Amazonドラマ『フリーバッグ』キャスト12人とネタバレあらすじ

フリーバッグ ドラマ

Amazonプライムビデオで配信されているイギリスのコメディドラマ『フリーバッグ』。製作された2つのシーズンとも欧米でさまざまな賞に輝いた傑作です。

主演・脚本・製作を手掛けたフィービー・ウォーラー=ブリッジも、一躍世界的に有名な時の人に……!

本記事は、同ドラマのあらすじ、そして主要登場人物12人とキャストについて詳しくご紹介したいと思います。

閉じたページに各シーズンの結末ネタバレありです。

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Amazonオリジナルドラマ『フリーバッグ』とは?

2013年にエディンバラ・フェスティバル・フリンジで上演されたフィービー・ウォーラー=ブリッジの同名一人芝居をテレビドラマ化したのが本作です。

BBCで2016年7月から8月にかけてシーズン1、2019年3月から4月にかけてシーズン2が放送され、またAmazonによって世界配信されるや各国で大絶賛されました。

英国アカデミー賞、プライムタイム・エミー賞、ゴールデングローブ賞、SAG賞など欧米の名だたる賞でさまざまな栄誉に輝いた傑作ドラマです。

フリーバッグ(fleabag)の意味は?

フリーバッグ(fleabag)には、みすぼらしい人、ボロいモーテル、不潔で汚らしい人、と言ったさまざまな意味があります。まさに落ちぶれた本作の主人公そのものを表していることは言うまでもありません。

劇中そう呼ばれることは一度としてないものの、ドラマのタイトルばかりか、主人公の役名も「フリーバッグ」と名付けられているのです。

実際、フィービー・ウォーラー=ブリッジ自身が家族から「フリーバッグ」と呼ばれていたことがあるらしく、それがきっかけになったようです。

『フリーバッグ』のあらすじ【閉じページにネタバレあり】

シーズン1

ロンドンで小さなカフェを営む30代独身女性、フリーバッグ。

セックス依存ともいえる奔放で自由な毎日を送っていますが、共同経営者だった親友のブーが自ら命を絶って以来、カフェの経営はあまりうまくいっておらず、姉や父、義母との関係もよくありません。

そればかりか、自由奔放な言動や情緒不安定な悪態が、それぞれの関係をさらに悪化させていくことに……。

やがて、自分を愛せず、どうやって生きていけばいいのかわからなくなった本当の理由が明らかになります。

フリーバッグが罪の意識から自己嫌悪し、落ちぶれた毎日を送っているわけは、ブーが自殺した理由にありました。

ブーの愛する恋人を寝取ったのは、何を隠そうフリーバッグだったのです。

義母の展覧会で騒動を起こし、精神的に追い詰められたフリーバッグ。

とうとうどん底に落ちたフリーバッグに手を差し伸べたのは、一度は融資を断ってきたバンク・マネージャーでした。

「人は間違いをおかすものだ」

バンク・マネージャーの言葉は、まさにブーがたびたびフリーバッグに言っていた言葉でもありました。

シーズン2

シーズン1の最後から1年が過ぎ……。

父と義母が結婚式を挙げる計画を立て、そのために呼ばれた一人の神父とフリーバッグが出会います。

フリーバッグの日常は、1年前となんら変わらず、義兄のマーティンを殴ったり、姉の職場で問題を起こしたりと、何かとトラブル続き……。

そんな中でも、神父とフリーバッグは、互いに強く惹かれあっていくのでした。

信仰と恋愛の間で苦悩する神父。一方のフリーバッグも、満たされない思いから、ほかの男で空白を埋めようとします。

やがて、二人は自分の気持ちを抑えきれず、ついに体を合わせてしまうのでした。

父と義母の結婚式を迎えます。姉クレアの離婚申し出と駆け落ち、父の雲隠れなどありつつも、結婚式は無事終了します。

式を終え、一人バスを待つフリーバックの隣に神父がやってきます。

フリーバックは愛を告白。しかし、神父が自分ではなく神を選んだことをすでにわかっていました。

主要登場人物12人とキャスト紹介

上記で述べたとおり、「フリーバッグ」の本名はもちろん、父、義母、神父ら多くの登場人物の名前は、意図的に明かされていません。

※情報は2023年4月現在のものです。

1.フリーバッグ/フィービー・ウォーラー=ブリッジ

本作の主人公がロンドンで小さなカフェを営む30代の女性、通称フリーバッグです。道徳心がなく身勝手で、セックス依存気味。自由奔放に生きているように見えて、実はある過去の出来事を克服できず相当「こじらせて」しまっています。

