小津安二郎監督、必見のおすすめ映画ベスト10【傑作ランキング】

小津安二郎 映画

俗に「小津調」と呼ばれる独特の世界を持つ作品を世に送り出し、日本を代表する巨匠として誰もが認める小津安二郎。

1963年にの60歳で亡くなるまで、サイレント映画を含む全54作品を発表しました。

ここでは、戦後に公開された映画の中から、必見作としておすすめの10作を選び、ランキング形式でご紹介したいと思います。

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世界の巨匠・小津安二郎のプロフィール

小津安二郎は、1903年12月12日、東京(現在の江東区深川)生まれで、10歳の頃、父の郷里である三重に移りました。そのまま三重で小学校の代用教員になりますが、1年でやめて上京。1923年に松竹蒲田撮影所に入社して映画の道に進みました。

撮影助手から始まり、1927年に時代劇『懺悔の刃』で監督デビューを果たします。サイレントからトーキーへの移行や太平洋戦争などを挟みつつも次第に名声を高め、脚本家の野田高梧と組んで「小津調」と呼ばれる独特の作風を確立していきました。

1958年には『東京物語』が英国サザーランド賞を受賞するなど、海外での評価も一気に高まります。今や、ジャン=リュック・ゴダール、ヴィム・ヴェンダース、ジム・ジャームッシュら世界中の多くの映画人に多大な影響を与えた映画界の巨匠として広く知られています。

1963年12月12日の満60歳の誕生日に亡くなるまで、全54作品を発表しましたが、中には現存していないサイレント作品も多数あります。

また、小津のミューズともいえる原節子との名コンビが有名ですが、生涯独身を通しました。

傑作ランキングTOP10

10位:小津安二郎が初めて松竹を離れて撮った『宗方姉妹』(1950)

出来の悪い夫が失業中のため、バーで働いて家計を支えている姉の節子と、そんな古風な生き方が理解できない、自由奔放な妹の満里子。節子には、家具の店を営む初恋の相手、田代という存在があるのですが……。

2人の姉妹の異なる生き方を軸に、時代とともに変貌しつつある価値観や家族の姿を描いた秀作です。節子を田中絹代、満里子を高峰秀子、田代を上原謙、節子の夫を山村聡と、豪華スターの競演も見どころ。

大佛次郎の同名小説を原作に、文芸路線を推し進めていた新東宝に招かれ、小津安二郎が初めて松竹を離れて撮った作品でもあります。

9位:すれ違う夫婦の関係をしみじみと描く『お茶漬の味』(1952)

丸の内に勤めるエリート商社マンながら、実は長野の地方出身で素朴な生活を好む夫と、上流階級出身で有閑マダムの妻。中年期に差し掛かった夫婦のすれ違いと邂逅を、しみじみとしたエピソードを交えて描きます。

終盤、2人が向かい合ってお茶漬を食べるシーンの味わい深さ。また、後楽園球場でのロケや、ラーメンといった当時の食文化など、昭和20年代の風俗を楽しめるのも本作の魅力の一つです。

真面目人間の夫・茂吉を佐分利信、派手に遊ぶ妻・妙子を木暮実千代が演じているほか、姪を津島恵子、その恋人を鶴田浩二などフレッシュな若手が脇に配されています。

8位:小津映画では岸惠子唯一の出演作となった『早春』(1956)

東京の蒲田に暮らす、正二と昌子の共働き夫婦は、子どもを病で亡くしたこともあり、互いに微妙な溝を感じていました。そんななか、正二が、通勤仲間だった千代と関係を持ってしまいます。それに気づいた昌子が家を飛び出して……。

倦怠期を迎えた夫婦の危機とサラリーマンの悲哀を、高度経済成長前の東京を舞台に描きました。

夫婦役には池部良と淡島千景、そして浮気相手の女性を岸惠子が演じています。東宝の大スターだった池部、『君の名は』で一躍人気女優となった岸が、ともに唯一出演した小津作品として、どこか異色の味わいがあります。

7位:岩下志麻が娘役を演じた小津安二郎の遺作『秋刀魚の味』(1962)

妻に先立たれ、男手一つで育てた娘を嫁がせる父の悲哀を、周囲との人間関係を交え、軽やかに描いた秀作です。

父にはいつものごとく笠智衆が扮していますが、娘役に抜擢された岩下志麻のみずみずしさが、本作に新しい魅力を加えました。他にも、長男夫婦を演じる佐田啓二と岡田茉莉子、行きつけのバーのママを演じる岸田今日子、恩師役の東野英治郎ら、個性的で多彩なキャラクターが織りなす人間模様も見どころです。

父と娘の関係をただ正面から描くにとどまらず、老いの孤独感がそこはかとなく漂い、晩年の作品らしい感慨があります。実際、小津は本作の翌年に死去したため、事実上の遺作となりました。

6位:小津安二郎が大映で撮影した異色作『浮草』(1959)

小さな港町にやってきた旅回り一座。座長の駒十郎が、昔の女にうませた息子の清と、叔父を装って再会します。ところが、駒十郎の今のつれあいである役者のすみ子が嫉妬にかられ、若い団員の加代に清を誘惑するよう仕向けます。

