【アメリカンホラーストーリー1984】ネタバレ考察:あらすじとキャスト

アメリカン・ホラー・ストーリー1984 ドラマ

ドラマ『glee/グリー』や『POSE/ポーズ』、映画『ノーマル・ハート』や『ザ・プロム』など数々のヒット作を送り出しているライアン・マーフィーの代表作ともいえる『アメリカン・ホラー・ストーリー』。

毎シーズン異なる物語が展開する同シリーズのシーズン9となるのが「1984」です。

個性的な登場人物たちの、表と裏の顔が織りなす凄惨な物語が秀逸で、本作をシリーズNo.1に挙げるファンも少なくないのだとか……。

そこで本記事では、主要登場人物15人のキャラクター設定と各話のあらすじを、完全ネタバレありで徹底考察したいと思います。

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『アメリカン・ホラー・ストーリー:1984』を徹底考察・解説!

残酷でおぞましいホラー物語を、スタイリッシュに描く、奇才ライアン・マーフィーの大ヒットドラマシリーズが『アメリカン・ホラー・ストーリー』です。

2011年にスタートし、毎シーズン異なるテーマと登場人物で、2024年現在までシーズン12まで配信中です。

実際に起きた事件や実在の人物をモデルにしている場合も多く、また基本的にテーマも登場人物もシーズンごとに一新しますが、同じ俳優が何度もキャスティングされ、毎回違う役柄を演じていくというのも一つの見どころとなっています。

シーズン9のテーマは、タイトル通り1980年代。

主な舞台は、カリフォルニアの山中にあるキャンプ場であり、1970年に大勢のサマーキャンプ指導員が惨殺された事件が起きた場所という設定です。1984年夏、そのキャンプ場が14年ぶりに再開され、5人の若者が指導員としてやってきたことで、再び地獄のドアが開くのです。

1970年の事件で捕まった犯人のミスター・ジングルズと、もう一人サタンに魂を売り渡した殺人鬼ナイトストーカーという別々の凶悪殺人鬼が同時にキャンプ場を襲うのが特徴です。

本シーズンの見どころポイントを以下の5つにまとめました。

①物語が進むにつれ、主要登場人物それぞれの過去と裏の顔が明らかになっていき、それが事件とも関わっていきます。

②フラッシュバックを多用した時間軸の構成が非常によく練られており、どんでん返しが何度も用意されています。

③「ナイトストーカー」とは、1984年から約1年のうちに13人を惨殺した実在した殺人鬼です。その通りのキャラクターで登場します。

④80年代に世界的ブームとなったエアロビクスやVHSビデオなど風俗はもちろん、当時のヒット曲が随所にちりばめられ、陰惨な物語をポップにスタイリッシュに盛り上げます。ビリー・アイドルがカギになっているほか、カジャグーグー役も登場します。

⑤本シーズンにも多くの常連俳優が出演していますが、前シーズン8とは違い、過去シーズンとは一切のつながりがなく独立した物語です。

以上をより深く考察するため、まず登場人物、続いて全9話の各話あらすじの順に、完全ネタバレありで解説したいと思います。



主要登場人物/キャスト15人の表と裏の顔

既述のとおり、多くの登場人物に人には言えない過去があり、裏の顔が物語の進行とともに、明らかになっていく面白さがあります。

裏の顔は閉じページに書いてあります。

1.ブルック/エマ・ロバーツ

LAに引っ越してきたばかりの女子大生。一見、穏やかで優しい女性ですが、意外な強さを持ち合わせています。のちに、レイと心を通じ合わせることに……。

結婚式のとき、ブルックと男友達サムの浮気を疑った花婿ジョーイが、サムを銃殺し、自身も目の前で自殺してしまったという過去を持つ。

2.モンタナ/ビリー・ラード

大会での優勝をめざすエアロビのダンサー。はすっぱな外見で、やさぐれた雰囲気の女性です。のちに野外活動監督のトレヴァーといい仲になります。

ブルックの結婚式で巻き沿いをくって射殺されたサムは、モンタナの弟。エアロビのインストラクターをしていたときにラミレスと知り合い、ブルックに復讐するため、殺害を依頼していた。

3.ゼイヴィア/コーディー・ファーン

俳優志望のエアロビ・インストラクター。態度は傲慢ですが、虚勢を張っているだけで、実は臆病な弱虫。

薬物中毒で堕落していたところを、ゲイの裕福な男ブレイクに助けられ、援交していた過去を持つ。ゼイヴィアは関係を切りたがっていますが、昔ポルノ映画に出演したビデオを脅迫材料に、関係の継続を迫られている。バーティとの一件で、意外と心優しい善人であることが判明。

