『篤姫』あらすじ/相関図/キャストのその後と現在(故人)

篤姫 ドラマ

2008年に放送されたNHK大河ドラマ第47作『篤姫』。

宮尾登美子の小説『天璋院篤姫』を原作に、江戸幕府13代将軍・徳川家定の正室となった篤姫(天璋院)の波乱万丈の生涯を描き、高視聴率を記録しました。

2023年12月からはNHK BSにおいて、月曜夜の再放送がスタートし、再び熱い注目が集まっている同ドラマについて、あらすじ、相関図、主要キャストのその後と現在、ゆかりの地などについてご紹介したいと思います。

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NHK大河ドラマ屈指の名作!第47作『篤姫』

2008年1月6日から12月14日にかけ、全50回に渡って放送されたNHK大河ドラマ第47作目の作品が『篤姫』です。

薩摩藩主・島津氏の分家、今和泉家に生まれ、数奇な運命に導かれて江戸幕府将軍の御台所となる主人公の篤姫を宮﨑あおいが見事に演じきりました。

脚本を手掛けたのは、2003年放送の朝ドラ『さくら』で橋田賞を受賞した田渕久美子。絶賛された本作に続き、2011年の大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』でも再び、原作および脚本に抜擢されています。

原作は、宮尾登美子が1983年から84年にかけ、新聞紙上に連載した長編小説『天璋院篤姫』。

『鬼龍院花子の生涯』や『陽暉楼』はじめ、数多くの作品が映画化・ドラマ化されている宮尾作品ですが、大河ドラマも、『宮尾本 平家物語』と『義経』が2005年の『義経』の原作となったのに続き、二度目の抜擢でした。

小説『天璋院篤姫』を原作として、これまで本作のほか、1985年にテレビ朝日でスペシャルドラマ化、さらに1984年、2010年、2011年と3度の舞台化がなされています。

残念ながら、著者の宮尾登美子は、本ドラマの放送から6年後の2014年12月30日、老衰により88歳で死去しました。

初回20.3%からスタートし、回を重ねるたび、視聴率はうなぎ登りに上昇して、全話平均視聴率は24.5%を記録しました。

30.5%を記録した1996年放送の第35作『秀吉』以後、最高の視聴率となり、この後、この記録を越える大河ドラマは存在していません。さらに日本のみならず、アジア各国を中心に海外でも放送されて評判をよび、とりわけ台湾では何度も再放送が繰り返され、鹿児島に旅行者が殺到するなど、社会現象すら巻き起こしました。これほど、海外で大きな評判を呼んだのは朝ドラ『おしん』以来のことです。

2019年2月、新聞が実施した「忘れられない大河ドラマ」アンケートでは、堂々1位に選ばれるなど、文字通り大河ドラマを代表する名作に位置付けられています。

※『篤姫』以降、低視聴率の一途を辿る大河ドラマの歴代視聴率を比較した表は、以下の記事の中にあります。

『篤姫』のあらすじ

島津氏の分家・今泉島津家に生まれた於一(おかつ)は、男勝り、天真らんまんに育ちますが、ある日、薩摩藩主の島津斉彬に見初められ、養女として鶴丸城に迎えられます。その裏には、篤姫として江戸幕府第13代将軍・徳川家定に嫁がせる計略がありました。

京から呼び寄せられた幾島の厳しい教育を受け、安政3年(1856年)、右大臣・近衛忠煕の養女という形をとり、ついに家定の御台所となります。斉彬からは、一橋慶喜を次期将軍として擁立する密命を受けていました。

ところがそれから2年もしない安政5年(1858年)、家定は病死。同年には斉彬も死去します。

篤姫は、天璋院を名乗り、14代将軍についた家茂、その御台所として皇室から迎えられた和宮の義母として、徳川家のために尽力し続けます。尊王攘夷の嵐が吹き荒れる激動の幕末において、見事に江戸城無血開城を成し遂げ、徳川宗家を守り抜くのでした。



主要登場人物と人物相関図を紹介

なるべくわかりやすくするため、主要登場人物に絞っています。

【今泉島津家】
篤姫(於一・天璋院)/宮﨑あおい
島津忠剛/長塚京三:実父
お幸/樋口可南子:実母
島津忠敬/岡田義徳:兄
菊本/佐々木すみ江:乳母

【島津家】
島津斉彬/高橋英樹:薩摩藩主
英姫/余貴美子:斉彬の正室
島津斉興/長門裕之:斉彬の父
島津久光(忠教)/山口祐一郎:斉彬の異母弟
島津忠義/中川真吾:久光の嫡男