フィービー・ウォーラー=ブリッジは、1985年7月14日、イギリス、ロンドン西部のイーリング生まれ。ウォーラー=ブリッジ家は、サセックス州チャックフィールドの由緒ある名家で、実際、母方の祖父は男爵の称号を持っていました。父は有名電子証券取引プラットフォームの創業者です。

ロンドンの名門王立演劇学校で学び、2007年に舞台デビューを果たしつつ、同じころ、友人のヴィッキー・ジョーンズと劇団「DryWrite」を創設。ジョーンズとはその後も舞台版『フリーバッグ』はじめ、複数の作品で一緒に仕事をしています。

2009年ごろからテレビドラマや短編映画にも出演するようになります。2011年には、映画『アルバート氏の人生』や『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』といった話題作にも抜擢。また声優としても注目されるようになりました。

主演のみならず、脚本、プロデューサーまで務めた本作『フリーバッグ』ではプライムタイム・エミー賞主演女優賞含むさまざまな賞に輝き、一躍有名に。

その後は、映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』のドロイドL3-37の声優、BBCドラマ『キリング・イヴ/Killing Eve』の企画・脚本・製作、HBOのテレビシリーズ『Run』の製作・出演、映画『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』の脚本など、そのマルチな才能をいかんなく発揮しています。

新しい作品には、2023年6月公開の『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』があります。

プライベートでは、アイルランド人作家・映画製作者のコナー・ウッドマンと2014年に結婚しましたが2018年に離婚。以来、映画『スリー・ビルボード』の監督・脚本を担当したマーティン・マクドナー(写真一番左)と交際しています。

2.クレア/シアン・クリフォード

フリーバッグの姉で、成功したビジネスウーマンがクレアです。夫との関係は実はあまりうまくいっておらず、フリーバッグとはまた別の意味で情緒不安定な女性であることが次第に判明します。喧嘩しながらも離れることができない愛憎入り混じった姉妹関係にあり、フリーバッグの秘密を唯一知っている存在でもあります。

シアン・クリフォードは、1982年4月7日、ロンドン生まれ。幼少時より女優を志し、王立演劇学校で学んでいるときにフィービー・ウォーラー=ブリッジと出会い、友人となりました。

オフ・ウエストエンドからスタートし、舞台女優としてキャリアを重ねます。フィービー・ウォーラー=ブリッジの劇団「DryWrite」ともたびたび共演。本作『フリーバッグ』で一躍注目され、英国アカデミー賞テレビ部門ではコメディ女優賞に輝きました。

以後は、ドラマシリーズ『Vanity Fair』などテレビを主な舞台に活躍しています。

プライベートでは、ヴィーガンとして知られており、2019年には、瞑想信奉者してデジタル・プラットフォーム「Still Space」を創設しました。

3.ゴッド・マザー/オリヴィア・コールマン

フリーバッグの父の再婚相手です。それなりに名の知れたアーティストでかなり自己顕示欲が強く、なかなかに腹黒い女性です。フリーバッグやクレアとは、表向きはともかく、実は互いに嫌いあっています。

オリヴィア・コールマンは、1974年1月30日生まれ、イギリスのノリッジ出身。ブリストルにある演劇学校を卒業し、2000年にBBCのコメディショー『Bruiser』でデビューしました。

2011年の映画『思秋期』で英国インディペンデント映画賞主演女優賞、2013年から放送されたドラマシリーズ『ブロードチャーチ〜殺意の町〜』で英国アカデミー・テレビ賞主演女優賞、2016年に『ナイト・マネジャー』でゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞するなど、演技派女優として着実にキャリアを重ねます。

本作『フリーバッグ』以後の活躍はさらにめざましく、2018年の映画『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞主演女優賞、Netflixドラマ『ザ・クラウン』でゴールデングローブ賞主演女優賞など、今や押しも押されもせぬ、イギリスが誇る世界的演技派女優の一人となりました。

2021年5月に日本公開された映画『ファーザー』では、アンソニー・ホプキンスとの父娘役が大きな話題になりました。私生活では2001年に一般男性と結婚し、3人の子をもうけています。