4.チェット/ガス・ケンワージー

薬物検査に引っ掛かり、ロサンゼルス・オリンピックの代表チームを外されていじけているマッチョのアスリート。体が自慢のナルシストです。

実は、ステロイドを使用。

5.レイ/デロン・ホートン

医療関係の仕事をしつつ、実はドラッグ好きの黒人青年。ブルックといい仲になります。

大学時代、新入生の歓迎会で、一人のアジア系学生を誤って死に至らしめてしまった過去があります。罪悪感から立ち直れず大学を中退。最近、彼の車が見つかり、車内から自分が関係している証拠が見つかることを恐れています。

6.マーガレット/レスリー・グロスマン

死んだ夫の遺産でレッドウッド・キャンプ場を買い取って再開した女性オーナー。信心深く、厳格。猟奇殺人事件が起きた1970年、キャンプ場指導員の一人で唯一の生存者であり、辛い過去を清算するため、このキャンプ場を再開した。

実は、1970年の惨殺事件の真犯人。自分をいじめた指導員仲間たちが許せず、復讐のため全員殺したあげく、無実のジングルズを犯人に仕立て上げた。

7.トレヴァー/マシュー・モリソン

野外活動の監督で、指導員たちを統括するボス。エアロビのインストラクターの顔も持ち、ジェーン・フォンダのワークアウト・ビデオに出演予定だったものの、股間が目立ちすぎたことで外された過去を持つ。

8.リタ/アンジェリカ・ロス

レッドウッド・キャンプ場の救護室で働く腹黒い看護士。

本当の正体は、連続殺人鬼の父を持つ、ドナ・チェインバースという名の犯罪心理の研究者。父が殺人を犯し、自ら命を絶つ現場に居合わせてしまったことから、犯罪心理の研究にのめりこむ。研究のため、ジングルズを精神病院から逃した張本人。のちに心を入れ替え、罪を償うために行動する。

9.バーティ/タラ・カーシアン

レッドウッド・キャンプ場の専属女性シェフで1970年の事件を知る古株。かなり不愛想な悪党顔。

実は面倒見のいい、かなりの善人。ジングルズのことをよく知っており、ピーナツバター・サンドイッチをよく作ってやっていた。マーガレットのことも疑っておらず、再開を手伝うために戻ってきた。オーブンに閉じ込められたゼイヴィアを助けたのもバーティ。

10.コートニー/レスリー・ジョーダン

不動産で成功し、富豪となったマーガレットの風変りな助手。人使いの荒いマーガレットに振り回されます。

11.ラミレス(ナイトストーカー)/ザック・ヴィラ

ナイトストーカーの別名を持つ、連続殺人鬼。モンタナの強さに魅かれ、しもべのようになってブルック殺害の依頼を引き受けていた。のちに、ジングルズに裏切られたことで、復讐に燃えることに……。

12. ベンジャミン・リクター(ミスター・ジングルズ)/ジョン・キャロル・リンチ

1970年、キャンプ場で大量殺人を犯した犯人。ベトナム戦争に従軍し、数々の残酷な所業をしでかし帰還。ベンジャミン・リクターが本名だが、腰につけたキーチェーンを鳴らして歩いていたことからミスター・ジングルズと呼ばれて恐れられていました。殺した被害者の耳を切り取って、ネックレスを作るというサイコパス。

実は、不器用なだけで心優しき男。マーガレットの策略によって、精神病院に閉じ込められ、拷問と洗脳によって自分が犯人だと信じ込まされていただけ。のちに、娼婦だった女性と結婚し、一人息子をもうけ、アラスカのレンタルビデオ店で働いていたものの、ラミレスによってレッドウッドに引き戻されることに……。

13.ラヴィニア・リクター/リリー・レーブ

ベンジャミン・リクターの母。夫を戦争で亡くし、キャンプ場で働きながら女手一つで息子二人を育てていました。兄のベンジャミンに冷たくあたる一方、弟のボビーを溺愛。ボビーの事故死で、殺人鬼と化します。