【薩摩の人々】
小松帯刀(尚五郎)/瑛太:肝付兼善の三男、於一の幼なじみ
お近/ともさかりえ:小松帯刀の妻
小松清猷/沢村一樹:吉利領主で斉彬の側近、お近の兄
肝付兼善/榎木孝明:喜入領主、小松帯刀の父
調所広郷/平幹二朗:薩摩藩家老
西郷隆盛(吉之助)/小澤征悦
大久保利通(正助)/原田泰造
有馬新七/的場浩司
伊地知正治/三宅弘城

【徳川宗家】
徳川家定/堺雅人:江戸幕府13代将軍、篤姫の夫
徳川家茂(慶福)/松田翔太:江戸幕府14代将軍、元紀州藩主
徳川慶喜/平岳大:江戸幕府15代将軍。徳川斉昭の七男

【大奥の女たち】
幾島/松坂慶子:篤姫付きの御年寄
滝山/稲森いずみ:大奥総取締役
本寿院/高畑淳子:家定の生母
観行院/若村麻由美:和宮の生母
庭田嗣子/中村メイコ:和宮付きの女官総取締役
志賀/鶴田真由:家定の側室
重野/中嶋朋子:天璋院付きの女中
唐橋/高橋由美子:御年寄
歌橋/岩井友見:御年寄、家定の乳母

【藩主・幕臣】
阿部正弘/草刈正雄:備後福山藩主、老中首座
井伊直弼/中村梅雀:近江彦根藩主、掃部頭
堀田正睦/辰巳琢郎:下総佐倉藩主、備中守
安藤信正/白井晃陸:奥磐城平藩主、老中対馬守
徳川斉昭/江守徹:水戸藩主、慶喜の父
松平春嶽/矢島健一:越前藩主、越前守

【皇室・公家】
和宮/堀北真希:孝明天皇の妹、家茂の御台所
孝明天皇/東儀秀樹:第121代天皇
有栖川宮熾仁/竹財輝之助:和宮の許婚
近衛忠熙/春風亭小朝:右大臣、五摂家
岩倉具視/片岡鶴太郎:孝明天皇の側近

【その他】
勝海舟/北大路欣也:旗本
坂本龍馬/玉木宏:土佐藩の浪人
ジョン万次郎/勝地涼:土佐出身の漂流民



主要キャストのその後と現在【2024】

2006年の朝ドラ『純情きらり』主演に続き、その2年後の大河ドラマ主演に抜擢された宮﨑あおい。大河ドラマの主演としては歴代最年少の記録です。

その後のキャリアも順調で、2015年から16年まで放送された朝ドラ『あさが来た』では、波瑠とともに再び主演を務めました。

私生活では、『篤姫』放送時には夫だった俳優の高岡蒼佑とは、2011年に離婚。2017年に岡田准一と再婚し、翌年には長男をもうけています。

堺雅人のその後の大きな飛躍については、説明するまでもないでしょう。2012年と2013年に放送された主演ドラマ『リーガル・ハイ』、また2013年と2020年に放送された主演ドラマ『半沢直樹』では、社会現象を巻き起こしました。

2023年の主演ドラマ『VIVANT』も大ヒットし、高視聴率請負人の名をほしいままにしています。

私生活では、2013年4月に、女優の菅野美穂と結婚しました。

その後もキャリアは順調で、2020年には、芸名をフルネームの「永山瑛太」に改名。さらに2021年には、所属事務所を退社し、独立しました。

私生活では、2010年に歌手の木村カエラと結婚。同年に長男、2013年に長女をもうけています。一方、実弟の俳優・永山絢斗が、2023年6月、大麻取締法違反の容疑で逮捕されるという事件を起こしました。

2012年には、朝ドラ『梅ちゃん先生』のヒロインを演じて人気を博し、同年「NHK紅白歌合戦」の紅組司会も務めた堀北真希

2015年8月に俳優の山本耕史と結婚したあと、2017年2月28日をもって芸能界を引退しました。2人は、子どもを2人もうけていますが、誕生日や性別などは一切公表していません。

残念ながら、上記登場人物紹介の中に列記した全45人の中だけでも、故人が4人います。

ヒロインの乳母を演じ、名セリフも残した佐々木すみ江は、2019年2月17日、肺炎のため90歳で死去。

斉彬の父・斉興を演じた長門裕之は、認知症を患った妻・南田洋子を看取った1年半後の2011年5月21日、77歳で死去。

若い於一に大きな影響を与える薩摩藩家老・調所広郷を演じた平幹二朗は、2016年10月22日、82歳で死去。

和宮付き女官・庭田嗣子を演じた中村メイコは、2023年12月31日、肺塞栓症により89歳で死去しました。

また、出演者ではありませんが、ナレーションを担当した奈良岡朋子も、2023年3月23日、肺炎により、93歳で亡くなっています。

天璋院篤姫・和宮の晩年と死、墓所はどこ?

