。

一方、ある農村で幼い姉弟の誘拐現場が目撃されるも、やはり警察への届けがないという情報が入ります。カールとアサドが聞き込みを行った結果、敬虔な「神の弟子」の信者であるイリーアス一家に不可解な動きがあり、ようやく子どもが誘拐された事実を認めるのでした。犯人は家に出入りしていたヨハネスを名乗る神父であり、身代金を要求。

イリーアスを説得し、身代金を渡す場所に指定された列車に、私服警官たちが乗り込みます。ところが、電話で外に投げるよう指示され、イリーアスも一緒に飛び降りてしまい…。イリーアスはヨハネスに刺されますが、車で列車と並走していたカールとアサドによって救出されます。

しかし、逃してしまったヨハネスが、医師に扮し、イリーアスの運ばれた病院に出現。イリーアスを殺害し、さらに追いかけてきたカールを捕えて逃走してしまうのでした。

ヨハネスが落としていった女性の写真から、アサドは、レベッカという盲目の女性を突きとめ、面会します。犯人トマスの姉であり、ヨハネスは偽名でした。盲目になったのは、狂信的な母親の仕業であり、虐待に耐え兼ねてトマスが母親を刺し殺した過去が明らかになります。

一方、トレクヴェの音の記憶から、風力発電が近くにある船小屋であることが判明。実際、そこには誘拐された姉弟とカールが監禁されていました。トマスは自分を悪魔の子だと名乗り、3人を殺そうとしますが、間一髪でアサドによって助けられ、トマスは海の中に沈んでいきます。

船小屋の水中で見つかったポウルの骨も見つかり、葬儀が行われます。そこで、無神論者だったカールは、初めて涙を流すのでした。



4作目:『特捜部Q カルテ番号64』【2019】

特捜部Q カルテ番号64(字幕版)
A series of mysterious disappearances in 2006 are eerily connected to the same institution.

1961年、従兄との恋愛を父親に反対され、スプロー島にある更生のための女子収容所に隔離されたニーデ。カルテの番号は64、担当看護師はギデ。ニーデは、密かに妊娠していましたが、レズビアンのリタと同室に収容されます。

時が過ぎて現在、あるアパートの壁を壊すと、そこからテーブルを囲んだ3体のミイラが発見されます。カールと、異動を1週間後にひかえたアサドが捜査にあたりますが、椅子がもう一つ空席であることに気づきます。

鑑識の結果、ミイラは12年前のもので、1体はニーデ、男性のミイラはフィリップ、もう1体は娼婦のリタであるとされ、植物ヒヨスによる毒殺だと判明。部屋の持ち主だったギデが容疑者となりますが、行方不明にもかかわらず、家賃だけは今も定期的に支払われているのでした。

フィリップは、12年前に愛人と失踪した男であり、妻に話を訊くと、スプロー島の女子収容所に関わる訴訟の弁護士だったことがわかります。また、ギデはスペインのマラガに居住していることが判明して国際手配されますが、すでに家を出た後でした。

カールらは、スプロー島の管理人ブラントの案内で旧施設を視察。そして、当時の医師が、今や不妊治療の大家となっているクアト・ヴァズ、助手がギデ、患者がニーデとリタ、クアトが強制不妊手術で訴えられたときの弁護士がフィリップであった、という繋がりが明らかになるのでした。

1961年、実は、ニーデはリタにそそのかされて脱走を企てましたが、それはクアトが仕組んだ罠であり、ニーデは捕えられて、強制中絶および不妊手術をさせられたのです。

島の管理人ブラントが特捜部に情報をリーク。クアトは、優生保護のため、中絶手術をするふりをして不妊手術をしており、医師、政府や警察などにも協力者のいる組織であること。またその対象は、彼らが劣等とみなす移民の娘たちであり、その証拠動画を見たアサドは、映っているのが知り合いの娘ヌールであることに気づきます。