幽霊となったのちも、ボビーを守らなかったベンジャミンのことが許せず、陰でマーガレットを殺人鬼にする後押しをした張本人が、実はラヴィニア。

14.ブルース/ディラン・マクダーモット

ドナとブルックに絡む、凶悪極まる殺人鬼。二人に痛い目に合わせられたことで、復讐しようとレッドウッド・キャンプ場まで追いかけてきます。

15. ボビー・リクター/フィン・ウィットロック

アラスカで育ったベンジャミンの息子。成長し、行方不明になった父を探して、レッドウッドにやってきます。



全9話の各話あらすじと構成解説

1970年の事件から1984年の事件の顛末まで描かれる第1話から第5話を第一部とすると、それから数年が経過した第6話から第9話までが第二部と言えるでしょう。

たびたびフラッシュバックで過去が挿入されますが、第一部はキャンプ場でおきた、たった一夜の物語です。

第1話「ようこそ レッドウッドへ」

1970年、カリフォルニア郊外にあるレッドウッド・キャンプ場で、指導員の若者たちが惨殺されたあげく、耳を切り取られるという猟奇殺人事件が発生。

時が過ぎ、1984年のLA。ブルックは、エアロビ仲間のモンタナ、ゼイヴィア、レイ、チェットからサマーキャンプ指導員のバイトに誘われます。噂の連続殺人犯ナイトストーカーに襲われたこともあり、参加を決意します。

キャンプ場に到着すると、ここを買い取って再開を決めたオーナーのマーガレットに迎え入れられます。キャンプ場専属の看護士リタ、そしてマーガレットから、14年前に起きた殺人事件の話を聞かされます。捕まった犯人は、ベトナム帰還兵のミスター・ジングルズことベンジャミン・リクター。実は、マーガレットは唯一の生存者でした。

その夜、ブルックが、精神病院を脱走してきたジングルズの姿を目撃。さらに、ナイトストーカーと恐れられるラミレスもブルックを追って現れ……。

ブルックらがキャンプ場に向かう道中で、一人の青年をはねてしまいますが、彼ジョナスは、実は1970年の被害者の一人。自分がすでに死んでいることも知らず、この後、何度も殺されては生き返ることを繰り返します。

第2話「ミスター・ジングルズ」

精神病院の女性医師が、ジングルズが脱走したことを伝えにきますが、マーガレットは少しも動じることなく追い返します。女性医師は帰り道、ジングルズの手にかかり、さらに、ゼイヴィアを追いかけてきたブレイクも二人目の被害者に……。

一方、ラミレスは、ブルックを襲ったあと、マーガレットの部屋に侵入。そこで二人は信仰の話を通じ、お互いを認め合うことになります。

ブルックらは、みなで協力してキャンプ場を脱出するため、二手に分かれて車のカギを探しにいくのですが……。

第3話「隠された意図」

ラミレスに襲われるブルックら、かたやジングルズに襲われるモンタナら……。

バラバラになって必死に逃げる中、チェットはジングルズが仕掛けた罠に落ちて、大けがを負うことに。レイは、一人の学生を死に至らしめてしまった学生時代の記憶に苦しみながらも、再び傷ついたチェットを残して一人逃げていきます。

そんな中、看護士リタが、自身の正体をブルックに白状します。実は、リタに成りすました犯罪心理学の研究者ドナであり、研究のため、ジングルズをそそのかし、精神病院を脱出する手筈を整えていた張本人だったのです。

レイに置き去りにされたチェットは、ゼイヴィアらに助けられますが、一方で、倉庫に拘束されていた本物の看護士リタ、そして一人バイクを走らせ逃げたレイが、ジングルズの手にかかってしまうのでした。

第4話「本当の殺人者」

実は、モンタナとラミレスが裏で繋がっており、モンタナの弟の復讐をするためブルック殺害を企てていたことが判明します。

専属シェフのバーティを助けるため食堂にやってきたゼイヴィアは、ジングルズに見つかり、火のついたオーブンに閉じ込められます。ギリギリのところでバーティに助けられますが、瀕死のバーティは死を望み……。

一方、ブルックはリタの仕掛けた罠につかまってしまいます。そこで鉢合わせしたジングルズがついにラミレスを殺害。ブルックは、そのすきに逃走します。

1970年当時のマーガレットとジングルズの関係が明らかになります。他の指導員からイジメにあっていたマーガレットの唯一の味方が、キャンプ場の使用人だったジングルズ、つまりベンジャミンだったのです。そんな二人がついに対面します。マーガレットは14年前の事件の真犯人は実は自分であり、ジングルズを犯人に見せかけただけだと告白するのでした。

マーガレットはジングルズに逃げられてしまうものの、何も知らずに助けにやってきたトレヴァーを殺害。そんな中、ドナはジングルズによって殺されたはずのラミレスが、サタンによって生き返るところを目撃してしまうのでした。