4.フリーバッグ父/ビル・パターソン

フリーバッグの父です。妻と死別し、ゴッド・マザーと再婚しましたが、ゴット・マザーに気を遣うあまり、フリーバッグに冷たく接してしまいます。

ビル・パターソンは、1945年6月3日、スコットランドのグラスゴー生まれ。若いころは、3年ほど積算士として働いていましたが、グラスゴーにある王立の演劇学校で学び、俳優に転身しました。

1967年に俳優デビューし、舞台を中心に活動していました。70年代半ば以降はテレビドラマに、80年代以降は映画にも進出し、多くの作品で名バイプレーヤーとして活躍しています。

またナレーターとしても有名で、BBCドキュメンタリーなど多くの作品、またラジオドラマでも活躍しています。

1984年、ローレンス・オリヴィエ賞最優秀衣装デザイン賞受賞歴もあるドイツ人衣装デザイナーのヒルデガルド・ベクトラーと結婚し、一男一女をもうけています。



5.マーティン/ブルット・ゲルマン

クレアの夫がマーティンです。露悪的で性格も陰湿、フリーバッグとは犬猿の仲です。アルコール依存症を抱え、また離婚歴ありでティーンエージャーの連れ子がいます。

ブルット・ゲルマンは、1976年10月6日、イリノイ州ハイランドパーク生まれのユダヤ系アメリカ人です。ノースカロライナ大学で演劇を学び、卒業後はニューヨークを拠点に小劇場などでワンマンライブなどを行っていました。

その後は、多数の映画やドラマでバイプレーヤーぶりを発揮しており、出演作品には映画『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』や『ピザボーイ 史上最凶のご注文』、Netflixの大ヒットドラマ『ストレンジャー・シングス』などがあります。

2015年に女性映画監督と結婚しましたが、2018年に離婚しました。

6.ハリー/ヒュー・スキナー

フリーバッグの元ボーイフレンドがハリーです。誠実で真面目ですが神経質すぎるところもあり、当初はフリーバッグにかなりの未練がありました。

ヒュー・スキナーは、1985年1月6日生まれ、ロンドン出身です。2007年に舞台俳優としてデビューし、その後も舞台とテレビドラマを中心に活動しています。イギリスでは人気コメディドラマ『W1A』のウィル役で有名です。

映画では、脇役ながら『レ・ミゼラブル』や『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』、『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』など話題作に出演しています。

7.バンク・マネージャー/ヒュー・デニス

フリーバッグが融資を申し込む銀行の担当マネージャーです。フリーバッグの奇行に激怒し、融資はいったんお流れになりますが、その後も不思議な縁で関わりを持ち続けることに……。

ヒュー・デニスは、1962年2月13日、イングランドのノーサンプトンシャー生まれ。

大学卒業後は、ユニリーバのマーケティング部門で働きつつ、週末は相棒のスティーブ・プントともにコメディの小劇場に立つという生活を続けていました。BBCの人気人形劇『スピッティング・イメージ』の声優やラジオ番組などを経て、シットコム・ドラマにレギュラー出演するようになります。

2007年から2014年まで続いた大ヒットシットコム『アウトナンバード』では、BAFTAのコメディ男優賞にノミネートされました。

2度の離婚歴がありますが、2018年には『アウトナンバード』で共演した女優クレア・スキナーとの新たな交際が報じられました。

8.アスホール・ガイ/ベン・オルドリッジ

フリーバッグの都合のいい情事の相手です。その名の由来は、変わった性的フェチから……。

ベン・オルドリッジは、1985年11月12日生まれ、イングランドのデヴォン州エクセター出身です。ロンドン・アカデミー(LAMDA)で学びつつ、ナショナル・ユース・シアターの一員として舞台に立っていました。

2008年にテレビドラマデビュー。代表的な出演作には第4シーズンまで続いたミリタリードラマ『アワー・ガール』やクライムドラマ『ペニーワース』などがあります。

2020年にはLGBTであることをカミングアウトしました。

9.バス・ローデント/ジェイミー・デメトリウ

バスで出会い、フリーバッグをナンパする男です。真面目ですが、前歯がリスのように大きい独特の容姿を持っています。

ジェイミー・デメトリウは、1987年、ロンドン生まれ。母はイギリス人、父はギリシア系キプロス出身で、姉のナターシャ・デメトリウも女優です。

『フリーバッグ』以外では、製作・脚本・主演まで手掛けたシットコム・ドラマ『Stath Lets Flats』が有名で、2020年のBAFTAでは主演男優賞含む3冠に輝いています。

