映画『幸せの始まりは』あらすじ・キャスト・感想レビュー

幸せの始まりは 映画

ともにアカデミー賞受賞のジェームズ・L・ブルックス監督とリース・ウィザースプーンが組んだ2010年の映画『幸せの始まりは』。

地味ながら、上質で切ない、大人のロマンチック・コメディの秀作です。

ここでは、そんな映画『幸せの始まりは』について、あらすじとキャスト、そして見どころポイントの紹介をしつつ、感想を交えてレビューしたいと思います。

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ジェームズ・L・ブルックス監督とリース・ウィザースプーンが組んだ『幸せの始まりは』

ジェームズ・L・ブルックスが製作・脚本・監督まで手掛け、リース・ウィザースプーンがヒロインを演じた2010年公開のロマンチック・コメディが『幸せの始まりは』(原題:How Do You Know)です。

ポール・ラッドが相手役を演じたほか、オーウェン・ウィルソン、ジャック・ニコルソンら脇を固める俳優も豪華です。

公開時、本国アメリカでの評価は必ずしも高いものではありませんでしたが、観るたびにしみじみとした味わい深さの増す、知る人ぞ知る隠れた秀作として、今後再評価されていくのではないでしょうか?

青春のすべてを捧げてきたプロソフトボールチームを31歳で解雇され、失意どん底に落ちたリサ。メジャーリーガーの恋人マティとの関係も順調とは言えず、気持ちを切り替えようと一人の青年実業家ジョージとデートします。

一方、ジョージは父・チャールズの経営する貿易会社の重役でしたが、本人も知らない投資詐欺の容疑をかけられて、ほとんど起訴寸前。

お互い、最悪のタイミングの2人が出会い、いつしか惹かれ合っていくことに……。

メガホンをとったジェームズ・L・ブルックス監督は、1940年5月9日生まれ、ニューヨーク出身。

『メアリー・タイラー・ムーア・ショー』などテレビの人気シリーズを手掛けて、エミー賞を何度も受賞したのち映画界に進出。1983年の『愛と追憶の日々』では、監督賞などアカデミー賞で5冠に輝き、文字通り名匠として知られるようになりました。

その他、代表的な監督作に『ブロードキャスト・ニュース』や『恋愛小説家』などがあります。

主要登場人物とキャスト

チームを解雇されて失意に落ちるヒロインのリサをリース・ウィザースプーンが演じています。

1976年3月22日、ルイジアナ州ニューオリンズ生まれ。子役としてキャリアをスタートさせたのち、2001年、『キューティ・ブロンド』の世界的ヒットで一躍有名になりました。2005年には、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』で実在のヒロインを演じ、アカデミー主演女優賞など各賞を総なめしています。

その他の代表的作品には、再び主演女優賞の候補となった『わたしに会うまでの1600キロ』、AppleTV+のオリジナルドラマ『ザ・モーニングショー』、シーズン2まで製作されたヒットドラマ『ビッグ・リトル・ライズ』などがあります。

父親の濡れ衣を着せられる大会社の御曹司ジョージを、ポール・ラッドが演じています。

1969年4月6日、ニュージャージー州生まれのポール・ラッドは、2008年の主演映画『ぼくたちの奉仕活動』で注目を集めました。2015年には『アントマン』の主役に抜擢され、アベンジャーズ・シリーズにもたびたび出演しています。

リサの恋人でプロ野球選手のマティを演じているのは、オーウェン・ウィルソンです。

1968年11月18日、テキサス州ダラス出身。独特のコミカルな個性を持ち味に俳優としてさまざまな作品に出演しているほか、ウェス・アンダーソンと組んで脚本も手掛け、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』ではアカデミー賞脚本賞にノミネートされました。

大会社の社長でジョージの父チャールズをジャック・ニコルソンが演じています。

ジェームズ・L・ブルックス監督とは名コンビで知られ、これまで1983年の『愛と追憶の日々』で助演男優賞、1997年の『恋愛小説家』で主演男優賞と、3度のアカデミー賞受賞のうち2度がブルックス監督作品です。

2026年6月現在、89歳。残念ながら、本作品を最後に俳優としての出演映画がありません。



役者の素晴らしい演技を引き出す名手とも言える名匠ジェームズ・L・ブルックスが、リース・ウィザースプーンと組んだとあれば、ただのロマンチック・コメディーで終わるはずがない。

全米ソフトボールチームを、年齢を理由に解雇されたリサは、最近、恋人ともしっくりきていない。

ジョージは、父親の経営する会社の重役でありながら、何かの濡れ衣を着せられ、詐欺容疑で立件される。失業し、さらに恋人とも破局してどん底状態だ。

そんな失意の二人が出会う。

ロマンチック・コメディーの定石通り、二人は恋に落ち、やがて立ち直るきっかけを掴んでいくという展開だが、さすがブルックス監督、いくつかのシーンで流れるせつない時間が、なんともいえず味わい深い。

例えば、リサが、セラピーをすすめられ、初めて精神分析医のところにやってきたシーン。

やっぱり自分の性に合わないと、部屋を飛び出そうとして立ち止まり、一つの質問をする。

「先生は今までの治療の中で、どんな状況の人にも当てはまる、心の助けになる言葉があった?」

すると医師はこう答える。

「あるとも。自らの心に正直になる方法を学びなさい、だ」

それはとても難しいと言うリサに、医師はこう言うのだ。

「ここに来るのも、ここから去るのも決断が必要だったはずだ。君は、君が思っているよりもずっと強い人間だと思う」

これを聞いて、リサは来てよかったと思うのである。

人生はたった一つのきっかけで回り始める」というのは、重大な決心をしたジョージが、リサの誕生日に言う言葉である。

出番は少ないものの、ジョージの友人カップルのプロポーズ騒動が、意外に笑えて、そして、泣かせる。

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