前年の作品『彼岸花』で山本富士子に出演してもらったお返しとして、小津安二郎が大映で監督した異色作で、1934年に発表した『浮草物語』のセルフリメイクです。

駒十郎を中村鴈治郎、すみ子を京マチ子、加代を若尾文子が演じるなど、いつもの小津組とは違うキャストの共演も見どころです。小津の第二の故郷とも言える三重県志摩で、叙情豊かに撮影されました。



5位:山本富士子を迎えた小津初のカラー作品『彼岸花』(1958)

他人の娘の恋愛には寛容なくせに、いざ自分の娘の結婚話となると、とたんにうろたえ戸惑ってしまう父の姿を描いた、小津映画初のカラー作品です。

父を佐分利信、妻を田中絹代、娘を有馬稲子が演じたほか、松竹のライバルだった大映の看板女優、山本富士子を大胆にキャスティングして話題になりました山本富士子とその母を演じた浪花千栄子のコミカルで屈託のない親子関係が、これまでの小津映画にはなかった明るく華やかな味わいを加えています。

他にも、佐田啓二や久我美子ら、初のカラー作品にふさわしい豪華なキャストが揃いました。小津と同じ鎌倉住まいで交遊のあった作家の里見弴が原作を書き下ろしています。

4位:原節子と初めて組み、小津調スタイルを確立した『晩春』(1949)

小津安二郎が原節子を起用した最初の作品です。そればかりか、本作をきっかけに、娘の結婚を軸にした家族の関係を淡々と描くホームドラマのスタイルを確立した、とも言われる重要な位置づけの作品でもあります。

妻を早くに亡くし、鎌倉で娘の紀子と2人暮らしを続けてきた大学教授の周吉。婚期を逃しつつあった紀子のことを心配する周吉は、妹がもってきた再婚話に乗ったふりをして、娘の背中を押そうとするのですが……。

笠智衆扮する周吉が、嫁いだ紀子のいなくなった家で、一人林檎の皮を剥くラストシーンに胸を締め付けられます。

廣津和郎の小説『父と娘』が原作であり、久しぶりに組んだ脚本家の野田高梧とは、本作以後全作品の名コンビとなりました

3位:原節子が初めて母親役を演じた『秋日和』(1960)

夫の七回忌を終えた未亡人の秋子と一人娘のアヤ子。そろそろ婚期をむかえつつも、母を心配して二の足を踏むアヤ子の背中を押すため、旧友の親父三人組が余計なおせっかいで秋子の再婚話をすすめます。親子で旅した伊香保で、秋子は自分の気持ちをしみじみと娘に語るのでした。

『彼岸花』に続く、里見弴の小説が原作で、これまで娘役を演じてきた原節子が、初めて母親の役を演じた作品としても知られています。また、これまで父と娘の関係を描くことの多かった小津が、母と娘を軸に描いた点でも異色作だと言えます。

娘のアヤ子を演じた司葉子は、原節子が引退したあとも、亡くなるまで交友があった数少ない女優です。アヤ子の気の強い友人役で岡田茉莉子が出演しました。

2位:イギリスで史上最高の映画に選ばれた『東京物語』(1953)

尾道に住む老夫婦が、東京に暮らす長男と長女一家を訪ねます。ところがそれぞれの家庭の事情や日常の慌ただしさから、薄情ともとれる扱われ方をされるのに対し、戦死した次男の嫁だけが、心から親身になってもてなしてくれるのでした。

淡々と描かれる日常と穏やかな老夫婦のあり様に、家族観の移り変わりや日本的死生観を織り込み、味わい深い余韻と感動を残します。

2012年にイギリスの映画雑誌で、監督が選ぶ史上最高の映画第1位に選ばれたこともある不朽の名作です。他にも傑作映画ランキングでは、必ず上位に名を連ねるなど、日本映画がうんだ至宝とも言える作品でしょう。

老夫婦を笠智衆と東山千栄子、次男の嫁が原節子、長男が山村聡、長女が杉村春子、次女を香川京子が演じています。

1位:小津の熱狂的ファンが押す、隠れたNo.1『麦秋』(1951)

間宮家は、祖父母から孫まで三世代が同居する大家族一家。東京の会社に勤める長女・紀子の結婚話で揺れる家族関係を、鎌倉を舞台に美しいほど詩情豊かに描いた作品です。

『晩春』『東京物語』と合わせ、原節子が紀子という名の女性を演じた「紀子三部作」の2作目にあたります。

老夫婦を菅井一郎と東山千栄子、長男を笠智衆、その嫁を三宅邦子、長女を原節子が演じました。いつもは父と娘に扮する笠と原が、本作ではめずらしく兄妹の設定です。

『東京物語』ではなく、実は本作をベストに挙げる小津の熱狂的なファンも多いと聞きます。事実、小津と名コンビだった脚本家の野田高梧が、最も気に入っていた作品でした。

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*本ページの情報は2020年5月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

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