一方、捜査の手が迫っていることに気づいたクアトは、協力者に命じてブラントを殺害。カールとアサドも、バイクの男に命を狙われます。

ギデになりすましているのは、殺された3人に恨みを持つニーデだと睨んだカールは、逃走のため国境越えで自分のパスポートを使ったのを手掛かりに、居場所を探り当てます。

船の上で、ニーデはカールに殺害を自白。収容所の閉鎖後、念願の従兄と再会したものの、子どもを持てないことからすぐに別れたこと。3人の殺害は、クアトが大切にしていたある死んだ一家の写真にならったこと。最後の一人クアトを殺さなかったのは、後年にまた従兄と一緒に暮らし始め、憎しみを手放したからだと語ります。カールは、一人でやってきたのは、ニーデを逃すためであり、必ずクアトを逮捕すると約束。ニーデは従兄の遺灰を海にまくと言って、船から姿を消してしまうのでした。

一方、ヌールがクアトの病院に一人で乗り込んで監禁されたことを知ったアサドが救出に向かいます。クアトの部屋で眠らされているヌールを発見。しかし、そこに駆け付けたかに見えた同僚の警官は、実はクワトの協力者であり、アサドが撃たれてしまいます。船から慌てて駆け付けたカールは、警官の腕のケガから、自分を襲ったバイクの男だと見抜いてもみあった結果、警官は転落死。アサドとヌールを救出し、クアトはついに逮捕されるのでした。

ヌールがテレビに出演して告発する様子を、どこかの場所で見ているのは、ニーデ。カールは、意識を取り戻したアサドに、特捜部に残って欲しいと、初めて本心を告白します。

5作目:『特捜部Q 知りすぎたマルコ』【2022】

特捜部Q 知りすぎたマルコ(字幕版)
過去の未解決事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の部署「特捜部Q」。ある事件の逮捕直前に犯人の自殺を目の当たりにした警部補・カールは、6週間仕事から離れ休養するように指示されていたが、早々に現場に復帰していた。カールと相棒のアサドは、小児性愛者の疑いのある公務員・ヴィルヤム・スタークの失踪事件を調査していた。ある日、デン...

国境沿いの列車の中で保護された少年マルコが持っていたのは、小児性愛者の疑惑をかけられたまま4年前に失踪した男スタークのパスポート。カールとアサドは、マルコと面会するも、頑なに口を閉ざしたまま。スタークの残された妻子にも話を訊きますが、二人ともそんな事実はありえないと否定します。

やがて、マルコが施設を脱走。働いている父親に会っていました。

カールとアサドは、職員であったスタークについて調べるため、外務省のレニを訪ねます。レニは、スタークがアフリカ開発援助にまつわる汚職に手を染めていたこと、また後任者のタイス・スナプが、パソコンに小児性愛の写真を見つけたと告白します。

カールらは、タイスに話を訊こうとしますが、明らかに挙動不審。しかも、その後、ひそかに指示役とみられる謎の男に会っていました。

マルコの父の仕事仲間ゾーラが、秘密を警察にばらすことを恐れて、マルコを拉致。しかし、防犯カメラの映像から所在をつきとめたカールとアサドによって、大けがを負いながらも無事救出され、病院に運ばれます。

そんな中、スタークの性被害を告発していた女性が謎の死を遂げます。しかも、女性の父は告発の直後に大金を受け取っており、その後にやはり死を遂げていました。

カールは、スタークの娘が描いた絵に、少年が描かれていることに気づきます。それは、マルコであり、娘は、父のネックレスを自分に渡してくれたのだと…。そのことを、マルコに話すと、ようやくすべてを告白し、捜査に協力すると約束するのでした。

マルコの証言により、ゾーラがスタークを殺害した現場の池で、スタークの遺骨が発見されます。しかし、カールは、黒幕はタイスだと推測します。実は汚職を暴こうとしていたのはスタークの側で、それを隠蔽するため、濡れ衣を着せて殺したのではないか。

そんな中、遺体発見現場の土地の所有者が、アフリカの開発にも関与するある不動産会社であり、設立者はブラーゲ=スミト、タイスはその右腕であった事実が判明します。

追いつめれられたタイスは、ブラーゲ=スミトの屋敷を訪れて殺害しますが、そのタイスも、外務省のレニによって殺害されてしまうことに…。カールが到着したときには、屋敷はすでに炎に包まれていました。