事件の真相が明らかになる、重要なエピソードです。

第5話「血塗られた朝」

よみがえったラミレスは、実の父が殺人鬼だったというドナの過去、そしてそのせいで過激な研究にのめり込み、ジングルズを逃がしたことを見抜きます。

一方、ブルック、モンタナ、ゼイヴィア、チェット、そしてマーガレットらは、生き残りをかけ、それぞれが血みどろの闘いを繰り広げることに……。

マーガレットがチェットを殺害。ブルックはレイと再会して結ばれたあと、レイが実はすでに死人であることを知ってしまいます。またドナの正体を知ったゼイヴィルは激怒し、ドナを殺そうとする一方、モンタナとブルックも互いに殺し合います。

ジングルズは、ドナから、マーガレットの正体を聞かされ、自身の罪を後悔することに……。ついにジングルズとマーガレットが対決しますが、マーガレットの正体をいまだ知らないゼイヴィアに邪魔され、ゼイヴィアがマーガレットに刺殺されてしまいます。かたや、瀕死のジングルズにはラミレスが接近し……。

朝になり、何も知らずサマーキャンプにやってきた子供たちの目の前で、ブルックがモンタナを殺害。かけつけた警察にブルックは逮捕され、マーガレットはまた一人だけ被害者のふりをすることに成功するのでした。

モンタナやレイら殺された者たちは、幽霊となってキャンプ場に閉じ込められる中、サタンに魂を売ったラミレスとジングルズは、パトカーを奪ってキャンプ場を出ていきます。



第6話「エピソード100」

時が過ぎ、1985年。残酷な殺人を繰り返すラミレスの手伝いをさせられていたジングルズことベンジャミンはとうとう嫌気がさし、ラミレスが警察に捕まるよう仕向け、自由の身となります。

1989年。レッドウッド・キャンプ場では、モンタナやゼイヴィアらがときどき紛れ込んで来る一般人たちを殺害することで、暇を持て余していた中、マーガレットは不動産で成功し、富豪となっていました。おまけに、命からがら助かったトレヴァーを、口封じのため夫にし、さらに金儲けのためレッドウッド・キャンプ場でロック・フェスを企画します。

ブルックの死刑が執行された一方、ラミレスはサタンの力で刑務所を脱走し、自分を裏切り、アラスカで幸せな家庭を築いていたベンジャミンの妻を殺害します。

ベンジャミンは、残された赤ん坊ボビーの命をラミレスから守るため、一人レッドウッドに戻ることを決意するのでした。

第7話「憎悪と復讐」

時はさかのぼって1948年。レッドウッドの前身ゴールデンスター・キャンプ場で働くラヴィニアと二人の息子。目を離したすきに、兄ベンジャミンの目の前で、弟ボビーが湖で事故死してしまったという辛い記憶。

1989年に戻り、死刑に処されたはずのブルックが生き返ります。罪の意識に苦しむドナが、死んだように見せかける薬を使って救出したのです。新たな人生を歩んでほしいドナに対し、レッドウッドでフェスが開かれることを知って復讐に燃えるブルック。

そんな二人に近づいてきた怪しげな男ブルースの正体は、実は凶悪な殺人鬼でした。

レッドウッドに戻ってきたベンジャミンが、彼を恨む幽霊たちに襲撃されます。他にも見知らぬ女性の幽霊がいると聞き、ベンジャミンは、1948年の話を告白します。

息子ボビーの死に激怒した母ラヴィニアは、指導員の若者たちを惨殺し、さらにベンジャミンをも殺そうとしたため、思わず刺し殺してしまったこと。指導員を憎む母の怨念が今もキャンプ場に生き続けているのだと……。

ベンジャミンはついに、今もボビーを探し続けている母の幽霊と対面します。1970年、ベンジャミンとマーガレットが仲良くしているのを見て腹が立ち、マーガレットに殺人をけしかける呪いをかけたのだと白状します。

レッドウッドでは、ラミレスがフェスの出演者たちを惨殺。アラスカにいる息子を守るためラミレスと闘うというベンジャミンに、母がアドバイスをします。ラミレスに殺される前に、自ら命を絶てば、何度もよみがえることが可能だと……。

第8話「安らかな眠り」

痛めつけ、振り払ったはずのブルースが追ってきているとも知らず、レッドウッドに向かうブルックとドナ。道中、正体を見破って接近してきた一人の女性記者を利用し、情報提供の見返りにキャンプ場に忍び込む手筈を整えさせます。