ドラマの最終話において、もちろん天璋院の最期が描かれますが、改めて、天璋院と和宮の晩年と死、墓所を紹介します。

天璋院は、明治となっても鹿児島には戻らず、東京の千駄ヶ谷にあった徳川家邸で余生を過ごしました。勝海舟や和宮としばしば交流しつつ、徳川宗家16代となる家達の教育に尽力していました。

明治16年(1883年)11月20日、脳溢血で倒れ、享年49(満47歳)で死去。墓所は、上野寛永寺の夫・家定の隣にあります。

一方、家茂の死後、静寛院を名乗った和宮は、維新後、一時京都に戻りましたが、明治7年(1874年)には再び東京に戻り、麻布市兵衛町(現在の六本木)に暮らしながら、天璋院らと親しく交流していました。明治10年(1877年)9月2日、脚気の療養のため滞在していて箱根の塔ノ沢にて享年32(満31歳)の若さで薨去しました。墓所は、夫である家茂と同じ港区の増上寺にあります。

和宮終焉の地となった旅館「環翠楼」は現在も営業を続けています。後年、和宮を偲んで天璋院も滞在したそうです。

名称塔ノ沢温泉 元湯 環翠楼
住所神奈川県足柄下郡箱根町塔之沢88
公式HPhttps://www.kansuiro.co.jp/



篤姫を演じた女優たち

上述の通り、宮尾登美子の小説を原作としたドラマ化2度、舞台化3度のほか、幕末を描いたドラマにたびたび登場します。

近年のものを中心に、天璋院篤姫を演じた女優たちは以下の通りです。2023年版『大奥』のみ、言うまでもなく、よしながふみ原作の逆転大奥であり、男性の福士蒼汰が演じています。

タイトル局・場所篤姫(天璋院)役
1984-85天璋院篤姫東京宝塚劇場/御園座山本富士子
1985天璋院篤姫テレビ朝日佐久間良子
1988花の生涯 井伊大老と桜田門テレビ東京檀ふみ
1999徳川慶喜NHK大河ドラマ深津絵里
2003大奥フジテレビ菅野美穂
2008篤姫NHK大河ドラマ宮﨑あおい
2010天璋院篤姫明治座内山理名
2011天璋院篤姫博多座国仲涼子
2018西郷どんNHK大河ドラマ北川景子
2021青天を衝けNHK大河ドラマ上白石萌音
2023大奥NHKドラマ10福士蒼汰

『篤姫』ファンならぜひ行きたい場所

上記でご紹介した「環翠楼」は、『篤姫』ファンならぜひ一度訪ねてみたい場所ですが、放送後、鹿児島にはいくつかの『篤姫』スポットが作られています。

島津氏の居城であり、斉彬の養女となった篤姫が、江戸に嫁ぐまで滞在していた鶴丸城跡には、天璋院像が立っています。建立は、平成22年(2010年)12月です。

名称天璋院像
住所鹿児島県鹿児島市城山町7-2(鶴丸城跡)
公式HPhttps://www.kagoshima-kankou.com/guide/70227

篤姫が幼少期を過ごしたという、今和泉島津家の屋敷があった指宿市。その場所には現在、今和泉小学校が立っており、海岸沿いに、平成24年(2012年)、於一像が建立されました。像の近くには、於一が使用したと伝えられる今和泉島津家の手水鉢も現存しています。

名称幼少の篤姫・於一像
住所鹿児島県指宿市岩本2739
公式HP

指宿市の国道226号沿いにある「道の駅いぶすき」内には、『篤姫』ファンなら必見のスポットがあります。「観音崎展望所」の一角には、佐々木すみ江が演じた、篤姫の幼少時の乳母・岸本のあの名セリフが刻まれた石碑が置かれています。

『篤姫』屈指の名シーンの一つであり、多くの人が涙したのではないでしょうか?

名称道の駅いぶすきの石碑
住所鹿児島県指宿市小牧52
公式HPhttps://michinoeki-ibusuki.jp/

『篤姫』はNHK BSにて再放送中!お見逃しなく

『篤姫』は、2023年12月4日より、NHK BSにて毎週月曜午後6時から再放送中です。

大河ドラマ屈指の名作と誉れ高い『篤姫』を、もう一度じっくり鑑賞してみませんか?

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