一方、ゾーラとマルコの父が、マルコを施設から連れ出して逃走。最後は、アサドがゾーラを射殺し、マルコは無事救出されます。すべての犯行は死んだタイスが仕組んだものとされますが、カールはすれ違った車のドライブレコーターの記録からレネを突き止め、逮捕に至るのでした。



ユッシ・エーズラ・オールスンと原作について

原作者のユッシ・エーズラ・オールスンは、1950年8月2日、デンマークのコペンハーゲン生まれ。漫画や映画などの研究者を経て、1985年にアメリカ人コメディアンのグルーチョ・マルクスに関する著作で作家デビューしました。

父は性科学者であり、幼少期から精神病院が身近な場所だったという生い立ちが、作品に強い影響を与えていると言われています。

1997年に発表した『アルファベット・ハウス』は高く評価され、自身初の映画化。刑事カール・マークを主人公に、2007年に1作目を発表したのが『特捜部Q』シリーズです。

既述のとおり、原作シリーズはすでに9作品が発表されており、その発行順に映画化されています。まだ映画化されていない6作目以降は、下記の通りです。

■6作目『特捜部Q―吊された少女―』(2015年日本語版刊行)

コペンハーゲン警察の特捜部Qは未解決事件を専門とする部署だ。ある日ここに一本の電話が入った。けんもほろろに応対したカール・マーク警部補は翌日、電話をかけてきた老警官が、自分の退官式で自殺したと知る。17年前、少女が轢き逃げされ、木から逆さ吊りになり絶命しているのが見つかった事件があった。その事件に取り憑かれていた老警官には、Qが最後の頼みの綱だったのだ。仕方なくカールは重い腰をあげるが…。シリーズ第6弾!

引用:紀伊國屋書WEB STORE、作品紹介ページより

■7作目『特捜部Q―自撮りする女たち―』(2018年日本語版刊行)

これまで数々の未解決事件の謎を暴いてきた特捜部Q。だがアシスタントのローセの精神的不調に加え、部は予算不足により解散が囁かれる事態に。そのさなか、部の責任者であるカールに、殺人捜査課の元課長から電話が入る。最近起きた老女撲殺事件が未解決の女性教師殺害に酷似しているとの情報だった。元上司の懇願にカールは重い腰を上げ、管轄外である、現在進行中の事件の捜査に勝手に乗り出すが…。シリーズ第7弾。

引用:紀伊國屋書WEB STORE、作品紹介ページより

■8作目『特捜部Q―アサドの祈り―』(2020年日本語版刊行)

キプロスの浜辺に、難民とおぼしき老女の遺体が打ち上げられた。新聞で「犠牲者2117」として紹介された彼女の写真を見たアサドは慟哭し、ついに自らの凄絶な過去を特捜部Qのメンバーに打ち明ける。彼女は、彼が生き別れた最愛の家族とつながりを持つ人物だった。一方、Qには謎の男から殺人予告の電話がかかってきた。Qの面々は男が凶行にいたる前にその所在をつきとめられるのか?北欧警察小説の最高傑作シリーズ!

引用:紀伊國屋書WEB STORE、作品紹介ページより

■9作目『Natrium Chlorid(原題)』(2021年デンマーク刊行、日本語版未刊行)

「Natrium Chlorid」とは直訳すると「塩化ナトリウム」。2022年秋に日本語版に先立ってリリースされる英語版のタイトルは『The Shadow Murders』、直訳すると「影の殺人者たち」です。

『特捜部Q』シリーズ5作品を観ての感想

北欧ミステリーの特徴として、虐待、レイプ、処刑、リンチ、拘束、監禁など、かなりダークなキーワードが思い浮かびます。

福祉が充実し、何かと幸福度の高さをうたわれる北欧ですが、それが表向きの顔にすぎず、その裏側に隠された、歪んだ人間の深い闇が、根底に流れているのではないでしょうか。

本シリーズもまさにそんな世界観に彩られており、少々展開が雑で詰め込み過ぎの感はありますが、スリリングな面白さに満ちているのは事実でしょう。

しばしば言われているとおり、残念ながらキャストを一新した5作目の完成度はあまり高くありません。

カールがあまり清潔感のない老人になってしまったこと、またアサドの影の薄さなど、さまざまな欠点があるのは認めつつ、まだ1作のみですので、評価は今後の展開を待ちたいと思います。

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