ラミレスは、キャンプ場にやってきたブルースを手下にし、さらにマーガレットに言われ、3人で手を組むことになります。

一方、女性記者を殺害しようとしていたブルックをドナが止め、まっとうな復讐をすべきだと説得。その間に、女性記者はラミレスとブルースによって殺害されますが、マーガレットは、フェスの出演者らを一挙に殺害し、ここをミュージシャン追悼の聖地に仕立てあげる策略でした。

トレヴァーはモンタナと再会し、愛し合うようになります。

ベンジャミンは、ラミレスを殺そうと試みるものの、自分のことをいまだ恨む幽霊たちに妨害されます。刺されてボートに乗せられたところに、突然、湖から幽霊が現れ、引きずり込まれます。気が付くと、目の前に死んだ弟のボビーと母がおり、ピクニックしていました。母は、家族3人ここで一緒に暮らそうと提案します。

第9話「80年代よ 永遠に」

2019年、一人の青年が廃墟と化したレッドウッド・キャンプ場にやってきます。久しぶりの訪問者を喜ぶモンタナは、行方不明の父ベンジャミンを探しにやってきた息子ボビーだと知り……。

自分もベンジャミンもすでに死んでおり、1989年に湖に引きずり込まれて以来、姿を消したと告げ、そのとき何があったかを教えるのでした。

フェスの出演者が誰も来ず、失敗に終わったことを知ったマーガレットが怒り狂い、助手やトレヴァーを撃ち殺します。トレヴァーはキャンプ場の外で撃たれましたが、ブルックが場内に運んでくれたおかげで、幽霊として復活することができたのでした。

ブルックの行為でモンタナはやっと目覚め、キャンプ場でこれ以余計な殺人を起こさないために動くことを決意。幽霊みなで協力し、ブルースを殺し、ラミレスを交代で監視し続けてきたのでした。そして、それはボビーをラミレスから守るため……。

しかし、ちょうどその時、ラミレスが監視の隙をぬって復活してしまいます。ラミレスからなんとか逃れたボビーに、モンタナは、レッドメドーズ病院の医長を訪ねるよう言います。

その医長とは、ドナでした。ドナはボビーにベンジャミンの真実について、そして1989年の事件の結末を教えます。マーガレットは、幽霊たちみなで処刑されます。ブルックは、その前にマーガレットに殺されたため、結局生存者はドナ一人となってしまったこと……。

ボビーには定期的に小切手が届いていましたが、送り主はドナでなく、生存者がもう一人いることが判明。それは、殺されたはずのブルックでした。実は、マーガレットに撃たれたあと、レイによってひそかに助けられ、医師と結婚して幸せな家庭を築いていたのです。

ボビーは、一人レッドウッドに戻ります。マーガレットに襲われますが、それを助けたのは父のベンジャミン、そして祖母にあたるラヴィニアでした。二度と戻ってくるなと言われ、キャンプ場を出ていくボビーを、父ベンジャミン、ラヴィニア、そして叔父にあたるボビーが見送ります。



『アメリカン・ホラー・ストーリー:1984』の感想

前作のシーズン8「黙示録」が、シーズン1「呪いの館」とシーズン3「魔女団」の事実上の続編とも言え、シーズンをまたいだ込み入った展開が、やや難解との声も聞かれました。

しかし、本シーズンは単独で成立する物語となり、その意味では原点に戻ったわかりやすいシーズンだったと言えるでしょう。

テーマは80年代ですが、実は非常に長い年月を描いているのも特徴です。

レッドウッド・キャンプ場(昔の名前はゴールデンスター・キャンプ場)で起きた出来事を時系列にまとめると、以下の通りです。

1948年:息子ボビーを亡くした母ラヴィニアによる指導員殺人
1970年:ジングルズを犯人にみせかけたマーガレットによる指導員殺人
1984年:マーガレットが14年ぶりに再開し、ジングルズとナイトストーカーという二人の殺人鬼が指導員たちを襲う。
1989年:マーガレットがフェスを企画し、再びジングルズ、ナイトストーカーが戻ってくる。
2019年:ジングルズの息子ボビーが、父を探してキャンプ場を訪問。

また、なんといっても、本シーズンの見どころの一つはキャラクター造形の秀逸さです。中でも個人的に惹かれるのは、表向きは悪人に見えて、本当の顔は善人のキャラクターたち。

その代表的人物がジングルズであり、ドナ、バーティやゼイヴィアもそうでしょう。特にドナは、本シーズンのカギを握る重要な存在だと言えるのはないでしょうか?

2021年に全米で放送された、続くシーズン10『アメリカン・ホラー・ストーリー:2つの物語』については、下記の記事をご覧ください。

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