エマ・ストーン主演で話題をよんだ2021年の映画『クルエラ』にもジェラルド役で登場します。

10.ブー/ジェニー・レインスフォード

フリーバッグの親友で、カフェの共同経営者でしたが、物語の始まり時点ですでに自殺しており、フリーバッグの記憶の中にしか登場しません。

ジェニー・レインスフォードは、イングランドのハートフォードシャー州ワトフォード出身。オックスフォード大学で国語、王立演劇学校で演技を学んだ才媛です。

『フリーバック』のほか、出演映画にはリドリー・スコット監督作『プロメテウス』『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』『女王陛下のお気に入り』などがあります。

ドラマや映画のみならず、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーをはじめとする様々な劇団の舞台にも立っています。

11.神父/アンドリュー・スコット

フリーバッグの父とゴッド・マザーの結婚式において、司祭を務めることになる神父です。それが縁でフリーバッグと知り合い、互いに惹かれあいますが、敬虔な神父であることとのはざまで苦しみます。

アンドリュー・スコットは、1976年10月21日生まれ、ダブリン出身のアイルランド人俳優です。

17歳のときアイルランド映画『Korea』で俳優デビュー。スピルバーグ監督作『プライベート・ライアン』など端役出演を続け、1998年の舞台『夜への長い旅路』のエドモンド役で注目されました。

その後は映画・ドラマ・舞台を股にかけ活躍。BBCドラマ『シャーロック』のジム・モリアーティ役でBAFTA助演男優賞、本作『フリーバッグ』でゴールデングローブ賞ノミネート、舞台『Present Laughter』でローレンス・オリヴィエ賞主演男優賞、Netflixドラマ『ブラックミラー』でIFTA主演男優賞など、輝かしいばかりの実績を持つ実力派俳優です。

プライベートでは、ゲイを公言しています。

12.ベリンダ/クリスティン・スコット・トーマス

クレアが主催する、ビジネスで成功した女性のためのアワード受賞者となるのがベリンダです。授賞式のあとバーでフリーバッグと酒を飲み、意気投合します。

クリスティン・スコット・トーマスは、1960年5月24日、イングランドのコーンウォール州レッドルース出身。1978年にロンドンに移ってからは、百貨店で働きながら、演技の教師になるべく勉強を続けていました。その後パリに移り、自ら演技を学び始めます。

1986年の映画『プリンス/アンダー・ザ・チェリームーン』でデビュー。いきなりラジー賞最低助演女優賞ノミネートの汚名を着せられてしまいます。

しかし、1994年の『フォー・ウェディング』で英国アカデミー賞助演女優賞、1996年の『イングリッシュ・ペイシェント』ではアカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなど、演技派女優として見事に復活を果たしました。

その後は、映画『ずっとあなたを愛してる』『サラの鍵』『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』などで秀逸な存在感をみせているほか、2008年には舞台『かもめ』でローレンス・オリヴィエ賞に輝いています。

フランス語も堪能で、1987年にフランス人医師と結婚。一女二男をもうけましたが2005年に離婚しています。

『フリーバッグ』シーズン3は?

2つのシーズンとも絶賛され、世界中のファンが熱望しているにも関わらず、シーズン2で一応の完結であることが発表されています。

しかし、フィービー・ウォーラー=ブリッジ自身は、シーズン2で完結したと発言しつつも、インタビューで次のように答えています。

「(2つのシーズンで)完結したと思っていますが、実は、別の思いもあります。それは、私が45歳とか50歳になったときに、(つまりその年齢の)彼女をもう一度描いてみることです。2つのシーズンを通し、フリーバッグは、自己嫌悪から再び自分を許し、愛せるようになるまでの心の旅を続けました。その後、彼女はどんな風に生きるのか、しばらくそのままにしておいてあげたいのです。」

https://www.forbes.com/sites/danidiplacido/2019/09/24/why-fleabag-is-not-returning-for-a-third-season/?sh=34657768c319

残念ながら、シーズン3が実現するとしても、少なくとも2030年以降になりそうです。

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